ギークス<7060>は、5月14日、上場後初の決算発表となる2019年3月期の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2019年3月期の連結決算は、売上高30億5000万円(前々期比18.1%増)、営業利益5億5200万円(同45.6%増)、経常利益5億3200万円(同40.3%増)、最終利益4億1100万円(同48.2%増)と大幅増益を達成した。
決算説明会では、同社の曽根原社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、決算内容を中心にまとめてみた。
■主力のIT人材事業とゲーム事業がともに好調
まずは全体での業績となるが、前述の通り、2ケタ超の増収増益を達成しており、売上高と営業利益は過去最高を更新した。主力2事業であるIT人材事業とゲーム事業がともに好調だったことが売上高、利益ともに押し上げた格好だ。なお、最終利益については、関係会社株式売却益として約1億5000万円を計上した影響も含まれている。
次に各事業ごとの状況に目を移したい。まずは、IT人材事業を見てみると、売上高は前年同期比19.5%増の11億100万円、営業利益は同13.3%増の5億6600万円となった。IT人材事業については、「(年率で)15~20%の成長を想定」(曽根原社長)しているとしており、想定の上限ラインの成長となった。なお、利益率が年々低下しているように見えるが、これは営業利益率50%を確保しつつ、システム投資を継続していることが影響している。
続いて、ゲーム事業については、売上高が同21.7%増の15億4100万円、営業利益が同82.7%増の3億1100万円となった。同社のゲーム事業の売上は、ストック型の売上となるゲームの運営収入とレベニューシェア収入と、フロー型の売上となる新規開発収入で構成されており、「新規開発収入は納品で一括計上」(同)する形となっている。前期はこの新規開発収入として、2018年11月にスクウェア・エニックスが配信を開始した女性向けシチュエーションスタイルRPG『ワールドエンドヒーローズ』の納品による売上が計上されたことになる。
また、ストック売上については、タイトル運営で一定の収入が入る形になっており、足元では前述の『ワールドエンドヒーローズ』に加え、『アイドリッシュセブン』(バンダイナムコオンラインと協業)と『ツキノパラダイス。』(バンダイナムコエンターテインメントと協業)の運営による収益が計上されることになる。
そのほかの3事業となる、IT人材育成事業、動画事業、インターネット事業は、主力2事業と比べると規模は小さいもののいずれも増収となった。動画事業については、遊技機プロモーション関連動画の受託制作が主力だが、前期はVR/ARなどの動画制作案件の受注が順調に拡大したことが収益を押し上げる格好となっている。
■IT人材事業の予想はやや保守的 ゲーム事業は新作1本をリリース予定
続く2020年3月期は、売上高35億5000万円(前期比16.4%増)、営業利益6億5000万円(同17.5%増)、経常利益6億4500万円(同21.2%増)、最終利益4億300万円(同2.1%減)の見込み。最終利益が減益予想となっているのは、「前期に特別利益を計上した反動によるもの」(同)となる。
IT人材事業は、今期も15~20%の成長を目指しており、期初計画では16.3%の増収とやや保守的に見込んでいる。一方、ゲーム事業は、「今期リリース予定タイトルは1本」(同)とのことだが、そのほかに新規プロジェクトが2~3本計画されており、仕込みの時期と考えているという。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- ギークス株式会社
- 設立
- 2007年8月
- 代表者
- 代表取締役CEO 曽根原 稔人
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7060