【イベント】タカラトミー×DeNA共同開発アプリ「PLAY’S」記者発表会をレポート 『​デュエル・マスターズ プレイス』の全貌が明らかに!


​タカラトミー<7867>とディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、9月26日、両社による共同開発アプリ「PLAY’S」記者発表会を開催した。本稿では、その模様をお届けしていく。

イベントが始まると、タカラトミー デジタル事業部 事業部長の佐戸憲一氏が登壇して挨拶を行った後、共同開発アプリ「PLAY’S」が『デュエル・マスターズ 』を題材にしたゲームアプリであることを発表した。


▲タカラトミー デジタル事業部 事業部長の佐戸憲一氏。



『デュエル・マスターズ 』は、世界的な人気を誇るTCG『マジック:ザ・ギャザリング』を手掛けるウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が開発し、タカラトミーが発売している対戦型トレーディングカードゲームである。2002年の発売当初から小学生を中心に、現在は20代~30代の大人まで幅広くの層に遊ばれているコンテンツとなっている。

ここで佐戸氏は、2002年に『デュエル・マスターズ 』を遊んでいた小6の学生は現在29歳になっているとコメント。青春時代に『デュエル・マスターズ』を遊んだ経験がある人は約400万人いることから、今回、ゲームアプリとして『デュエル・マスターズ 』の新たな形を提案したいと述べた。ゲームのコンセプトは"様々な「デュエマバトル」がある遊び場"。いろんな人がいろんな楽しみ方で遊べる『デュエル・マスターズ 』を具現化することが目的であるという。また、今回のアプリ化をきっかけにオンラインからオフラインの場へ、ゲームを介してコミュニケーションが図れるようなものになると良いと展望を明かした。


▲競技層・エンジョイ層・キャラクター好きなど、ライト層~コア層までいろんな人がいろんな遊び方で楽しめる遊び場を作るという目的で企画がスタートしたとのこと。


▲タイトルを「PLAY'S(遊び場)」としたのは、「遊ぶ(Play)」と「Place(場所)」という単語を組み合わせた造語からとの話も。

そんな本作のタイトルは『DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)』。続いては、『​デュエル・マスターズ プレイス』のPVを紹介した。



PV上映後に佐戸氏は、『​デュエル・マスターズ プレイス』はiOS&Android向けに今冬リリース予定であることを発表。玩具メーカーであるタカラトミーはまだデジタル分野での経験値が少ないことから、今回DeNAとの協業に至ったと経緯を説明して降壇した。

次に登壇したのは、ディー・エヌ・エー アライアンスプロデュースグループ グループリーダーの塩澤敦氏。DeNAでは、既にTCGとして人気を博している『​デュエル・マスターズ』を、どのようにしてデジタル領域で再現していくかをサポートする役割を担っていると塩澤氏は話す。かつての友人と再会したり、世代を超えた交流の場で繋がる場「PLAY'S」を作るサポートをしていくとの話だった。


▲ディー・エヌ・エー アライアンスプロデュースグループ グループリーダーの塩澤敦氏。


▲デジタル領域の強みは、「距離」や「年齢(世代)」を超えて、「時間」や「価値」を共有できる遊び場を作ることができることだと考えているという。

それを実現するための主なDeNAの役割が以下の通り。


▲iOS/Androidとは同時期リリースではないものの、今後「AndApp」でもサービス提供を予定している。
 
今回の協業に関しては、両社の得意分野や専門性が絶妙に被っていない状態であると話す塩澤氏。リアルの場においては、18年間で培われたタカラトミーで蓄積されたノウハウを活かしつつ、課題が現れた場合は臨機応変にリーダーシップを取り合いながら良い開発チームが築けていると現状を語った。最後に「今後はデジタル領域で作った場所や繋がりを、リアルな場所にも展開していきたいと考えています」と展望を述べて降壇した。
 


その後、会場ではウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の『デュエル・マスターズ』開発総責任者であるCharlie Catino(チャーリー・カティノ)氏より届けられたビデオメッセージが上映された。


