Nianticは、5月11日、Niantic Real World Platform が新しい名前「Niantic Lightship (ライトシップ)」への変更を発表した。
また没入感をもたらすユニークなARアプリケーションの作成ができる「 Niantic Lightship ARDK (AR開発者キット)」のプライベートベータ版の案内も行っている。
マッピングや共有、地球規模の AR 体験の業界標準ツールとなる「 Niantic Lightship 」は、『 Ingress 』や『 Pokémon GO 』などの既存のタイトルや、任天堂社と開発中の新しい『ピクミン』をベースとしたアプリなど、Niantic が開発・提供するタイトルを動かす一連のツールやサービスを含めた Niantic のプラットフォーム全体をカバーしている。
「 Niantic Lightship ARDK 」は、開発者がマルチプレイヤー体験を作成し、深度、物理、オクルージョン、セマンティックセグメンテーションを用いて、リアルなAR体験を実現するパワフルなツールセットだという。
「 Niantic Lightship ARDK 」プライベートベータおよび Niantic Publishing について興味のある人は Niantic.dev から登録してほしいとのこと。
■「 Niantic Lightship ARDK 」
「 Niantic Lightship ARDK 」プライベートベータ版には以下の 3 つの主要分野の強化を含む多数の最新ツールを組み込みました。
高度なメッシングによるリアルタイムのマッピングがスマートフォンカメラの技術とニュートラルネットワークとを結びつけ、空間をテッセレーションした三角形のメッシュにマッピングして、物理的な世界を機械的に読み取り可能な形にする。「 Niantic Lightship ARDK 」はメッシングによって仮想オブジェクトに「物理」を実現している。
ベータ版になって改良されたセマンティックセグメンテーションは、地面、空、建物など、空間のさまざまな特徴を区別し、仮想オブジェクトをその空間でリアルに見たり、感じたり、動かしたりすることが可能となる。「 Lightship 」は空間のさまざまな屋外オブジェクトを自動的にセグメント化し、ARコンテンツの比表面積との相互作用を可能にする。
マルチプレイヤー機能を強化したことで、コロカリゼーション、ネットワーキング、同期が改善され、最大 8 人のプレイヤーが同時に同じ現実世界の空間で同じAR体験を共有できる、没入感のあるマルチプレイ体験を実現できるようになった。P2P 型のメッセージ機能とバックエンドのサーバー機能が内蔵されているため、開発者の方々はプレイヤーが共有する体験の作成の開発に注力できる。
このようなコンテンツのアンカリングは現在のところ一時的なものが、長期的な仮想コンテンツのアンカリングにより、長く利用できる次世代の AR 体験を作成できるようになる。
■「 Lightship ARDK 」の特徴
AR 空間における基礎的な技術であるメッシングだが、Niantic は一般的なスマートフォンカメラを利用することで、あらゆるデバイスでメッシングを可能にした。
一部の高性能なデバイスでしか利用できない LiDAR スキャナーを必要とせず、一般的なカメラに搭載されている RGB カラーセンサーを使ってメッシュを作り出する。このメッシング技術によって、プレイヤーの周辺環境をスキャンし、リアルタイムに 3D マップを作成する。
これにより「 Lightship プラットフォーム」のあらゆる体験において仮想コンテンツを適切な物理的場所に配置し、現実世界の環境と開発者の環境から得られるコンテキストを組み合わせることができる。Niantic のメッシングに対する歴史は会社の初期にまで遡り、ここ数年に行った Matrix Mill や 6D.ai などの買収の成果も現在の技術に組み込まれている。
Niantic のこの技術は、iPhone 12 Pro モデルを含む LiDAR を搭載したスマートフォンともシームレスに調和する。「 Niantic Lightship ARDK 」を使用する開発者はデバイスの種類を気にすることなく、ダイナミックなマップを作成し、あらゆるハードウェアにおいて最高の体験を生み出すことができる。
■今後の展望
Niantic は世界の 3D マップを作ることで、AR の未来をより完全に実現できると考えている。これをゴールに、仮想測位システム( VPS )と位置情報、持続的なコンテンツアンカリングを正確に活用し、世界中で利用できる AR 体験を作り出すことができる高度なツールを構築している。
会社情報
- 会社名
- Niantic