Global Open Network Japanは、7月20日、「GO-NET FM/端末接続サービス」の本格展開を2021年8月より開始すると発表した。
同サービスは、7月12日からの飲料自動販売機(以下、「飲料自販機」という)でのフィールドテスト開始後、安定稼働を続けているという。
本サービスは、端末ダイレクト接続および決済の支払い種別の絞込みによるシンプルな方式により、既存のペイメントネットワークと比べて決済プロセシングコストを大幅に圧縮し、タッチ決済(非接触ICクレジットカード決済)などの導入ハードルを下げることで、少額決済分野でのキャッシュレス化を加速させるサービスとなる。
ペイメント事業者の少額決済分野に対する取組み加速と、加盟店のカード情報非保持化対応を同時に実現し、飲料自販機などの自動精算機、コンビニエンスストアやドライブスルーなど、少額タッチ決済と親和性の高い日常決済シーンを幅広くサポートし、キャッシュレスの裾野拡大に貢献する。
「GO-NET FM/端末接続サービス」について
[開発の背景]
近年、NFCチップを搭載した非接触ICクレジットカードがグローバルスタンダードとなりつつあり、今後日本でも急速に普及が進むと予測されます。「タッチ決済」と呼ばれるユーザビリティは少額決済と相性が良く、キャッシュレスの裾野拡大が期待されているものの、そのためには少額決済領域におけるクレジットカード決済の導入ハードルを下げる必要がある。これまでは、クレジットカードビジネスの構造上、少額でのクレジットカード取引はペイメント事業者にとって不採算になることが多く、キャッシュレス化が困難と考えられていた。
また、2018年6月施行の「改正割賦販売法」により、クレジットカード情報を保持する加盟店に対して「PCI DSSの準拠」または「カード情報の非保持化」が義務化され、セキュリティ対策への継続的な取り組みが必要不可欠となっている。
[特徴]
GO-NET Japanが提供する「GO-NET FM/端末接続サービス」は、少額決済領域におけるキャッシュレス導入ハードルの
抜本的な引き下げを目的としたものであり、サービスの特徴は以下の通り。
飲料自販機などのリーダーライターや加盟店の決済端末とGO-NETがダイレクト接続することで、中間事業者の情報処理センターなどを介すことなく、クレジットカード取引をペイメント事業者に中継する。
決済の支払い種別を一括払いのみに限定し、情報処理プロセスを簡素化することで、シンプルかつローコストなプロセシングを実現している。
決済処理の際、クレジットカード情報が加盟店のシステムを経由することなく、PCI DSS認定済みのGO-NETシステム側で取引処理を行う。これにより、加盟店側の「カード情報の非保持化(外回り方式)」が実現されるため、加盟店側でのクレジットカード情報安全管理措置が不要となる。
[導入メリット]
(1) ペイメント事業者の少額決済領域のマーケット開拓
少額決済領域は、従来スキームでは採算面での課題により、キャッシュレスの導入が困難なケースもあるものの、GO-NETのシンプルかつローコストなプロセシングにより、マーケット開拓の推進強化が図れる。
(2) 加盟店のキャッシュレス導入負荷軽減
クレジットカード情報が加盟店システムを経由しないため、加盟店側でのPCI DSS取得が不要となり、キャッシュレス導入負荷が軽減される。
(3) 決済サービスに不可欠な信頼性と安全性の確保
GO-NETは、Akamaiプラットフォーム上に複数サーバを分散配置し高い可用性を確保するとともに、決済業界のグローバルセキュリティ基準であるPCI DSS認定を取得済みであることから、ペイメント事業者、加盟店双方に信頼性と安全性を提供する。
[今後の計画]
大手飲料メーカーの飲料自販機への導入を皮切りに、他の飲料メーカーの飲料自販機やその他の自動精算機(アミューズメント施設、コインパーキング、食券販売機など)への横展開を積極的に進めてまいります。また将来的には、自動精算機以外にも、コンビニエンスストアやドライブスルー、フードコートなど、少額タッチ決済と親和性の高い対面取引分野に対しても、本サービスを展開していく計画。
クレジットカードブランドについては、当初はVisa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレスの4つの国際決済ネットワークをカバーする。これは、主要アクワイアラーである三菱UFJニコス(Visa/Mastercard)ならびにジェーシービー(JCB/アメリカン・エキスプレス)との提携により実現した。
なお、本サービスは、飲料自販機や自動精算機分野においては既存のペイメントネットワーク料金の概ね5分の1程度の水準(当社調べ)で提供され、その他の加盟店に対しても、現状比で格安となる水準でサービスが提供される。本サービスの売上計画として、2029年までに約130億円を展望している。