▲『​デュエル・マスターズ プレイス』は、単に面白いゲームというだけでなく、生活の一部になってしまうほどのものとなるだろうと話すチャーリー・カティノ氏。
 
さらに、ここからはタカラトミー デジタル事業部 ディレクターの石井孝典氏が登壇し、ゲームの詳細を紹介した。


▲タカラトミー デジタル事業部 ディレクターの石井孝典氏。



本作における主人公は自分自身であるため、各々のアバターをカスタマイズ可能。「デュエマシティ」を舞台に、自身のアバターを介して冒険を行うことになる。また、アバターの中には原作キャラのスキンも登場予定で、こちらを選択することで懐かしのキャラになりきることができる。




▲キャラクターボイスは、当時の声優陣が『​デュエル・マスターズ プレイス』のために録り下ろしているとのこと。


▲プレイヤーをサポートしてくれるナビゲーター「コッコ・ルピコ」も紹介。こちらのキャラは、人気クリチャー「コッコ・ルピア」をモチーフにしている。

続いては「カード」について。『​デュエル・マスターズ プレイス』では、カードを集めてデッキを作り、バトルを楽しむというTCG『​デュエル・マスターズ』の遊びをアプリでも再現しているとのこと。最初は5種類のベーシックデッキが用意されていることも明らかに。よりゲームを楽しむためには、カードパックの購入やゲームの進行、不要なカードをポイントに変換して必要なカードを作成するといった方法でカードを入手する必要がある。



▲懐かしさや紙のカードらしさを意識しつつも、『​デュエル・マスターズ プレイス』用に新たにデザインされたものとなっている。
 
バトルの基本ルールは『​デュエル・マスターズ』をそのまま踏襲。『​デュエル・マスターズ』が持つゲームシステムの面白さを、如何にアプリで再現できるかがこのプロジェクトのカギだったと石井氏は話した。
 


とはいえ、アプリで無理に再現しようとするとどうしてもストレスになってしまう部分もあったと振り返った。手札上限や場の上限については、再現度をギリギリまで高めながらも、アプリ用の最適化を施しているとのことだ。また、1試合7分を目標にルール調整やカード効果の見直しを、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社と共に行っている。



▲当時の環境をそのまま移植するだけではワクワクが足りないため、一部のカードの能力を変更したり、未来のカードを登場させたり、『​デュエル・マスターズ プレイス』専用の新たなカードを作ったりもしている。その中でも、当時のゲーム環境をなるべく再現することを第一に大切にしながら調整を行っているとの話だった。

さらに、『​デュエル・マスターズ プレイス』はサウンドにもこだわりがあると石井氏は熱く語る。インタラクティブミュージックを採用することにより、戦況によってBGMが繋ぎ目を意識させずに変化していく。例えば、戦況が有利になった場面ではノリが良いアレンジに切り替わったり、バトル終盤にはエモーショナルなアレンジになったりするとのこと。石井氏は、実際にプレイすると全く新しいデジタルカードゲーム体験ができると強くアピールした。
 


そのほか、『​デュエル・マスターズ プレイス』オリジナル主題歌を鋭意制作中とのこと。こちらは後日、改めて発表されるという。
 
ここまでの発表が終わったところで、石井氏によるデモプレイが披露された。こちらのデモプレイでは、ホーム画面やアバター設定、パック購入、デッキ作成、バトルなど一通りの流れが紹介された。

 
 
 
 
▲デッキは30個まで登録可能。カードは1パック5枚入りで、キラキラ光るプレミアム仕様のカードも用意されている。価格については調整中のため変更の可能性があるとのこと。また、クリーチャー登場時・攻撃時などのボイスをキャラごとに収録している。

また、『​デュエル・マスターズ プレイス』は1人でもマイペースに遊べるソロモードを充実させたいという考えのもと開発が進められているという。そのため、骨太の物語が楽しめる「メインストーリー」や、カジュアルに物語を読み進めながら戦える「シティバトル」といった要素が取り入れられている。



遊び方の幅としても広く、複数人で戦う「レイドバトル」や、カードゲーム史上1番難易度が高い可能性もある「超絶レジェンドバトル」など、この他にも様々な遊びを開発しているとのこと。
 


最後に石井氏は、今後のスケジュールを公開して本発表会の締めとした。


▲本日より事前登録受付を開始している(関連記事)。こちらの詳細は公式サイトにも記載されている。


▲リリース前にユーザーの声を集めるための先行体験会を東京・大阪で実施。βテストよりも前に実機でプレイできる貴重な機会となっているほか、今後もリアルイベントの開催を予定しているため、こちらがテストケースになるような意味合いも込められているとのこと。


