ポケモンは、10月17日、都内の同社内にて『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会を開催した。本イベントでは、ゲームフリーク常務取締役『ポケットモンスター ソード・シールド』プロデューサーの増田順一氏と、『ポケットモンスター ソード・シールド』ディレクターの大森滋氏が登壇してゲーム紹介を行ったほか、ゲームの冒頭部分や新要素となる「マックスレイドバトル」を一足先に体験させていただけた。本稿では、その模様をたっぷりとお届けしていく。
▲来場者には、サルノリ・ヒバニー・メッソンのぬいぐるみから1匹がプレゼントされた。
▲会場内に歴代『ポケットモンスター』シリーズのパッケージが年代ごとにずらりと並べられていたのはまさに壮観。1996年に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』からの長い歴史を感じられた。
▲また、会場は『ポケットモンスター ソード・シールド』に登場するキャラやポケモンたちのパネルで賑やかに彩られていた。
■3年ぶりのシリーズ完全新作がいよいよお目見え
まず、『ポケットモンスター ソード・シールド』は11月15日に発売を控えるNintendo Switchソフトで、『ポケットモンスター』シリーズとしては実に3年ぶりの完全新作となる。”最強の『ポケットモンスター』”をテーマに開発が進められた本作では、「ポケモンらしさ」を追及した新たな冒険の世界を開くことができたと大森氏は自信を覗かせた。
▲ゲームフリーク常務取締役『ポケットモンスター ソード・シールド』プロデューサーの増田順一氏(写真左)と、『ポケットモンスター ソード・シールド』ディレクターの大森滋氏(写真右)。
ここからは、より詳細なゲーム内容を紹介。
▲本作は、ポケモンを「捕まえる」「集める」「育てる」「バトルする」「交換する」という『ポケットモンスター』シリーズの数々の楽しみを追求した最強の『ポケットモンスター』に仕上がっているという。
冒険の舞台は「ガラル地方」。おだやかな田園風景や近代的な都市、雄大な草原や険しい雪山など、さまざまな表情を持つ広大な地方となっている。ここでは、人とポケモンが一緒に暮らしながら産業を発展させており、数多くの個性的な場所がある地方とのことだ。
最初のパートナーとして選べるのは、くさタイプの「サルノリ」、ほのおタイプの「ヒバニー」、みずタイプの「メッソン」の3匹。『ポケモン 赤・緑』から変わらないお馴染みタイプ構成を続けている理由について増田氏は、「くさ・ほのお・みずの3タイプの関係性は、ジャンケンと同じくシンプルで非常に分かりやすいため」と説明した。
▲最初のパートナーについて増田氏は「今回の冒険の思い出を、どのパートナーと作るのかを楽しみにしていただければと思います」と語った。
さらに、ガラル地方では「ポケモンバトル」が1番のエンターテインメントとして楽しまれており、チャンピオンは人々の憧れの存在であると紹介。主人公は、チャンピオンを目指して各地にあるジムを巡りながら、バトルの腕を磨いていく。
また、ガラル地方のバトルにおいてカギを握っているのが新要素「ダイマックス」であると大森氏は紹介した。「ダイマックス」は、ガラル地方の特定の場所でのみ見られる、ポケモンたちが巨大化する現象である。ダイマックスしたポケモンたちは、見た目の迫力もさることながら、強力な力を手に入れてよりエキサイティングなバトルを楽しめるとのこと。
なお、強力な野生のダイマックスポケモンが登場する「マックスレイドバトル」では、4人のプレイヤーと協力して一緒に戦うことができる。こちらの詳細については、会場にて実際に体験した部分から判明したことを後述する。
マックスレイドバトルは、「ワイルドエリア」と呼ばれる広大なフィールドで体験できる。見渡す限り自然が溢れているこちらのエリアは、ガラル地方でも最も多くの種類のポケモンたちが生息している場所になっているとの話だった。
▲ワイルドエリアは、ポケモンやどうぐを探しやすいようにカメラを操作できる。
