CESA、「CESAゲーム開発技術ロードマップ2018年度版」を公開
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、2月1日、「CESAゲーム開発技術ロードマップ2018年度版」を公開した。
「CESAゲーム開発技術ロードマップ」は、ゲーム開発にかかわる様々な技術における最新動向と、近い将来に活用される可能性のある技術等を編さんしたもので、2009年から毎年公開しており、今回で10回目を迎える。
CEDECでのセッションの傾向などから、近年のゲーム開発において重要と思われる技術テーマを選び出し、簡潔かつ判りやすく表現することで、概要をいち早く理解し、調査、研究、議論に活用できる内容となっている。
詳細はCEDEC公式サイトで確認できる。
■エンジニアリング分野
一般
<最 新>
-大規模タイトルでの独自ゲームエンジンは差別化のため一層の技術深化が進む
-スケーラビリティのあるクロス・プラットフォーム設計技術の進展
-ブロックチェーン技術がエンターテインメントコンテンツでも応用される
-WebGL等を用いたリッチ3Dウェブコンテンツの出現
<数年後>
-WebAssemblyの導入
-ゲームロジックのオンラインを通じた分散化
-大規模タイトルのアセットサイズ肥大化への対処として、非可逆圧縮、プロシージャル生成などでストリーミング技術が高度化する
-ユーザーの生体データのゲームへのフィードバック
コンピュータグラフィックス
<最 新> -VR/AR/MR の実用化と、インターフェース技術の進展
-複雑なシーンを扱えるグローバルイルミネーションと物理ベースレンダリング(PBR)によるフォトリアリスティックワークフローの一般化
-ゲームタイトルが求める表現を実現するためにレンダリングパスを設計
-レイマーチング技術の拡張(プロシージャル雲、スクリーンスペースシャドウ)
-フォトリアルに囚われない、様々なアートスタイルが発展
-測定ベースのモデルやマテリアルがアセットライブラリとして量産される
-ジオメトリシェーダを有効活用した高密度アセット描画の実現
-90fpsを超える高フレームレート
<数年後>
-テクスチャやメッシュ、モーションなどアセット生成への機械学習の実践
-ゲームエンジン内部フレームバッファ等から広色域化が始まる
-構造色、蛍光色などのエキゾチックカラーの再現
-リアルタイムレイトレーシングが実用化
AI
<最 新> -エージェントアーキテクチャの一般化と高度化(認識、意思決定、身体運動生成の高度化)
-ゲームバランス調整時の、ニューラルネットなど機械学習、GAなど進化アルゴリズムの導入
-環境認識処理のリッチ化(TacticalPointSystem、領域ベースの視覚システムなど)
-プランニング技術による意思決定(特にゴール指向、階層型タスクプランニングの導入)
-流体手法、ボイド、場を介した制御などに基づきさらに発展させたリアリティを持つ膨大な群衆シミュレーション
-感情エンジンや自然言語処理によるユーザーとキャラクターのより深化したインタラクションの実現
-街や地形、NPC配置など環境制作を支援するAI
-QAやデバッグを効率化してくれるAI(自動プレイテスト、プレイログデータ解析、テスターのアシスト)
-ゲームデザイン又はプロデュースを支援するAI(ユーザーデータの解析可視化、ユーザ
ーログのフィードバックによるゲームデザインの検証)
<数年後>
-ユーザレスポンスから学習するランタイム型の機械学習エンジンの一般化
-自然言語処理のブレークスルーにより会話型インターフェースがゲームUIの要素技術として確立
-機械学習による意思決定アルゴリズムの調整機能
-ユーザー解析によるユーザーに沿ったゲームのリアルタイム生成
-物語生成技術エピソード生成技術のゲームへの導入
-メタAIによるゲームデザインの動的形成生成変化
アニメーション
<最 新>
-IK、プロシージャルアニメーション、ディープラーニング等の様々な手法による滑らかなモーションの実現
-キネマティクス処理とモーションAI の双方向通信による高度な連携
-Parameter Blending, Motion Matching などのデータベース型手法の実タイトルへの導入
