AI音声認識のAMI、20年3月期の経常利益は8.15億円 3期連続の黒字達成 音声認識で5年連続シェア1位

アドバンスト・メディア(AMI)<3773>は、2020年3月期の連結決算を発表し、売上高47億4700万円(前の期比11.5%増)、営業利益6億9500万円(同4.0%減)、経常利益8億1500万円(同10.3%減)、最終利益6億9200万円(同27.0%減)と増収減益だった。減益での着地となったものの、3期連続の黒字達成となった。

音声認識の会社として2005年に華々しくマザーズに上場したものの、当初は業績面で苦戦する局面が多かった。先行投資がかさむ上、音声認識の導入が思うように進まなかったからだ。ここ数年、コールセンターや医療施設などで導入が進み、安定して黒字を出せるようになった。いわば時代がAMIに追いついた。

1997年の創業以来、音声認識に一貫して投資を続けていた技術・ノウハウを活かし高い競争力を発揮している。アイ・ティ・アールの実施した音声認識市場の市場シェア調査によると、ベンダー別売上金額シェアで1位を獲得したとのこと。これで5年連続の首位獲得の偉業となる。
 


売上高と経常利益、最終利益の推移は以下のとおり。途中、売上に匹敵する最終黒字を出している期があるが、これは主に株式売却益や為替差益などの影響である。

 


さて、この期の業績を見ていくと、コールセンター向けのシステムや医療機関向けのカルテ入力システム、自治体・企業などの議事録作成・文字起こしなどのニーズが増えたことで、前の期比で2ケタの増収を達成した。

営業利益については、連結子会社であるAMIVOICE THAIとグラモの赤字が拡大し、前期比で減益となった。経常利益と最終利益については、営業減益に加え、為替差損3700万円(前の期は為替差益8300万円)を計上したことが響いた。


 
(編集部 木村英彦)