家庭用ゲーム大手の中間、6社中4社が増益 カプコンとコーエーテクモが大幅増益 セガサミーとスクエニは60%超の減益
家庭用ゲームソフト大手6社の中間期(4~9月)の決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中4社だった。カプコン<9697>やコーエーテクモホールディングス<3635>、バンダイナムコホールディングス<7832>、コナミホールディングス<9766>が増益組で、セガサミーホールディングス<6460>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が第1四半期に続いて減益となった(以下、ホールディングスはHDとする)。
注)1億円未満が四捨五入。
増益組をみていくと、550%増と驚異的な営業増益となったカプコンは、2018年1月に発売した『モンスターハンター:ワールド』が引き続き好調に推移し、出荷本数は1000万本を突破したとのこと。コーエーテクモHDは、スマートフォンゲームの運営収入やIP許諾のロイヤリティ収入が収益向上に寄与し、売上高と営業利益は経営統合以来の最高水準だった。バンダイナムコHDはゲーム事業が微減だったが、トイホビー事業や映像音楽プロデュース事業が好調に推移した。
他方、減益組では、営業利益が63.8%減と大幅な減益となったセガサミーHDとなった。リゾート事業の投資が続くうえ、遊技機とゲーム事業がいずれも減益だった。ゲームはパッケージとアーケードが好調だったが、スマホゲームなどデジタル分野が苦戦した。本社移転費用も負担となった。また、営業利益61.0%減だったスクウェア・エニックスHDも主力のゲーム事業で家庭用、スマホゲーム、MMOがいずれも苦戦した。
各社の状況は以下のとおり。ゲーム事業を中心にまとめた。
■コーエーテクモHD
売上高174億700万円(前年同期比16.7%増)、営業利益46億8400万円(同64.3%増)だった。スマートフォンゲームなどの運営収入やIP許諾などのロイヤリティ収入が増加したことで営業利益率が向上した。経常利益が大きく伸びたが、安定した利息・配当金収入に加え有価証券売却益を営業外収益に計上したことによる。
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・コーエーテクモHD、2Qは売上高、各利益とも過去最高に 『新三國志』『真・三國無双 斬』などIP許諾タイトルが収益に貢献
・コーエーテクモ、第2四半期のモバイルゲーム売上高は25億円超と過去最高に IP許諾タイトルのロイヤリティ収入と運営担当タイトルから運営収入の増加で
■カプコン
売上高433億2700万円(前年同期比28.5%増)、営業利益105億800万円(同2.1倍)だった。『モンスターハンター:ワールド』が引き続き好調に推移し、出荷本数が1000万本を突破して、同社の単一タイトルとしては過去最高記録を更新した。連結子会社の開発中止損を計上したものの、増収効果で吸収した。
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・カプコン、2Qは売上高28%増、営業益2.1倍と大幅増収増益 『モンハン:ワールド』は出荷本数1000万本の大台乗せ…同社タイトルの最高記録に
■コナミHD
売上高1221億円(前年同期比5.9%増)、営業利益250億円(同0.3%増)だった。前年同期に販売が好調であったアミューズメント事業の反動があったものの、eスポーツの取り組みを推進する中で、デジタルエンタテインメント事業の「実況パワフルプロ野球」シリーズ、「ウイニングイレブン」シリーズ等の主力タイトルが堅調に推移した。
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・コナミHD、第2四半期は売上高6%増の1221億円、営業利益0.3%増の250億円と増収増益…「パワプロ」シリーズと「ウイイレ」シリーズなど主力タイトル好調
■セガサミーHD
売上高1710億円(前年同期比12.2%減)、営業利益102億円(同61.9%減)だった。ゲームは、家庭用ゲームソフトとアミューズメントが好調だった一方、PCオンラインゲームとスマホゲームなど「デジタルゲーム分野」の営業損益が10億円の赤字と2四半期連続で赤字だった。新作『BORDER BREAK』(PS4版)が堅調だったが、上期にサービス開始を予定していたタイトルが一部遅延したほか、上期の新作タイトル投入に伴う研究開発費・コンテンツ制作費などが発生したという。
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・セガサミーHD、2Qは売上高12%減、営業益61%減に エンタメ事業は増収も費用先行で減益に PS4版『BORDER BREAK』は堅調に推移
・セガサミーHD、デジタルゲームは2四半期連続の赤字 新作が一部遅延、研究開発費とコンテンツ制作費が重し 『BORDER BREAK』は『PSO2』に続く2位に
・セガサミー、アミューズメント機器の売上倍増、営業益10倍と急改善 『FGO Arcade』など新作貢献、CVTキット寄与 アミューズメント施設も好調
・セガサミーHD、パッケージゲームの営業利益は26%増の44億円…利益率の高いリピート販売が引き続き貢献
■スクエニHD
売上高1122億円(前年同期比15.0%減)、営業利益100億円(同61.0%減)だった。ゲームは、家庭用ゲーム、スマートフォン、MMOゲームがいずれも減益だった。スマートデバイス・ PCブラウザゲームについては、前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回り、既存タイトルへの売上に上乗せできなかったことに加えて、ライセンス収益が減少したという。第2四半期(7~9月)の売上高をみると、前年同期比で13.2%減の197億円だった。
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・スクエニHD、スマホ・PCブラウザゲームの2Q売上高は13%減の197億円 前期リリースタイトルが想定下回る 今後は新作の絞り込みと組織の再構築
■バンダイナムコHD
売上高3346億円(前年同期比8.4%増)、営業利益439億円(同25.7%増)だった。ゲーム事業は減益だった。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」や「ワンピース トレジャークルーズ」、国内の「アイドルマスター」シリーズなどの主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移したほか、「ドラゴンボール レジェンズ」が好調なスタートをきった。また、新プラットフォームの立ち上げ等の新たなサービス創出に向けた取り組みを行った。第2四半期(7~9月)だけをみると、売上高は前四半期比15.8%増の549億円と過去最高を更新した。