-ディープベースの単眼画像モーションキャプチャの実用化
<数年後>
-W筋骨格モデルをベースとした人体物理アニメーション
シミュレーション
<最 新>
-セットアップに頼らない破断、壊れ、変形などのリアルタイム処理
-クラウドコンピューティングによる大規模シミュレーション
<数年後>
-布、剛体、流体などの異なるシミュレーション対象を統一的に処理できるソルバの登場
-VR環境に向けて、接地感のある手のシミュレーション
-ShapeMatchingや粘性変形の一般化
-大規模な動的環境変化、および、それにランタイムリアルタイムで追従する強力な地形認識
ネットワーク
<最 新>
-サービスで扱うデータ量の増大に伴い携帯網の制約が無視できなくなり、データ量を削減する技術の重要性が増す
-HTTP/2 を意識したサービス設計の重要性が増す
-クラウドサービスの多様化、微細化による、それぞれの組み合わせと少ない実装でのゲーム開発の実現
-端末間での直接通信を行う技術(NAT越えなど)を、プラットフォームやミドルウェア機能として実現
-携帯網でのネイティブIPv6提供
-Web標準アクセスプロトコルのHTTPSへの移行
<数年後>
-携帯網でのパケット通信制限緩和やキャリア固有サービスの拡充
-東京オリンピックに向けた公共Wi-Fi サービスの拡充と、各方面でのネットワーク増強
-リアルタイム通信対戦におけるHTTP/3の利用
-超低遅延通信が可能な5Gの普及とともに、エッジコンピューティングの重要性が増す
新ハードウェアへの対応
<最 新>
-HDR, 4K, VR への対応(最適化、アンチエイリアシング、可変フレームレート等)
-様々なIoT デバイスが登場し、生活で使用する様々なモノがオンラインとなり、ゲーミフィケーション、エンターテインメントが介在できる機会が増加
-モバイル端末のカメラやプロセッサ性能の進化によるAR体験の向上
<数年後>
-大規模な屋外ARによる共有型のコンテンツの実現
-様々なものがネットワークに繋がるようになり、それらのリアルなデータを活用した遊びやサービスが考え出される
-IoT のプラットフォームを形成し、データやインフラを社会全体で分野横断的に有効活用する
-IoT デバイスのセキュリティ問題、オープンデータによる著作権やプライバシーに関する問題が発生する
■プロダクション分野
一般
<最 新>
-プロセス管理やコラボレーションツール、自動ビルドなどのプロダクションを支える技術
のクラウド化
-リソースの増大に伴い、大容量ファイルサイズを扱うクラウドホスティングサービスの使用例が増え始め、オンプレミスとのハイブリッドな利用が定着する
<数年後>
-コンパイル、データコンバートやベイク、レンダリングなど、同時並列処理で大量のハードウェアリソースを必要とする処理においてクラウド上のリソースを利用するサービスが増える
-アセット管理や、データ作成のクラウド化が進み、リモートワークの障壁が下がる
プロセスマネジメント
<最 新>
-大規模開発においてゲームエンジンや開発環境にあったより体系化されたアセットワークフローが適用される
-機械学習やプロシージャル技術等を用いたコンテンツ・アセット製作の導入が進む
<数年後>
-プロジェクトマネジメントにおいて組織横断な管理を導入する企業が増える。それによってより組織的なプロセス最適化が進み、個人のオーバーワークが激減する
-働き方の多様化により、遠隔地での協業が増える。それに伴いより多くの情報を共有することができるコミュニケーション手段が発達する
プラクティス
<最 新>
-ソフトウェアテストに機械学習の利用が進む
-ゲームエンジンのプラグインによる先進技術の即時実現
-大量のログの可視化による作業効率の改善例が増える
<数年後> -ゲームエンジン内にQA管理用機能が組み込まれ、開発工程内でのQAが促進される
-コンシューマとモバイルで共通化した技術が多くなり、各社の強みを生かした自社製エンジンの事例が増え始める
ナレッジマネジメント
<最 新>
-自社の技術ブログや勉強会、カンファレンスなど公の場を巻き込んだナレッジマネジメント
-社外でのインプットを社内でアウトプットする活動を積極的に行う開発者が増える
