サイバーエージェント藤田社長、『ウマ娘』は「収益性が高く利益を引っ張り上げてくれた」 第2四半期のゲーム事業は売上・利益とも過去最高
サイバーエージェント<4751>は、この日(4月28日)、第2四半期の機関投資家・アナリスト向けの決算説明会をオンラインで開催し、ゲーム事業の売上高が前年同期比42.7%増の639億円、営業利益が同122.3%増の232億円と過去最高を更新したことを明らかにした。営業利益の伸びは、『ウマ娘 プリティーダービー』の貢献による。収益に貢献したのは2月24日からの1ヶ月強の数字であり、四半期ベースでフル寄与する次の四半期はさらなる伸びが見込まれる。
藤田晋社長は、「前回の発表時が数字の谷だったが、既存タイトルの周年イベントによる復調に加えて、新作タイトル『ウマ娘』と『ニーア リィンカーネーション』が大きく貢献した」と述べた。
特に利益貢献に大きかったのは、リリース1.5ヶ月弱ながら『ウマ娘』だ。「自社IPタイトルであり、(他社IPを使ったタイトルに比べて)収益性が高く、売上だけでなく、営業利益も大きく引っ張り上げてくれた」とコメントした。
ここで、Cygames取締役の近石 愛作氏が登壇し、『ウマ娘』の状況を説明した。子会社の役員が決算説明会に登壇するのは異例だ。それくらいグループにもたらしたインパクトが大きかった、ということであろう。
近石氏は、ゲーム概要を説明した後、「2016年に開始したプロジェクトで、当初は2018年にゲームをリリースする予定だったが、全体のクオリティを引き上げるために延期を決断した。この結果、自信をもって提供できる作品になった」と語った。
プロジェクト発表以降、アニメやコミカライズ、ライブなどコンテンツを提供したが、ゲームリリースに際してここで醸成したファンがゲームを始め、そして多くの競馬ファンが遊ぶようになり、ダウンロード数も大きく伸ばしている。
2月24日のリリースからわずか1週間で100万DLに達し、現在では600万ダウンロードを突破するなどユーザー数を伸ばしている。「引き続き幅広い方々にプレイしていただけるよう作品の魅力をお届けしたい」。
Cygamesとしては、同タイトルについてロングランヒットを目指しており、引き続きゲームの機能拡充を行うとともに、海外展開(韓国語と簡体字)、そしてライブイベントや番組配信、CD・グッズ販売などのゲーム外の展開に力を入れていくとした。
ここで再び藤田社長が登壇し、『ニーア リィンカーネーション』については、英語版に期待を示した。「ニーアは、もともと日本よりも海外で人気がある。今後、英語版を提供する予定で、こちらも期待できる」とコメントした。
今後のリリースタイトルは、4タイトルとなる。「約束のネバーランド~狩庭からの脱走~」については先日リリースしたが、「D_CIDE TRAUMEREI」「IDOLY PRIDE」「プラオレ!SMILE PRINCESS」を2021年中にリリースする予定。
また、2022年には大型タイトル「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」を全世界でリリースする予定だ。こちらはスクウェア・エニックスとサイバーエージェントグループのアプリボットとの共同開発となる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751