オーディオブック市場、2024年には260億円に拡大する見通し 声優によるナレーションや朗読コンテンツも人気に



日本能率協会総合研究所は、オーディオブック市場を調査し、2024年度の市場規模は260億円になるとの予測を発表した。2021年度は140億円で、約86%伸びる見通しだ。

【オーディオブック 市場概況】
・2024年度のオーディオブック市場は約260億円。
・本調査のオーディオブックは、 声優やナレーターが朗読した書籍、 講演・話芸などをコンテンツ化し、 音声データ自体を商品としてWebで提供しているサービス。
・書籍の代替として目を休めながら時間を有効活用でき、 スマートフォンの普及とともに市場が形成される。
・利用者の過半数が、 電車内、 自動車の運転中など移動中に使用。 サービス認知度の向上、 提供コンテンツの充実化により、 市場規模は拡大する見通し。

声優やナレーターが朗読した書籍、講演・話芸などをコンテンツ化し、音声データ自体を商品とした音声コンテンツは、CDなどのパッケージで販売される商品などがあるが、本調査ではWeb上で提供しているサービスを対象としている。

オーディオブックは、オトバンクの2007年に始めたオンラインストアが国内では先駆けとみられ、2011年以降スマートフォンの普及とともに市場が形成された。

Amazon.comの子会社Audibleが2015年に日本市場へ参入したことにより市場が活性化している。オーディオブックは、オーディオブックの専業事業者からの提供か、電子書籍販売の一形態としての提供かの2パターンとなる。サービス提供方法には都度課金型と定額制のものがある。出版社や声優事務所などが独自にコンテンツを制作・販売しているものもあるが、ごく一部だ。

紙の書籍・電子書籍の代替手段として目を休めながら時間を有効活用できることが支持されているほか、声優によるナレーションや、落語・講談といった話芸など、音声ならではのコンテンツとして人気を集めている作品も多数ある。若年層からの支持が厚い人気声優を活用した朗読コンテンツや、中高年層からの支持が厚い講演会など、コンテンツの多様性から幅広い年代で利用されている。その中でも特に30歳代から40歳代の利用が特に多い状況。

また、利用者の過半数が移動中に利用しており、三大都市圏では通勤時の電車内で、三大都市圏以外では自動車の運転中での利用が多くなっている。今後、サービス認知度の向上、提供コンテンツの充実化により、市場規模は拡大する見通し。