<数年後>
-チーム力が問われる大規模なプロジェクトにおいて、個人に対して評価する従来の評価制度がミスマッチとなり、違った評価システムを導入する企業が増える
■ビジュアルアーツ分野
グラフィックス周辺環境、課題
<最 新> -スマートフォンサイズ~大型ディスプレイまでさまざまな画面サイズ、タッチデバイス上でのデザイン表現の課題
-低解像度ディテールからの高解像度化
-デザインアセットのCI
-3Dプリンターを活用したコンテンツ製作
-2K SDRから8K HDRまで幅広いユーザー環境への対応
<数年後>
-VR/AR/MR 向けに、人間の目をシミュレーションしたレンダリング
-人間工学を活用したユーザーインターフェース、入力デバイス
-あらゆるデータのプロシージャル化、非ビットマップ材質表現
-あらゆる物理現象をリアルタイムにキャプチャーしデータ化
-2Dアニメーションからの3Dアセット自動生成
アセット、データ制作
<最 新> -アニメーションデータのテクスチャ化
-プロシージャルを利用した(大規模)アセット制作
-レイトレーシング等オフラインレンダリング技術のリアルタイム化
-リアルタイム・リターゲット、ダイナミクスを考慮したポーズ変形
-PBR をベースとしたスタイライズドレンダリング
-ミドルウェア、ゲームエンジン間の高度なインテグレーション
-映像制作とゲーム制作間での共通オーサリングシステム
<数年後>
-大量のキーポーズを統計モデルでリアルタイム自動補間するアニメーション技術の実装
-AIによる写実的なレンダリング
-筋肉、骨格、皮膚の滑り等を考慮したリアルタイムアニメーション
-キャプチャー3Dデータから筋肉、骨格等内部構造の自動再構成
-PBRやNPRにも通用する動画補間技術による中間動作の自動化
-機械学習を活用した画作り
パイプライン、ワークフロー
<最 新>
-ディープラーニングを活用したデータ作成・管理ワークフロー
-マルチプラットフォームを考慮したアセットパイプライン
-大規模アウトソーシングの為のワークフロー、パイプラインの最適化とアセット作成業務の標準化
-クラウドを活用した環境や場所を超えたアセットパイプライン
-映像のスタイライズ(手書き調、NPR など)の多様化とワークフローの開発
<数年後>
-AIを活用したデータ作成・管理ワークフロー
-特殊な機材を必要としないリアルタイムスキャンやデータキャプチャ
■サウンド分野
音響効果(音楽・効果音・音声・ミキシング等の技術・知識を用いた演出表現)
<最 新>
-アニメーションに連動した自動化による効率的な発音制御
-ゲーム進行に合わせた動的なミキシング(スナップショット型のインタラクティブ/ダイナミ
ックミキシング、HDR Audio)
-インタラクティブミュージックの定着と手法の細分化(複雑なイベント分岐、MIDI併用、ゲーム仕様との連動)
<数年後>
-ゲームAIによるリアルタイムの発音制御
-周波数ドメイン制御が考慮されたリアルタイムミキシングの活用
-ゲームと連動したジェネレーティブな楽曲演出
信号処理技術(音響表現の向上と開発効率化を両立させるためのDSP/シンセサイズ・波形生成・合成・解析など)
<最 新>
-プロシージャルオーディオの部分的な実装(グラニューラ、モーフィングによる音声生成、
音声解析による再合成など)
-ノードベースでのリアルタイム信号処理-音声合成エンジンによる発声利用や、サーバーサイド音声解析による自然言語入力の実用化段階
-音階抽出・テンポ同期・ラウドネスなどオーディオ解析情報のゲーム利用および制作ワークフローの短縮化
<数年後> -機械学習を応用した波形解析や自動生成や再合成など
-音声認識時の感情や表現の検出、音声演技の幅を持つ表現技術の導入開発ツール・オーサリング環境
空間音響処理技術(音の伝搬、3Dオーディオなど)
<最 新>
-空間音響を活用した音の伝搬表現(音の回折を考慮した仮想音源の配置、レイトレーシングによる残響表現など)
-3Dオーディオ技術の活用(HRTF、Ambisonicsを活用したヘッドフォンおよび天井スピーカでの空間音響表現。VR実装技術の充実化。ミドルウェアへの標準搭載。)
<数年後>
