サイバーエージェント<4751>は、AI事業本部において事前に広告配信効果を予測する「効果予測AI」を開発したことを発表した。また、AIを活用した革新的な制作プロセスで広告クリエイティブを制作し、広告効果が出た時のみクリエイティブ制作費を成功報酬とする「極予測AI(キワミヨソクエーアイ)」の提供を開始する。
近年、デジタル広告において活用が進む運用型広告では、広告効果を維持するために短期間で多種多様かつ大量な広告クリエイティブの制作と、迅速なクリエイティブ運用が必要とされている。さらに、既存の広告クリエイティブよりも広告効果の向上が期待できる「勝てる広告クリエイティブ」を高確率で作り出すことがますます期待されているが、効果を維持・向上するために必要なクリエイティブアイディアは属人的な能力に依存され、大量のアイディアを継続的に生み出し続けることは限界がある。
このような背景のもと、同社ではAIを活用した革新的な広告クリエイティブ制作プロセスにおいて制作された広告クリエイティブについて、広告効果が出た時のみクリエイティブ制作費を成功報酬とする「極予測AI」の提供を開始した。
これまで、一般的に効果予測AIは大量に制作された新規クリエイティブ同士で広告効果の予測値を競い、高スコアのバナーが企業に納品されてきた。今回提供を開始した「極予測AI」は、新規クリエイティブ同士の効果予測ではなく、現在配信中で最も効果が出ている既存クリエイティブに対し新クリエイティブの効果予測値を競わせ、AIによる効果予測値が既存1位よりも上回った新クリエイティブのみを広告主に納品し、広告配信する。また、本技術は静止画・動画共に対応しており、現在特許出願中となっている(2020年5月15日現在)。
先行テストでは、「配信中で広告効果1位の既存クリエイティブ」に対する広告効果の勝率比較において、「通常の制作プロセス」によるクリエイティブの勝率と「極予測AIによる制作プロセス」によるクリエイティブの勝率を比較した際、「極予測AI」が「通常プロセス」の2.6倍という結果が出た。このような効果改善の期待に応えるべく、「極予測AI」にて制作した広告クリエイティブは、広告効果が確認できた場合にのみクリエイティブ制作の報酬をいただく、成功報酬型で提供する。
なお、「極予測AI」の事前予測ロジックは、広告配信やクリエイティブ制作における技術課題の解決に取り組む同社のAI研究開発組織「AI Lab」と共に研究開発しており、今後、学術研究会の場において研究論文の発表を予定している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751