【サイバーステップ決算説明会】「トレバ」をけん引役に10四半期連続の増収を達成 売上高100億円の前倒し達成も 「次は1000億円を目標に」(佐藤社長)
サイバーステップ<3810>は、1月28日、東京都内で2019年5月期の第2四半期の決算説明会を開催した。先日1月15日に発表した第2四半期累計(6~11月)の連結決算は、売上高52億2200万円(前年同期比74.6%増)、営業損益6500万円の赤字(前年同期2億9000万円の黒字)、経常損益1億600万円の赤字(同2億7000万円の黒字)、最終損益1億4200万円の赤字(同2億1100万円の黒字)となった。
説明会では、同社の佐藤類社長が決算概要やトレバ事業の今後の展開などを説明した後、質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、決算の内容をまとめてみた。
■2QはQonQで売上高19%増 10四半期連続の増収を達成
まずは第2四半期期間(9~11月)の業績を四半期推移で見てみると、売上高は前四半期比19.8%増の28億4700万円、営業利益は前四半期の9200万円の赤字から2700万円の黒字に転換した。また、経常損益は前四半期の9900万円の赤字から600万円の赤字に、最終損益は同じく1億1000万円の赤字から3100万円の赤字に赤字幅が縮小している。
売上高は10四半期連続の増収を継続し、過去最高の売上高を更新している。なお、同社は第1四半期期間の8月にクレーンゲームアプリ「トレバ」の大規模なプロモを実施しており、これが前四半期の営業赤字の要因となっている。
なお、売り上げの伸びに対して利益の伸びが比例していない形となっているが、「利益率が低いがまずは売り上げのトップラインを高める」(佐藤社長)とし、「トレバ」の増床・増台を積極的に進めていることが大きい。
■「トレバ」は期末1800台まで増台へ Switch向け展開や海外展開も準備中
では、そのトレバ事業の状況を見てみたい。先日1月15日に「トレバ」が1000万ダウンロードを突破したことを発表しているが、登録者数の増加は順調な推移が続いている。さらにこの第2四半期期末では、オンラインクレーンゲーム1200台を1万6000坪の倉庫でサービス中だが、これを今期末となる2019年5月末には1800台まで増台する計画だ。
なお、同社は、「3か月ごとに200台を増台」(同)を基本としているが、資金調達が順調に進んでいることから第4四半期に400台の増台を実施する予定だという。
また、現状の展開に加え、ユーザーの入り口を増やしていく施策も展開する。現在は、Amazon Fire TVやNintendo Switchでの展開に向けて開発が進めえられているほか、「Facebookアプリでの展開も検討している」(同)とのこと。
先日1月18日にアメリカ、韓国、台湾での試験サービスの開始を発表した海外展開については、景品の現地調達がサービスを展開する上での大きなポイントなってくるが、韓国については現地調達に目処がついたという。また、先日発表したほかにも2019年中の中国本土への進出も目指している。
■新プロジェクト『Abyss』などスマホゲームは次の展開も
同社は「トレバ」に続く柱を育成するため、スマホゲームアプリの開発にも注力している。そうした中で昨年12月には、『ゲットアンプド モバイル』『暁のブレイカーズ』『トモトル ~ハローキティとハピネスライフ~』の3タイトルをリリースしたが、『ゲットアンプド モバイル』が韓国と台湾で手応えを見せているものの、期待していた成果は出ていないもようだ。
これらのタイトルのテコ入れを進めつつ、次に向けた開発も進めており、先日1月15日にはGoogle Maps Platformのゲーム業界向けソリューションを導入して開発中のスマホ向け新規ゲーム開発プロジェクト『Abyss』を発表した。さらにこれに加え、ほかにも2019年の後半から2020年の前半くらいのリリースを目標とした新作の計画を進めているとのことだ。
■通期売上高予想を増額修正 売上高100億円の早期実現も現実味
2019年5月期通期の連結業績予想については、第2四半期決算の発表と同時に売上高予想を上方修正しており、売上高は従来予想の80億円から95億円(増減率18.8%増)に予想が修正された。一方、各利益項目は予想を据え置いているが、これは「トレバ」の追加増台に伴う費用の増加、新作タイトルの開発費用などを見込んでいるためとしている。
なお、同社は中期目標として、2020年までに売上高100億円を目指すとしていたが、これは今期の時点で「売上高100億円が見えてきた」(同)とするなど前倒しで到達する可能性も出てきている。佐藤社長は、「トレバ」の順調な成長が続いている状況も踏まえ、「100億円の目標の次は1000億円を目標に」(同)と希望を語るなど、引き続き「トレバ」の売り上げのトップラインを伸ばしていく方針だ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- サイバーステップ株式会社
- 設立
- 2000年4月
- 代表者
- 代表取締役社長 佐藤 類
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高29億8600万円、営業損益14億5500万円の赤字、経常損益15億2000万円の赤字、最終損益14億5800万円の赤字(2024年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3810