-音響工学や建築音響などをベースとした、空間音響シミュレーションのリアルタイム化(音源のリアルタイム再配置、遮蔽・残響情報のリアルタイム反映など)
-ユーザーの環境、嗜好への対応(HRTFのカスタマイズ・パーソナライズ、より高次のAmbisonicsの活用、動的トランスオーラルなど)
開発ツール・オーサリング環境
<最 新>
-オーサリングツールとDAW連携強化によりサウンドデータ制作のプロセスが効率化
-ゲームエンジンとの連携強化による音源配置や残響設定の効率化・自動化
<数年後>
-音情報の統計・ビジュアライズ化・学習などにより実装・デバッグがより効率化される
■ゲームデザイン分野
ゲームシステム
アイデアの出し方、元になる要素、操作しやすいインターフェースの活かし方
<最 新>
-マルチデバイスとマルチプレイを生かしたゲームデザイン
-eスポーツ向けの企画とイベント運用
-AIが出したアイデアを元に企画を自動構築するシステム
-AR演出のリアルタイム合成技術を用いたゲームシステム
<数年後>
-クロスモーダルを前提としたゲームデザイン
-VR/AR/MR技術を利用した現実に干渉するゲームデザイン
-AIによるプレイヤー個別かつ自動継続的なレベルデザイン生産性と品質の向上
アイデアを活かすために生産性をあげる技術
<最 新>
-ゲームデザインやクオリティーチェックへのAIの導入
-AIを利用したアセット自動生成技術の活用
-次世代移動通信の技術とそれを活かしたハードウェアの発展
<数年後>
-革新的なインターフェースを伴ったVR技術
-ミドルウェアとしての統一化されたAI規格
-現実との違和感を感じさせないAR技術
気にしなければいけない周辺技術
<最 新>
-世界的なガチャ規制に向けた流れと次世代のマネタイズモデル
-超高精細や形状変化など多様なディスプレイの進化と普及
-ビジュアル検索を使用した新しい検索チャネル
<数年後>
-足など他の人体機能を活かした補助腕の技術
-脳活動測定を利用したレベルデザインへのフィードバック
-IR実施法案の成立に伴う業界への影響
-触覚ディスプレイや味覚ディスプレイなど出力機器の多様化
「CESAゲーム開発技術ロードマップ」は、ゲーム開発にかかわる様々な技術における最新動向と、近い将来に活用される可能性のある技術等を編さんしたもので、2009年から毎年公開しており、今回で10回目を迎える。
CEDECでのセッションの傾向などから、近年のゲーム開発において重要と思われる技術テーマを選び出し、簡潔かつ判りやすく表現することで、概要をいち早く理解し、調査、研究、議論に活用できる内容となっている。
詳細はCEDEC公式サイトで確認できる。
「CESA ゲーム開発技術ロードマップ 2018 年度版」
■エンジニアリング分野
一般
<最 新>
-大規模タイトルでの独自ゲームエンジンは差別化のため一層の技術深化が進む
-スケーラビリティのあるクロス・プラットフォーム設計技術の進展
-ブロックチェーン技術がエンターテインメントコンテンツでも応用される
-WebGL等を用いたリッチ3Dウェブコンテンツの出現
<数年後>
-WebAssemblyの導入
-ゲームロジックのオンラインを通じた分散化
-大規模タイトルのアセットサイズ肥大化への対処として、非可逆圧縮、プロシージャル生成などでストリーミング技術が高度化する
-ユーザーの生体データのゲームへのフィードバック
コンピュータグラフィックス
<最 新> -VR/AR/MR の実用化と、インターフェース技術の進展
-複雑なシーンを扱えるグローバルイルミネーションと物理ベースレンダリング(PBR)によるフォトリアリスティックワークフローの一般化
-ゲームタイトルが求める表現を実現するためにレンダリングパスを設計
-レイマーチング技術の拡張(プロシージャル雲、スクリーンスペースシャドウ)
-フォトリアルに囚われない、様々なアートスタイルが発展
-測定ベースのモデルやマテリアルがアセットライブラリとして量産される
-ジオメトリシェーダを有効活用した高密度アセット描画の実現
-90fpsを超える高フレームレート
<数年後>
-テクスチャやメッシュ、モーションなどアセット生成への機械学習の実践
