ブレインパッド<3655>は、セガゲームスがスマートデバイス向けゲーム開発において検証作業を自動化するために構築したAIシステムについて、深層強化学習を用いた改良システムの開発を支援し、ゲーム開発の効率化と品質の向上に貢献したと発表した。
<プレスリリースより>
ブレインパッドは、セガゲームスのゲーム開発を支援するため、業界の中でも先進的な取り組みとして、深層強化学習を用いたAIシステムを開発しました。ブレインパッドは、従来より製造機器や空調設備などの動的な最適化・機械制御への適用が期待される深層強化学習に注目し、ビジネスでの実用化を見据えて調査・研究を行っていました。本プロジェクトにおいては、これまでの研究で得られた知見をゲーム開発に応用した結果、リリース前のテスト作業やゲームバランスの調整などの多様な検証作業が高速に行えるようになり、ゲーム開発へリソースを集中できる環境構築とゲーム品質の向上に貢献しました。
■スマートデバイス向けゲームの検証作業を自動化するためのAIシステムを開発
セガゲームスは、特に更新のサイクルが早いスマートデバイス向けのゲームの開発において、ゲームのリリース前に不具合がないかを確認するテスト作業や、適切な難易度になっているかゲームバランスの確認を行う作業に多大な時間とコストがかかっていることを課題としていました。そこで、ゲームをテストプレイするAIシステムを独自開発し、一定の成果をあげていましたが、テストプレイの時間をより短縮するさらなる改善を検討していました。そこでブレインパッドは、深層強化学習技術を用いたAIシステムをセガゲームスに提案し、その開発を支援しました。
■多彩なプロフェッショナルメンバーによるプロジェクトの推進
ブレインパッドとセガゲームスは深層強化学習を用いてゲームの攻略法を自ら編み出すAIシステムの実現を目指し、プロジェクトを開始しました。このシステムの核となる強化学習エンジンは、シミュレーターと呼ばれる疑似装置を通してAIにゲームを学習させますが、シミュレーターと強化学習エンジンは異なるプログラム言語を使用しているため、両者を連携させるインターフェースの開発が必要でした。そのため、プロジェクトは、それぞれに専門性を有するデータサイエンティスト、機械学習エンジニア、システム開発を得意とするエンジニアがチームを組成し、AIシステムの開発を行いました。
■深層強化学習の応用により、AIによるテストプレイのレスポンスを向上
これまでのシステムは、ゲームバランスの調整作業において、ゲームの前提条件を変えると再学習に時間を要する点が課題でした。今回のAIシステムは、ゲームの前提条件を変更しても再学習が不要で、ゲームバランスの調整が短時間で行えるようになりました。これにより、本来の開発スタッフ業務が、AIシステムの再学習によって中断されることがなくなり、さらに高いクオリティのゲームを開発する環境が整いました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社セガ
- 設立
- 1960年6月
- 代表者
- 代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長執行役員COO 内海 州史/代表取締役副社長執行役員Co-COO 杉野 行雄
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)