最後に増田氏は「まだまだ他にも、本作に詰め込んだ要素はたくさんあるのですが、まずは見たことがないポケモンが草むらから飛び出してくる感動や驚きを体験していただき、ポケモンジムを巡ってチャンピオンを目指しながら、ライバルや様々なトレーナー、街の人との出会いを楽しむという『ポケットモンスター』シリーズの普遍の面白さが、ガラル地方でどう進化しているかを皆さんの目で確かめていただければと思います」とコメントして紹介の締めとした。
■新しいけど”懐かしい” まさに真髄を引き継いだ「最強のポケットモンスター」
さて、ここからはいよいよ実際にゲームをプレイして得られた所感をお届けしていく。規制範囲やネタバレ防止の関係もあり詳細まではお伝えできないが、筆者が感じた本作の魅力や開発陣からのコメントを少しでも多く情報としてお届けしていきたい。
▲開発側の想いとしては、新たな地名やポケモンについては、本作が発売された際に是非、自分の目で初めて見て新しい発見をしていただきたいとのことだ。
街並みや建物内は、『ポケモン X・Y』から3D表現が取り入れられているが、回を重ねるごとにその表現が豊かになっており、今回もフィールドはこれまでとかなり違った印象を受けた。しかし、そんな想いも束の間、プレイ開始から数十秒で筆者は圧倒的な“ポケモン感”を思い知らされることになる。家の中を散策していて壁にぶつかった際に、聞きなれた”ドンッ”という音が。見た目には華やかになった最先端感がありつつも、そこにはしっかりとポケモンらしいノスタルジーも融合しており、『ポケットモンスター』シリーズをプレイしたことがある人であれば、間違いなくここで「あ!これこそポケモンだ!」という感情を呼び起こされるはずだ。
その後は、友人でありライバルでもあるホップと共に、最初のパートナーを選んでポケモン図鑑をもらい、冒険に旅立つというお馴染みの流れを辿ることになるのだが、バトルや捕まえるだけでなく、イベントの随所でポケモンとの交流が描かれているのが印象的だった。
▲ちなみに、本作に登場するポケモンの数はまだ秘密とのこと。全世界同時発売となるため、発売後に世界中のプレイヤーでポケモンを集めるのを競っていただきたいとの話だった。
また、街の至るところでポケモンを見ることができる景色には、世界観の紹介にもあった通り、人とポケモンが共存している世界であることが強く窺える。ポケモンたちの動きにもかなり躍動感があるので、プレイした際には是非、ポケモンたちの一挙手一投足にまで注目してほしい。
そのほか、エンカウント方式が非常に特徴的で「シンボルエンカウント」と「ランダムエンカウント」の両方が取り入れられている。この点について大森氏が次のように意図を語ってくれた。「シンボルエンカウントについては『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』でも好評でしたので是非、本編にも入れたいと考えました。その一方で、ランダムでどんなポケモンが出てくるか分からないワクワク感も残したい。開発を進める中で、ランダムエンカウントとシンボルエンカウントは別の遊びであることが分かってきましたので、例えば新ポケモンはシンボルで表現して”捕まえたい”と思える動機になるようなものに、シンボルでは出ないポケモンをランダムエンカウントに含むことで先ほど挙げたワクワク感に繋がるようにしています。この2つを両立させて遊びを膨らませるという意図を持って作っています」とのことだ。
バトルに関してはこれまで同様、ターン制で4つの技からコマンドを選択する方式。ここで気になったのはポケモンたちのモーションで、技ごとの演出は『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』の開発経験が活かされてよりブラッシュアップされているように感じた。特に、序盤から見られる「しっぽをふる」のモーションが非常に可愛く、一度は見ておくことをオススメする。
育成に関してもかなり育てやすいようバランス調整が行われているようで、最初のパートナーでも育てれば通信対戦でしっかりと戦えるような仕組みが入っているとのこと。大森氏からは、是非いろんなポケモンを育ててもらいたいとのコメントが得られた。
▲ポケモンセンターでは、回復のほか道具の購入ができるフレンドリィショップが併設されている。さらに、序盤からポケモンのニックネームを変えたり、技を覚えさせたり、忘れさせたりできる。
■仲間との連携がカギを握る「マックスレイドバトル」に挑戦!