-ゲームエンジン内部フレームバッファ等から広色域化が始まる
-構造色、蛍光色などのエキゾチックカラーの再現
-リアルタイムレイトレーシングが実用化
AI
<最 新> -エージェントアーキテクチャの一般化と高度化(認識、意思決定、身体運動生成の高度化)
-ゲームバランス調整時の、ニューラルネットなど機械学習、GAなど進化アルゴリズムの導入
-環境認識処理のリッチ化(TacticalPointSystem、領域ベースの視覚システムなど)
-プランニング技術による意思決定(特にゴール指向、階層型タスクプランニングの導入)
-流体手法、ボイド、場を介した制御などに基づきさらに発展させたリアリティを持つ膨大な群衆シミュレーション
-感情エンジンや自然言語処理によるユーザーとキャラクターのより深化したインタラクションの実現
-街や地形、NPC配置など環境制作を支援するAI
-QAやデバッグを効率化してくれるAI(自動プレイテスト、プレイログデータ解析、テスターのアシスト)
-ゲームデザイン又はプロデュースを支援するAI(ユーザーデータの解析可視化、ユーザ
ーログのフィードバックによるゲームデザインの検証)
<数年後>
-ユーザレスポンスから学習するランタイム型の機械学習エンジンの一般化
-自然言語処理のブレークスルーにより会話型インターフェースがゲームUIの要素技術として確立
-機械学習による意思決定アルゴリズムの調整機能
-ユーザー解析によるユーザーに沿ったゲームのリアルタイム生成
-物語生成技術エピソード生成技術のゲームへの導入
-メタAIによるゲームデザインの動的形成生成変化
アニメーション
<最 新>
-IK、プロシージャルアニメーション、ディープラーニング等の様々な手法による滑らかなモーションの実現
-キネマティクス処理とモーションAI の双方向通信による高度な連携
-Parameter Blending, Motion Matching などのデータベース型手法の実タイトルへの導入
-ディープベースの単眼画像モーションキャプチャの実用化
<数年後>
-W筋骨格モデルをベースとした人体物理アニメーション
シミュレーション
<最 新>
-セットアップに頼らない破断、壊れ、変形などのリアルタイム処理
-クラウドコンピューティングによる大規模シミュレーション
<数年後>
-布、剛体、流体などの異なるシミュレーション対象を統一的に処理できるソルバの登場
-VR環境に向けて、接地感のある手のシミュレーション
-ShapeMatchingや粘性変形の一般化
-大規模な動的環境変化、および、それにランタイムリアルタイムで追従する強力な地形認識
ネットワーク
<最 新>
-サービスで扱うデータ量の増大に伴い携帯網の制約が無視できなくなり、データ量を削減する技術の重要性が増す
-HTTP/2 を意識したサービス設計の重要性が増す
-クラウドサービスの多様化、微細化による、それぞれの組み合わせと少ない実装でのゲーム開発の実現
-端末間での直接通信を行う技術(NAT越えなど)を、プラットフォームやミドルウェア機能として実現
-携帯網でのネイティブIPv6提供
-Web標準アクセスプロトコルのHTTPSへの移行
<数年後>
-携帯網でのパケット通信制限緩和やキャリア固有サービスの拡充
-東京オリンピックに向けた公共Wi-Fi サービスの拡充と、各方面でのネットワーク増強
-リアルタイム通信対戦におけるHTTP/3の利用
-超低遅延通信が可能な5Gの普及とともに、エッジコンピューティングの重要性が増す
新ハードウェアへの対応
<最 新>
-HDR, 4K, VR への対応(最適化、アンチエイリアシング、可変フレームレート等)
-様々なIoT デバイスが登場し、生活で使用する様々なモノがオンラインとなり、ゲーミフィケーション、エンターテインメントが介在できる機会が増加
-モバイル端末のカメラやプロセッサ性能の進化によるAR体験の向上
<数年後>
-大規模な屋外ARによる共有型のコンテンツの実現
-様々なものがネットワークに繋がるようになり、それらのリアルなデータを活用した遊びやサービスが考え出される
-IoT のプラットフォームを形成し、データやインフラを社会全体で分野横断的に有効活用する