▲その後、10月下旬ごろよりにクローズドβテストを実施。参加人数は各OSで1万人を予定している。


▲今後のスケジュールのまとめ。11月上旬には公式生放送も予定しており、詳細は改めて公式Twitterなどでお知らせするとのこと。
 
発表会終了後には質疑応答も行われたので、こちらの模様も併せてお届けしていく。
 
――:対人バトルの仕組みやランク分けがどのように行われているかを教えてください。

リリースのタイミングでは、基本的に「ランクマッチ」「カジュアルマッチ」「ルームマッチ」を用意しています。ランクマッチは勝つたびにポイントが積み重なるようになっており、同じくらいの強さの相手と対戦できるモードになっています。カジュアルマッチは結果を気にせず気軽に対戦できるようなモードでルームマッチで、ルームマッチはIDを共有して知っている人とも戦えるモードです。

また、ランクマッチに合わせて「カップ戦」というものを実施していきたいと考えております。こちらでは結果に応じた報酬なども配布する予定で、ライト層の方にもたくさん配れるように考えております。
 

――:ルールについて、アプリ向けに最適化されている部分の詳細を教えてください。

『​デュエル・マスターズ』には、"マナの数"と"文明の色"が存在します。例えば、1コストの火のクリーチャーを2体出したい場合は、マナゾーンに火のカードが2枚入ってないといけません。しかし、『​デュエル・マスターズ プレイス』では、文明の色は関係なくマナゾーンにカードが2枚入っていれば、火のクリーチャーを2体出すことができます。

何故このようにしたかと申しますと、カードをプレイする時にマナをタップしなくても良いようにしたというのがポイントです。対戦時間7分を目指して、『​デュエル・マスターズ プレイス』らしさを残しながらもアプリ向け最適化を行ったということです。これに合わせて、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社と共に全体ルールやカードを少しずつ調整しています。


――:賞金制大会などの開催は予定されていますか?

先ほども話があった通り、オフラインイベントも充実させたいとは考えています。賞金制にするかどうかは検討中です。



――:ゲームのバランス調整などはどちらが主導となって行われているのでしょうか?

ゲームの企画・プロデュースはタカラトミーが行っておりますので、バランス調整を含めタカラトミー側が担当をしております。ただ、ゲームサイクルのレビューというところで、組まれたバランスが適切なのかというところをDeNAが見てアドバイスを送っているという関係です。

――:その際、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社はどのように関わっておられるのでしょうか。

ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社でも確認は行いつつ、能力の調整やどのカードを収録するかという点に関しては一緒に考えて作っていただいています。カードゲーム開発の天才集団と一緒に作れているということで、カード制作に関しては非常に自信のあるものに仕上がっています。
 
――:『​デュエル・マスターズ』とユーザーが食い合ってしまう可能性は考えられていますか?

アプリの『​デュエル・マスターズ プレイス』は手軽に誰とでも、どこでも遊ぶことができます。先ほどお話したように、昔は『​デュエル・マスターズ』を遊んでいたけど今はやっていない大人の方がたくさんいます。その方々を含め、まずアプリの手軽さに惹かれてゲームを遊んでもらうことが裾野拡大に繋がりますし、『​デュエル・マスターズ』そのもののユーザーも増えると考えています。なので、お互いに補完して『​デュエル・マスターズ』というブランド自体を強くしていきたいと思っています。
 
――:『​デュエル・マスターズ プレイス』オリジナルのカードは登場しますか?

登場します。ただし、基本的には当時の『​デュエル・マスターズ』を再現することを目的にしているので、劇的に変わるとか新しい環境が始まるのではなく、エッセンスとして紛れ込ませているという印象です。「こいついたような気がするな……」と思えるほど、しっかりと馴染むカードになっていると思います。



 
(取材・文 編集部:山岡広樹)


 
■関連サイト
 

公式サイト

公式twitter


© 2019 Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids © TOMY ©DeNA
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る
株式会社タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社タカラトミー
設立
1953年1月
代表者
代表取締役会長CEO 富山 幹太郎/代表取締役社長COO 小島 一洋
決算期
3月
直近業績
売上高2083億2600万円、営業利益188億1800万円、経常利益178億700万円、最終利益98億800万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7867
企業データを見る