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・バンナム、スマホゲームの7~9月の売上高は549億円と過去最高を更新 『ドッカンバトル』と『トレクル』、『アイマス』シリーズが貢献
・バンナムHDの第2四半期のIP別売上高 『ドラゴンボール』が7~9月期で330億円と過去最高を更新 『ドッカンバトル』と玩具貢献 『スーパー戦隊』が低迷
注)1億円未満が四捨五入。
増益組をみていくと、550%増と驚異的な営業増益となったカプコンは、2018年1月に発売した『モンスターハンター:ワールド』が引き続き好調に推移し、出荷本数は1000万本を突破したとのこと。コーエーテクモHDは、スマートフォンゲームの運営収入やIP許諾のロイヤリティ収入が収益向上に寄与し、売上高と営業利益は経営統合以来の最高水準だった。バンダイナムコHDはゲーム事業が微減だったが、トイホビー事業や映像音楽プロデュース事業が好調に推移した。
他方、減益組では、営業利益が63.8%減と大幅な減益となったセガサミーHDとなった。リゾート事業の投資が続くうえ、遊技機とゲーム事業がいずれも減益だった。ゲームはパッケージとアーケードが好調だったが、スマホゲームなどデジタル分野が苦戦した。本社移転費用も負担となった。また、営業利益61.0%減だったスクウェア・エニックスHDも主力のゲーム事業で家庭用、スマホゲーム、MMOがいずれも苦戦した。
各社の状況は以下のとおり。ゲーム事業を中心にまとめた。
■コーエーテクモHD
売上高174億700万円(前年同期比16.7%増)、営業利益46億8400万円(同64.3%増)だった。スマートフォンゲームなどの運営収入やIP許諾などのロイヤリティ収入が増加したことで営業利益率が向上した。経常利益が大きく伸びたが、安定した利息・配当金収入に加え有価証券売却益を営業外収益に計上したことによる。
【関連記事】
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・コーエーテクモ、第2四半期のモバイルゲーム売上高は25億円超と過去最高に IP許諾タイトルのロイヤリティ収入と運営担当タイトルから運営収入の増加で
■カプコン
売上高433億2700万円(前年同期比28.5%増)、営業利益105億800万円(同2.1倍)だった。『モンスターハンター:ワールド』が引き続き好調に推移し、出荷本数が1000万本を突破して、同社の単一タイトルとしては過去最高記録を更新した。連結子会社の開発中止損を計上したものの、増収効果で吸収した。
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■コナミHD
売上高1221億円(前年同期比5.9%増)、営業利益250億円(同0.3%増)だった。前年同期に販売が好調であったアミューズメント事業の反動があったものの、eスポーツの取り組みを推進する中で、デジタルエンタテインメント事業の「実況パワフルプロ野球」シリーズ、「ウイニングイレブン」シリーズ等の主力タイトルが堅調に推移した。
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■セガサミーHD
売上高1710億円(前年同期比12.2%減)、営業利益102億円(同61.9%減)だった。ゲームは、家庭用ゲームソフトとアミューズメントが好調だった一方、PCオンラインゲームとスマホゲームなど「デジタルゲーム分野」の営業損益が10億円の赤字と2四半期連続で赤字だった。新作『BORDER BREAK』(PS4版)が堅調だったが、上期にサービス開始を予定していたタイトルが一部遅延したほか、上期の新作タイトル投入に伴う研究開発費・コンテンツ制作費などが発生したという。
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■スクエニHD
売上高1122億円(前年同期比15.0%減)、営業利益100億円(同61.0%減)だった。ゲームは、家庭用ゲーム、スマートフォン、MMOゲームがいずれも減益だった。スマートデバイス・ PCブラウザゲームについては、前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回り、既存タイトルへの売上に上乗せできなかったことに加えて、ライセンス収益が減少したという。第2四半期(7~9月)の売上高をみると、前年同期比で13.2%減の197億円だった。
【関連記事】
・スクエニHD、第2四半期の営業益は61%減の100億円 スマホゲームが想定下回る ライセンス収益もはく落 家庭用とMMOも減収減益に
・スクエニHD、スマホ・PCブラウザゲームの2Q売上高は13%減の197億円 前期リリースタイトルが想定下回る 今後は新作の絞り込みと組織の再構築
■バンダイナムコHD
売上高3346億円(前年同期比8.4%増)、営業利益439億円(同25.7%増)だった。ゲーム事業は減益だった。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」や「ワンピース トレジャークルーズ」、国内の「アイドルマスター」シリーズなどの主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移したほか、「ドラゴンボール レジェンズ」が好調なスタートをきった。また、新プラットフォームの立ち上げ等の新たなサービス創出に向けた取り組みを行った。第2四半期(7~9月)だけをみると、売上高は前四半期比15.8%増の549億円と過去最高を更新した。
【関連記事】
・バンナムHD、中間の営業益は25%増の439億円 玩具やアニメ・ライブイベントがけん引 「ラブライブ!サンシャイン!!」や「アイマス」「アイナナ」が貢献
・バンナム、スマホゲームの7~9月の売上高は549億円と過去最高を更新 『ドッカンバトル』と『トレクル』、『アイマス』シリーズが貢献
・バンナムHDの第2四半期のIP別売上高 『ドラゴンボール』が7~9月期で330億円と過去最高を更新 『ドッカンバトル』と玩具貢献 『スーパー戦隊』が低迷
(編集部・木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460