-IoT デバイスのセキュリティ問題、オープンデータによる著作権やプライバシーに関する問題が発生する
■プロダクション分野
一般
<最 新>
-プロセス管理やコラボレーションツール、自動ビルドなどのプロダクションを支える技術
のクラウド化
-リソースの増大に伴い、大容量ファイルサイズを扱うクラウドホスティングサービスの使用例が増え始め、オンプレミスとのハイブリッドな利用が定着する
<数年後>
-コンパイル、データコンバートやベイク、レンダリングなど、同時並列処理で大量のハードウェアリソースを必要とする処理においてクラウド上のリソースを利用するサービスが増える
-アセット管理や、データ作成のクラウド化が進み、リモートワークの障壁が下がる
プロセスマネジメント
<最 新>
-大規模開発においてゲームエンジンや開発環境にあったより体系化されたアセットワークフローが適用される
-機械学習やプロシージャル技術等を用いたコンテンツ・アセット製作の導入が進む
<数年後>
-プロジェクトマネジメントにおいて組織横断な管理を導入する企業が増える。それによってより組織的なプロセス最適化が進み、個人のオーバーワークが激減する
-働き方の多様化により、遠隔地での協業が増える。それに伴いより多くの情報を共有することができるコミュニケーション手段が発達する
プラクティス
<最 新>
-ソフトウェアテストに機械学習の利用が進む
-ゲームエンジンのプラグインによる先進技術の即時実現
-大量のログの可視化による作業効率の改善例が増える
<数年後> -ゲームエンジン内にQA管理用機能が組み込まれ、開発工程内でのQAが促進される
-コンシューマとモバイルで共通化した技術が多くなり、各社の強みを生かした自社製エンジンの事例が増え始める
ナレッジマネジメント
<最 新>
-自社の技術ブログや勉強会、カンファレンスなど公の場を巻き込んだナレッジマネジメント
-社外でのインプットを社内でアウトプットする活動を積極的に行う開発者が増える
<数年後>
-チーム力が問われる大規模なプロジェクトにおいて、個人に対して評価する従来の評価制度がミスマッチとなり、違った評価システムを導入する企業が増える
■ビジュアルアーツ分野
グラフィックス周辺環境、課題
<最 新> -スマートフォンサイズ~大型ディスプレイまでさまざまな画面サイズ、タッチデバイス上でのデザイン表現の課題
-低解像度ディテールからの高解像度化
-デザインアセットのCI
-3Dプリンターを活用したコンテンツ製作
-2K SDRから8K HDRまで幅広いユーザー環境への対応
<数年後>
-VR/AR/MR 向けに、人間の目をシミュレーションしたレンダリング
-人間工学を活用したユーザーインターフェース、入力デバイス
-あらゆるデータのプロシージャル化、非ビットマップ材質表現
-あらゆる物理現象をリアルタイムにキャプチャーしデータ化
-2Dアニメーションからの3Dアセット自動生成
アセット、データ制作
<最 新> -アニメーションデータのテクスチャ化
-プロシージャルを利用した(大規模)アセット制作
-レイトレーシング等オフラインレンダリング技術のリアルタイム化
-リアルタイム・リターゲット、ダイナミクスを考慮したポーズ変形
-PBR をベースとしたスタイライズドレンダリング
-ミドルウェア、ゲームエンジン間の高度なインテグレーション
-映像制作とゲーム制作間での共通オーサリングシステム
<数年後>
-大量のキーポーズを統計モデルでリアルタイム自動補間するアニメーション技術の実装
-AIによる写実的なレンダリング
-筋肉、骨格、皮膚の滑り等を考慮したリアルタイムアニメーション
-キャプチャー3Dデータから筋肉、骨格等内部構造の自動再構成
-PBRやNPRにも通用する動画補間技術による中間動作の自動化
-機械学習を活用した画作り
パイプライン、ワークフロー
<最 新>
-ディープラーニングを活用したデータ作成・管理ワークフロー
-マルチプラットフォームを考慮したアセットパイプライン
-大規模アウトソーシングの為のワークフロー、パイプラインの最適化とアセット作成業務の標準化
-クラウドを活用した環境や場所を超えたアセットパイプライン
-映像のスタイライズ(手書き調、NPR など)の多様化とワークフローの開発
