国内主要SNSの比較

グリーの決算が発表されたので、国内の大手SNS運営会社の比較資料を作ってみました。ミクシィ、ディーエヌエーは2010年3月期の数字で、グリーは2010年6月期のものです。決算期が違いますし、日々成長している市場ですので、こういう比較は、厳密な意味で比較になるのかどうか思わないでもないですが。。。あくまで参考として、ですね。 まず、業績関係の数値をみると以下のようになります。 ご覧になってわかるとおり、ディーエヌエーとグリーが売上高、利益のすべての面で、ミクシィを圧倒していることがわかります。この要因は、実にはっきりしていて、両社とも、SNS上で展開するソーシャルアプリを自社で運営しており、そこから収益を上げているという点にあります。ミクシィは、それをやっていないため、どうしても数字が見劣りする(といっても、この数字もすごいと思いますが)。ディーエヌエーの営業利益率が10%ほどグリーに比べて利益率が低いですが、これはモバオクやビッダーズ等、利益率の低い事業も持っているためと思われます。 次に会員数やPVの状況を見ましょう。ミクシィ、モバゲータウン、グリーの比較で、いずれも6月末の数値を使っています。 かつてミクシィが圧倒的な会員数を誇り、他社を圧倒していましたが、会員数はほぼ拮抗していることがわかるかと思います。モバゲータウンとグリーがソーシャルゲームをてことして急激に会員数を伸ばしました。 ただ、PVをみると、ディーエヌエーが図抜けて大きく、グリーの2倍以上となっています。なぜこうなるのか、正直、よくわかりません。ひとついえることは、モバゲータウンの会員は、アクティビティがほかのSNSに比べて高く、コミュニティ要素も強く、色々なページを見て回るように作られていること、でしょうか。 グリーのPVがモバゲーに比べて低い点について、グリー愛好者の友人に聞いたところ、グリーに接続した後、特定のゲームで遊んで、SNS友人のページをちょっと見て終了ということが多いからかも、とのことでした。彼女の分析が、グリーの会員の行動を正しく表現しているかどうかはわかりませんが、なるほどと思いました。 もうひとつの注目点として、ミクシィは、PCによるアクセスの割合が多く、そのためにPVについては他社に比べて小さくなっています。これは以前からいわれていることであるので、特に目新しいことではありませんね。 現在のところ、先日のアクセス障害の発生もあって、ミクシィの一人負けといった状況にみえます。しかしながら、ユーザー間の人間関係を重視する同社の考え方は、短期的には収益を生まないかもしれませんが、個人的には長い目で見るとよいのかもしれないと感じています。ゲームを売りにしたSNSというのもありかと思いますけど、果たしてゲームが長期間、ユーザーを引きつけるサービスになりうるのか、よくわからない部分があるからです。 なお、資料は、各社HPに掲載されている月次速報や決算説明会資料を参照しました。