2020年がまもなく終わろうとしているが、アプリストアのセールスランキングの動きを振り返ってみよう(※)。AppAnnieが毎月まとめているAppAnnie IndexのApp StoreとGoogle Playの合算売上ランキングの推移をみていくと、『モンスターストライク』が年間を通じて他のタイトルを圧倒する強さを示した。運営元であるミクシィは、前年より『モンスト』のリバイブに取り組むとしていたが、順調に進捗したようだ。「道半ば」としており、まだ伸ばす余地が大きいと見ているようだ。
『Fate/Grand Order』『パズル&ドラゴンズ』『ポケモンGO』『荒野行動』なども安定した活躍を示した。とりわけ、『パズル&ドラゴンズ』については、『鬼滅の刃』とのコラボを11月に実施したが、その効果もあって5年半ぶりに月間ベースで首位を獲得した。2020年のコンテンツ業界を象徴する事象だった。
また、前年9月にリリースした『ドラゴンクエストウォーク』については、年間を通じてTOP10に入っており、ストア上位陣に定着したといっていいだろう。『プロ野球スピリッツA』も年間を通して高いポジションをキープしたことも見逃せないポイントと言えるだろう。
ランキングの顔ぶれに大きな変化はなく、「寡占」といわれているが、それを打破するゲームチェンジャーとして脚光を浴びたのが『原神』だろう。年末にゲーム業界関係者にヒアリングした際も、2020年の注目タイトルとして『原神』を挙げる声がもっとも多かった。「日本のゲーム会社でこの水準のタイトルを作れるところは限られるだろう」とも。コロナ禍でカジュアルなゲームより、じっくりとやりこめるゲームへのニーズが高まっていたことも追い風になったとみられる。
とはいえ、アニプレックス『ディズニーツイステッドワンダーランド』がこの年にリリースされた新作ではTOPタイトルといってよさそうだ。2020年3月にリリースした本作だが、6月に月間ランキングでは8位に登場した後、8月、9月、10月、11月でもTOP10に入るなど好調な動きを見せた。親会社であるソニー<3758>が決算発表において、本作に言及するなど期待を集めていた(関連記事)。
このほか、『ドラゴンクエストタクト』も『ドラゴンクエスト』シリーズ初のタクティカルゲームとして上位に入った。開発元であるAiming<3911>の業績回復にも大いに貢献することになった。
以下、簡単に各月の状況を見ていこう。
(※)集計期間の関係上、2019年12月~2020年11月となっている。
■2019年12月
『モンスターストライク』が首位を奪い返した。またスクウェア・エニックスより11月14日にリリースされた新作『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』が10位に登場した。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | ドラゴンクエストウォーク |
4 | 荒野行動 |
5 | パズル&ドラゴンズ |
6 | ロマンシング サガ リ・ユニバース |
7 | ポケモンGO |
8 | プロ野球スピリッツA |
9 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
10 | FFBE幻影戦争 |
■2020年1月
Cygamesの『プリンセスコネクト!Re:Dive』がTOP10に復帰した。期間限定キャラ「コッコロ(ニューイヤー)」を追加したことが好評で、App Storeだけでなく、Google Playでも首位を獲得するなど好調ぶりが目立っていた。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | パズル&ドラゴンズ |
4 | ドラゴンクエストウォーク |
5 | 荒野行動 |
6 | プリンセスコネクト!Re:Dive |
7 | プロ野球スピリッツA |
8 | ポケモンGO |
9 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
10 | ディズニーツムツム |
■2月
バンダイナムコエンターテインメント『ドラゴンボールZドッカンバトル』が前月7位から2位に浮上した。同タイトルでは5周年を記念した各種のキャンペーン・イベントを大々的に実施しており、セールスランキングでも首位に立つ場面もあった。
1 | モンスターストライク |
2 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
3 | Fate/Grand Order |
4 | ドラゴンクエストウォーク |
5 | パズル&ドラゴンズ |
6 | 荒野行動 |
7 | プロ野球スピリッツA |
8 | プリンセスコネクト!Re:Dive |
9 | ポケモンGO |
10 | ディズニーツムツム |
■3月
Cygamesの『グランブルーファンタジー』が7ランクアップの8位とTOP10に復帰した。こちらでは6周年を記念した各種のイベント・キャンペーンを実施し、App Storeセールスランキングでも首位を獲得した。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | ドラゴンクエストウォーク |
4 | 荒野行動 |
5 | プロ野球スピリッツA |
6 | パズル&ドラゴンズ |
7 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
8 | グランブルーファンタジー |
9 | ポケモンGO |
10 | スターライトステージ |
■4月