<数年後>
-AIを活用したデータ作成・管理ワークフロー
-特殊な機材を必要としないリアルタイムスキャンやデータキャプチャ
■サウンド分野
音響効果(音楽・効果音・音声・ミキシング等の技術・知識を用いた演出表現)
<最 新>
-アニメーションに連動した自動化による効率的な発音制御
-ゲーム進行に合わせた動的なミキシング(スナップショット型のインタラクティブ/ダイナミ
ックミキシング、HDR Audio)
-インタラクティブミュージックの定着と手法の細分化(複雑なイベント分岐、MIDI併用、ゲーム仕様との連動)
<数年後>
-ゲームAIによるリアルタイムの発音制御
-周波数ドメイン制御が考慮されたリアルタイムミキシングの活用
-ゲームと連動したジェネレーティブな楽曲演出
信号処理技術(音響表現の向上と開発効率化を両立させるためのDSP/シンセサイズ・波形生成・合成・解析など)
<最 新>
-プロシージャルオーディオの部分的な実装(グラニューラ、モーフィングによる音声生成、
音声解析による再合成など)
-ノードベースでのリアルタイム信号処理-音声合成エンジンによる発声利用や、サーバーサイド音声解析による自然言語入力の実用化段階
-音階抽出・テンポ同期・ラウドネスなどオーディオ解析情報のゲーム利用および制作ワークフローの短縮化
<数年後> -機械学習を応用した波形解析や自動生成や再合成など
-音声認識時の感情や表現の検出、音声演技の幅を持つ表現技術の導入開発ツール・オーサリング環境
空間音響処理技術(音の伝搬、3Dオーディオなど)
<最 新>
-空間音響を活用した音の伝搬表現(音の回折を考慮した仮想音源の配置、レイトレーシングによる残響表現など)
-3Dオーディオ技術の活用(HRTF、Ambisonicsを活用したヘッドフォンおよび天井スピーカでの空間音響表現。VR実装技術の充実化。ミドルウェアへの標準搭載。)
<数年後>
-音響工学や建築音響などをベースとした、空間音響シミュレーションのリアルタイム化(音源のリアルタイム再配置、遮蔽・残響情報のリアルタイム反映など)
-ユーザーの環境、嗜好への対応(HRTFのカスタマイズ・パーソナライズ、より高次のAmbisonicsの活用、動的トランスオーラルなど)
開発ツール・オーサリング環境
<最 新>
-オーサリングツールとDAW連携強化によりサウンドデータ制作のプロセスが効率化
-ゲームエンジンとの連携強化による音源配置や残響設定の効率化・自動化
<数年後>
-音情報の統計・ビジュアライズ化・学習などにより実装・デバッグがより効率化される
■ゲームデザイン分野
ゲームシステム
アイデアの出し方、元になる要素、操作しやすいインターフェースの活かし方
<最 新>
-マルチデバイスとマルチプレイを生かしたゲームデザイン
-eスポーツ向けの企画とイベント運用
-AIが出したアイデアを元に企画を自動構築するシステム
-AR演出のリアルタイム合成技術を用いたゲームシステム
<数年後>
-クロスモーダルを前提としたゲームデザイン
-VR/AR/MR技術を利用した現実に干渉するゲームデザイン
-AIによるプレイヤー個別かつ自動継続的なレベルデザイン生産性と品質の向上
アイデアを活かすために生産性をあげる技術
<最 新>
-ゲームデザインやクオリティーチェックへのAIの導入
-AIを利用したアセット自動生成技術の活用
-次世代移動通信の技術とそれを活かしたハードウェアの発展
<数年後>
-革新的なインターフェースを伴ったVR技術
-ミドルウェアとしての統一化されたAI規格
-現実との違和感を感じさせないAR技術
気にしなければいけない周辺技術
<最 新>
-世界的なガチャ規制に向けた流れと次世代のマネタイズモデル
-超高精細や形状変化など多様なディスプレイの進化と普及
-ビジュアル検索を使用した新しい検索チャネル
<数年後>
-足など他の人体機能を活かした補助腕の技術
-脳活動測定を利用したレベルデザインへのフィードバック
-IR実施法案の成立に伴う業界への影響
-触覚ディスプレイや味覚ディスプレイなど出力機器の多様化
会社情報
- 会社名
- 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)