セブン&アイ・ホールディングスとディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、買物の際の移動に不便を感じているお客様の支援を目的とした実証実験を、2019年10月17日から行うことを発表した。
本実証実験は2018年6月に発足された研究会「セブン&アイ・データラボ」のテーマのひとつで、両社のデータを活用し、小売と交通サービスの連携で社会課題を解決し、お客様の利便性向上を図る。本取り組みにより、お客様の店舗への移動距離や来店エリア、利用頻度、利用年代層などを検証し、お客様の利便性向上につながる「買い物支援サービス」の可能性について検討していく。
■背景
我が国では、高齢化や単身世帯、共働きの増加、交通網の弱体化に伴い、過疎地域のみならず都市部においても、高齢者や子育て世代等を中心に食料品の購入に不便や苦労を感じる方が増えてきており、「食料品アクセス問題」として交通弱者が社会的な課題になっている。
セブン&アイは、お買物が不便なお客様を支援するために、これまで築き上げてきた店舗網や物流・情報システムなどを活用して、ネットスーパー、移動販売、お届けサービスなどの「買い物支援サービス」の推進に取り組んできた。
セブン&アイは、「店舗での購買体験」の充実だけでなく、店舗への移動手段の支援にも課題認識をもっている。そこで、支援手段の一つとして、地域の足としてお客様へのきめ細かいサービスが可能なタクシーで実証実験し、お客様の利便性向上に向けた理解を深めていく。
今回の実証実験を通じて得られる知見を活かし、様々なお客様のニーズへ対応するために、タクシーやバス、移動販売、お届けサービス等、最適な「買い物支援サービス」の可能性を検討。
DeNAは、交通事故、交通渋滞、人やモノが自由に移動できない、などの交通システム不全という社会課題に対して、「インターネット×AI」で仕組みそのものをアップデートし、あらゆる人やモノが、安心・安全に移動できる世界を実現すべく、2015年よりオートモーティブ領域に参入。
また、2018年からは誰もが乗りたい時に手軽にタクシーを利用できるように、次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」をスタートさせた。
「MOV」は、企業などを巻き込んだ多者間マッチングモデルで新しい移動体験を実現するための取り組み「PROJECT MOV」を2018年12月に始動し、単なる移動手段に留まらない新しい移動体験を提供しタクシーの新規需要の創出をおこなっている。
今回の実証実験でも、交通サービスと小売店舗が連携することでお客様にとってより利便性の高い「買い物支援サービス」の実現について検証していく。
DeNAのオートモーティブ事業は今後も、モビリティサービスやMaaSだけに留まらず、異なる業界や業種とパートナリングを組み、生活・社会領域への課題解決を目指していく。
セブン&アイとDeNAは、異業界データの相互活用により生活課題・社会課題解決を図る「セブン&アイ・データラボ」の取り組みを2018年6月から開始。今回はその取り組みの一環として、2社が保有する商圏やお買い物に来る交通手段・移動時間、周辺地域におけるタクシーの利用状況などの各種データを活用し、小売と交通サービスが連携することで、お買い物の際の移動の不便という社会課題の解決を目指す。
■実証実験の概要
対象期間中、対象のイトーヨーカドーの店舗で、一定金額以上お買い物をすると、DeNAが提供する次世代タクシー配車アプリ「MOV」で利用できるクーポンを配布し、これまでお買物の際の移動に不便を感じているお客様の移動を支援し、利便性の向上を図る。また、同時に商圏の拡大やサービスの利用流入などを検証し、持続可能なスキームを検証していく。
(1) 実施店舗:
イトーヨーカドー5店舗(大森店、木場店、溝ノ口店、鶴見店、横浜別所店)
(2) 実施期間:
大森店、木場店:2019年10月17日~11月10日
溝ノ口店、鶴見店、横浜別所店:2019年10月17日~11月16日
(3) サービス内容:
「MOV」で利用できるタクシー料金割引クーポンの配布
木場店、大森店:クーポン金額500円
横浜別所店、鶴見店、溝ノ口店:クーポン金額700円
(4) 適用条件:
クーポンは1回のお会計で4000円(税込)以上購入し、イトーヨーカドーアプリの提示、もしくはセブンカードでの支払い・提示したお客様に限ります。
(5) 注意事項:
「MOV」ご利用の際は、乗車料金と迎車料金がかかります。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432