C4GAMESの『放置少女』が9位とTOP10に入った。アークシステムワークの2D対戦型格闘ゲーム『BLAZBLUE(ブレイブルー)』とのコラボを開催したほか、橋本環奈さんを起用したテレビCMを放映するなどプロモーション展開も強化していた。また『FFBE幻影戦争』については『ファイナルファンタジータクティクス』とのコラボなどを実施しており好調だった。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | ドラゴンクエストウォーク |
4 | パズル&ドラゴンズ |
5 | 荒野行動 |
6 | プロ野球スピリッツA |
7 | ポケモンGO |
8 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
9 | 放置少女 |
10 | FFBE幻影戦争 |
■5月
テンセントの新作『コード:ドラゴンブラッド』が初登場となった。『コード:ドラゴンブラッド』は、近未来の東京を舞台にしたMMORPGで、4月9日のリリース後、セールスランキングの上位に入るなど高い人気を集めていた。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | 荒野行動 |
4 | ドラゴンクエストウォーク |
5 | パズル&ドラゴンズ |
6 | ポケモンGO |
7 | プロ野球スピリッツA |
8 | 放置少女 |
9 | スターライトステージ |
10 | コード:ドラゴンブラッド |
■6月
アニプレックスの『ディズニー ツイステッドワンダーランド』が8位に入った。「フェアリーガラ」がテーマのイベントとガチャを実施し、AppStore売上ランキングで首位を獲得するなど目覚ましい活躍を示した。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | ポケモンGO |
4 | プロ野球スピリッツA |
5 | 荒野行動 |
6 | ドラゴンクエストウォーク |
7 | パズル&ドラゴンズ |
8 | ツイステッドワンダーランド |
9 | プリンセスコネクト!Re:Dive |
10 | eFootball ウイニングイレブン |
■7月
スクウェア・エニックスとAiming<3911>の『ドラゴンクエストタクト』が8位に入った。7月16日リリースなので、半月しか集計期間に入っていないが、早くもTOP10入りを果たした。
1 | モンスターストライク |
2 | Fate/Grand Order |
3 | プロ野球スピリッツA |
4 | パズル&ドラゴンズ |
5 | ポケモンGO |
6 | 荒野行動 |
7 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
8 | ドラゴンクエストタクト |
9 | プリンセスコネクト!Re:Dive |
10 | ドラゴンクエストウォーク |
■8月
FGO PROJECTの『Fate/Grand Order』が2019年9月以来となる久々の首位獲得となった。この月は、リリース5周年を記念した各種のキャンペーン、イベントを開催していた。
1 | Fate/Grand Order |
2 | モンスターストライク |
3 | 荒野行動 |
4 | ポケモンGO |
5 | ドラゴンクエストタクト |
6 | プロ野球スピリッツA |
7 | パズル&ドラゴンズ |
8 | ツイステッドワンダーランド |
9 | ドラゴンクエストウォーク |
10 | 放置少女 |
■9月
"周年"タイトルの好調が目立った。1周年の『ドラゴンクエストウォーク』(スクウェア・エニックス)が2位に順位を上げたほか、7周年を迎えた『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)』(バンダイナムコエンターテインメント)が7位とTOP10に復帰した。
1 | モンスターストライク |
2 | ドラゴンクエストウォーク |
3 | Fate/Grand Order |
4 | プロ野球スピリッツA |
5 | ドラゴンボールZドッカンバトル |
6 | 荒野行動 |
7 | スターライトステージ |
8 | パズル&ドラゴンズ |
9 | ツイステッドワンダーランド |
10 | ポケモンGO |
■10月
miHoYoの新作『原神』が2位に登場した。前月はリリースから間もなかったこともあり、ダウンロードランキングでの首位獲得にとどまったが、セールスランキングでも2位に登場した。
1 | モンスターストライク |
2 | 原神 |
3 | Fate/Grand Order |
4 | プロ野球スピリッツA |
5 | ドラゴンクエストウォーク |
6 | パズル&ドラゴンズ |
7 | ポケモンGO |
8 | 荒野行動 |
9 | ツイステッドワンダーランド |
10 | スターライトステージ |
■11月
『パズル&ドラゴンズ』で首位を獲得した。過去のデータをさかのぼってチェックしたところ、2015年5月以来の首位となった。10月27日から11月10日まで実施した「鬼滅の刃」コラボを実施したことで注目を集めていた。運営元であるガンホーは、決算発表で「鬼滅の刃」コラボについて「非常に良い状況」とコメントした。
1 | パズル&ドラゴンズ |
2 | モンスターストライク |
3 | Fate/Grand Order |
4 | プロ野球スピリッツA |
5 | 荒野行動 |
6 | ツイステッドワンダーランド |
7 | 原神 |
8 | ドラゴンクエストウォーク |
9 | ポケモンGO |
10 | 放置少女 |