サイバーエージェントとクレディセゾン、カード決済データを活用するマーケティングソリューションを提供する合弁会社CASMを設立


サイバーエージェント<4751>とクレディセゾン<8253>は、カード決済データを活用したマーケティングソリューションを提供することを目的とした合弁会社「株式会社CASM(キャズム)」を6月1日付で設立した。

■新会社設立の背景
クレジットカードを中心とした決済データは、本人確認データに基づいた正確性および決済トランザクションの即時性とリアルタイム分析で消費トレンドをいち早く掴めることから、欧米では先行して「オルタナティブデータ」として活用が進んでいる。日本においてもAI技術の発展とコロナ禍で活用が加速しており、人流統計データから外出者増減の算出、購買(POS)データから即時的な顧客需要を予測するなど、今後さらに決済データをはじめとする「オルタナティブデータ」の活用ニーズが高まっていくことが予想されている。

こうした背景のもと、約3600万人(連結)の顧客基盤による膨大な決済データを持つクレディセゾンと、AI技術の研究開発組織「AI Lab」を有し、デジタルマーケティング業界をリードするサイバーエージェントにおいて、カード決済データを活用したマーケティングソリューションを提供する新会社「株式会社CASM」を設立した。

AI Labではこれまでも、レコメンド情報最適化の研究および、企業・政府の意思決定に不可欠な細かい粒度でのリアルタイムな経済状況の把握を目的としたオルタナティブデータ活用の研究等に取り組んできた。精度が高い決済データ分析や消費行動や顧客インサイトの把握など、AI技術を活用し複合的なオルタナティブデータ分析が可能だ。クレディセゾンが保有する価値ある決済データの更なる有効活用と、新たなビジネスの創出および価値創造を目指していく。

■事業概要
①クレディセゾンカード会員向け、レコメンド情報の最適化
顧客の潜在ニーズを引き出すなど1人ひとりの属性・決済情報をより高度に分析し、カード会員の興味関心に寄り添った、最適な情報を届けることが可能。

②メーカーや小売企業等へ、カード決済データを活用したマーケティングソリューションの提供
クレディセゾンが保有する即時性のある決済データの分析によって、コロナ禍での新たな生活様式による消費行動の変化をいち早く可視化したり、本人利用許諾済みの属性情報や多様な購買履歴の傾向から、特定の顧客層の潜在的な可処分所得やライフスタイルを推計することができる。これらを個人が特定されないデータとしたうえで、メーカーや小売企業、セゾンカード加盟店など様々な店舗・法人へ提供が可能。さらに、小売企業などが保有する購買(POS)データなどと掛け合わることでよりユーザー解像度が高いデータ分析が可能となり、オンラインとオフラインのデータを融合させたOMO(Online Merges with Offline)施策など、複合的なマーケティング支援を提供する。

③両社の事業領域・ノウハウを掛け合わせた新規ビジネスの創出
サイバーエージェントが持つインターネット領域におけるサービス開発およびAI技術の研究開発力と、クレディセゾンが持つ顧客基盤や提携ネットワーク、決済ソリューションを中心とする多様な金融サービスの知見を掛け合わせ、顧客が持つ多様な価値観に応える新規ビジネスおよび金融DX事業の新規創出を目指していく。
 
今後とも両社は「株式会社CASM」を通じて、決済データを活用した独自性の高いマーケティング事業および新規ビジネスを開発し、広告主や小売業など多くの企業にとって効率的なマーケティング手法の提供に取り組んでいく方針だ。
 

<新会社概要>


社名:株式会社CASM
所在地:東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号
設立:2021年6月1日 
資本金: 5000万円
出資比率:サイバーエージェント:51%、クレディセゾン:49%
代表者:代表取締役 下田満
事業内容:カード決済データ等を活用したマーケティング事業
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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