スクエニHD、「収益認識に関する会計基準」で第1四半期は売上高61億円、販売管理費55億円増加…「デジタルコンテンツ販売」「アイテム課金」の認識方法が変更
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、「収益認識に関する会計基準」の適用によって、第1四半期の売上高が61億6400万円増加し、売上原価は8300万円増加し、販売管理費は55億2200万円増加したことを明らかにした。返品調整により営業利益、経常利益はそれぞれ1億6400万円増えた。利益剰余金の当期首残高は1億0400万円減少した。
今回、会計処理の方針は以下のように変更になったという。
(デジタル・コンテンツ販売)
まず、他社が展開するプラットフォームを通じたデジタル・コンテンツ販売については、これまでは「顧客から受け取る額からプラットフォーマーの⼿数料を控除した純額」を計上していたが、「顧客から受け取る対価の総額」で計上するようになった。
(アイテム課⾦)
スマートフォンゲームなどに多いアイテム課⾦に関する収益認識については、「アイテムに交換した時」に収益として認識していたが、「顧客の⾒積り利⽤期間に基づいて収益を認識する方法」に変更したという。
顧客がアイテムを購入してから次のアイテムの購入までアイテムを利用すると想定し、この見積利用期間にわたって売上を認識する方法に変更する。アイテムを利用する期間をメーカーが役務提供する期間とみなす考え方であろう。例えば、見積り利用期間2ヶ月、500円買うと想定した場合、1ヶ月あたり250円ずつを2ヶ月にわたって計上する。
(返品調整引当金)
出版物の返品及びゲームソフトの返品等による損失に備えるため計上していた「返品調整引当金」における損失見込額については、従来は返品調整引当金繰入額と戻入額に計上していたが、返品が見込まれる商品・製品の売上高と売上原価相当額を認識しない方法に変更した。
また、従来「流動負債」に計上していた「返品調整引当金」については、「流動負債」の「返金負債」と「流動資産」の「その他」に含めて表示した。
(セグメント収益への影響)
なお、事業セグメントへの影響についても開示しており、デジタルエンタテインメント事業では、第1四半期の売上高は58億8700万円増加、営業利益は1億5600万円増加した。出版事業では売上高が2億8900万円増加、営業利益は微減、アミューズメント事業では売上高が1200万円減少、営業利益は800万円増加した。
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684