ディライトワークスは、3月27日、同社内に新設した社内ゲームセンターの説明会を開催した。当日は、クリエイティブオフィサーの塩川洋介氏や、社内ゲームセンターの設置に協力した、ゲーセンミカド店長の池田稔氏が登壇した。その様子をレポートしていく。
ディライトワークスは、ゲームクリエイター育成を目的とした、社内ゲームセンターを新設した。社内のリフレッシュスペースの一角に、ゲーム筐体を設置し、社員に対して常時開放する形で運用される。
▲ボードゲームカフェと同じエリアの一角に、社内ゲームセンターが設置されている。
今回の説明会では、塩川洋介氏が登壇し、この社内ゲームセンターの紹介をした。また、この社内ゲームセンターの新設には、レトロゲームも取りそろえるゲームセンター「ゲーセンミカド」の店長である、池田稔氏が協力しており、池田氏も登壇して、ゲームのラインナップや本企画への想いを述べている。
▲ディライトワークスのクリエイティブオフィサーを務める塩川洋介氏。
▲ゲーセンミカドの店長を務め、今回の社内ゲームセンター設置にも協力している池田稔氏。
▲社内ゲームセンターは「DELiGHTWORKS × ゲーセンミカド」と命名された。
そもそも、塩川氏がこの社内ゲームセンターを設営しようと思ったきっかけは、自社で展開しているアーケードタイトル『Fate/Grand Order Arcade(以下『FGOアーケード』)』の稼働にある。プレイヤー目線での開発を推し進めるためにも、『FGOアーケード』を社内に設置し、プレイ料金を支払ないながらプレイできる環境を作ろうと、塩川氏は画策していた。
しかし、どうせ設置するのであれば、2018年に設置したボードゲームカフェと同様に、本物志向のゲームセンターにしようと塩川氏は発案した。アーケード筐体は、設計やデザインは自由度が高く、技術的な制約の中で、楽しさを生み出すために様々なアイデアが詰まっていることに、塩川氏は着目しており、この社内ゲームセンターを単なる憩いの場ではなく、あらたな発想を生み出す場にしたいと考えているという。
今回、「ゲーセンミカド」に協力を依頼したのは、新旧様々な筐体を設置し、大会やイベント運営によって、色々なタイトルを盛り上げてながら、プレイヤーコミュニティを築き上げていくという、通常のゲームセンターとは異なった切り口に共感したからだった。また、池田氏も、『Fate/Grand Order』という大きなスマートフォン向けタイトルを運営するディライトワークスが、アーケードゲームに興味を持っていることに、驚きや喜びを感じていると口にしており、この社内ゲームセンター設置にも積極的に参加している。
社内ゲームセンターの開設にあたり、12種のタイトルが用意された。『スペースハリアー』のような体感ゲームや、エレメカの『国盗り合戦』など、最近はゲームセンターでも見れなくなった筐体も設置され、この限られたスペースのなかで、ゲーム筐体の歴史を感じられるようなラインナップとなっている。これらのゲームは無料で遊べるようにしてあるが、『FGOアーケード』のみは、プレイ料金が必要となり、ネットワークにもつながっているため、他のゲームセンターとのマッチングもされるようになっており、プレイヤーたちと同じ環境でのプレイができる点を重視している。
▲社内ゲームセンターに設置されたタイトルの一覧。
今後、この社内ゲームセンターを運営していくにあたって、社内に与える影響を塩川氏は3つのポイントにまとめている。
アーケードゲームからアイディアを学び、それを今後の創作活動に活かしていくことが重要だが、コミュニケーションの場としても活用していくことを考えているようだ。直近でのイベント開催はまだ考えていないそうだが、今後は、ボードゲームカフェのように業界人向けのイベント開催もしていきたいと語っている。池田氏も、この社内ゲームセンターを通じて、ディライトワークスの開発陣がコインオペレーティングのゲームから得たフィードバックを、自社開発のゲームに応用し、さらなるアーケードタイトルの開発に活かしてほしいと期待している。
また、今回の社内ゲームセンター新設にあたり、漫画家の押切蓮介氏がデザインした「ゲーセンミカド」のイメージキャラクター「ミカドちゃん」の、ディライトワークスコラボバージョンも作成されており、そのイラストが公開された。
▲こちらが通常版の「ミカドちゃん」。
▲「DELiGHTWORKS × ゲーセンミカド」のためにデザインされたコラボバージョン。
このあと、取材陣に向けて社内ゲームセンターを開放された。塩川氏、池田氏も設置されたゲームをプレイし、『ストリートファイターⅡ』で対戦を楽しんでいた。
▲ふたりが対戦していた『ストリートファイターⅡ』のテーブル筐体。
取材陣のなかには、これらのタイトルにリアルタイムで触れてきた人たちも多く、おおいに盛り上がった。なかでも、ひときわ目を引く『スペースハリアー』は大人気で、順番待ちも発生していた。
▲実際にゲームをプレイしている風景。こうして見ると、本当に普通のゲームセンターと変わらない。
日本では珍しいピンボールや、駄菓子屋などでしか見かけなくなった『国盗り合戦』も注目を集めていた。
今はまだ限られたスペースではあるが、今後も拡充していく予定はあるという。今はプレイする機会も減ってしまったゲームたちは、ディライトワークスのゲーム開発に一体どのような化学変化を及ぼしていくのか、興味は尽きないところだ。
(取材・文 ライター:宮居春馬)
会社情報
- 会社名
- ディライトワークス株式会社
- 設立
- 2014年1月
- 代表者
- 代表取締役 庄司 顕仁