最後に、本作の目玉でもある「マックスレイドバトル」についてもお届けしていこう。
マックスレイドバトルは、増田氏と大森氏のゲーム紹介でも触れられた通り、4人のトレーナーで協力して挑む新しい遊びとなる。ワイルドエリアで赤いオーラを放っている「ポケモンの巣」から挑戦することが可能で、手持ちやボックスに預けているポケモンから1匹を選んでバトルに参加できる。また、道具を使用してマックスレイドバトルを発生させることも可能で、今回は道具を使う形での挑戦となった。
野生のダイマックスポケモンは非常に強力で、通常の攻撃技に加えて強力な追加効果を持つダイマックス技を使うなど、1ターンの間に複数回技を使うという特徴が見られた。このほか、味方ポケモンの特性や能力変化を打ち消してしまうようなものもいるようだ。また、ダイマックスポケモンは「ふしぎなバリア」を展開してくることもある。こうなってしまうと「ふしぎなバリア」を壊さない限りほとんどダメージが通らなくなるので、攻撃を繰り返して壊す必要がある。それぞれのトレーナーがバラバラの戦略で戦うと不利になってしまうため、味方の能力を上げる、敵の能力を下げる、効果ばつぐんの攻撃を行うなど、誰がどのタイミングで何の技を使うか息を合わせた連携が勝利に繋がりそうだ。
また、参加する4人のトレーナーのうち、誰か1人が1回のみ自分のポケモンをダイマックスさせることができる。ダイマックスしたポケモンは非常に強力で、先ほど紹介した「ふしぎなバリア」も1度のダイマックスわざで2ゲージ分削れることが分かった。自分のポケモンをダイマックスさせることができる権利はターンごとに隣のプレイヤーへと流れていく。ここぞという場面ではチャンスを逃さず仕掛ける勇気が必要になる。
無事、野生のダイマックスポケモンを倒した場合は捕まえるチャンス。成功・失敗の判定は4人それぞれとなっており、全員が捕まえられることもあれば、1人だけ捕まえるのに失敗してしまうといったこともあるそうだ。
ちなみに、今回のように道具を使用してマックスレイドバトルを発生させた際はバトルを解放した日の23:59まで挑戦可能。また、ポケモンを捕まえるまで何度でも挑戦可能となっているが、一度ゲットするとその後は挑戦できなくなる。なお、その際、報酬としてもらえる道具は何度でも入手可能になっているとのこと。
最後にまとめとして、今回の試遊で強く感じたのは、冒頭部分1時間ほどの体験であったにも関わらず、『ポケットモンスター』シリーズとしての新しさと懐かしさを両方とも感じられたということ。かつてはテキストのみで表現されていた描写が3Dビジュアルになり、あの頃のゲーム体験や思い出が新たな形として作中で表現されていることで、随所に”ポケモンらしさ”が込められているという印象を抱いた。
筆者の所感として、過去作も遊んでいてポケモンの魅力に釘付けというファンの期待に応えられていることはもちろん、久々に『ポケットモンスター』シリーズを遊びたいという方、本作で初めて遊ぶという方も含め、今、日本で1番幅広い層がプレイして楽しめる1作に仕上がっていると言っても過言ではなさそうだ。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
■『ポケットモンスター ソード・シールド』
(C)2019 Pokémon. (C)1995-2019 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。 画面は開発中のものです。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ポケモン
- 設立
- 1998年4月
- 代表者
- 代表取締役社長 石原 恒和/代表取締役 宇都宮 崇人