ブシロード<7803>は、本日(5月13日)、第3四半期累計(21年7月~22年3月)の連結決算を発表し、売上高290億2300万円(前年同期比6.9%増)、営業利益19億6700万円(同365.1%増)、経常利益32億0800万円(同512.3%増)、最終利益20億3300万円(前年同期は1億6100万円の損失)だった(決算期変更と収益認識基準に関する会計基準の適用のため、比較は参考値)。
・売上高:290億2300万円(同6.9%増)
・営業利益:19億6700万円(同365.1%増)
・経常利益:32億0800万円(同512.3%増)
・最終利益:20億3300万円(同1億6100万円の損失)
新型コロナの感染拡大リスクを避けた小規模なイベントを多数開催する方針を取っており、カードゲームの大会や音楽ライブを全国各地で複数回開催、第4四半期に開催する各種大規模イベントや新商品に向けてコンテンツを盛り上げている。
そうしたなか、「スターダム」は過去最高の売上を記録した。第3四半期会計期間だけでみると、スポーツ部門は黒字に転換したという。また、フロントウイングラボの事業方針の変更に伴い、同社の株式取得時に生じたのれんについて減損損失を計上している。
1.デジタルIP事業
売上高216億2400万円、セグメント利益20億0900万円となった。デジタルIP事業は、TCG(トレーディングカードゲーム)部門、ゲーム部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門の4部門が属している。なお、第1四半期より、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門をゲーム部門に名称変更している。
①TCG部門
「ヴァイスシュヴァルツ」では、「バンドリ! ガールズバンドパーティ! 5th Anniversary」や「プロジェクトセカイカラフルステージ! feat. 初音ミク」といった、自社IP・他社IP双方の人気IP商品を多数発売した。
「カードファイト!! ヴァンガード」では、人気シリーズであるリリカルブースター「リリカルモナステリオ~新学期はじまるよ!~」や、10周年記念商品となる「群雄凱旋」「カードファイト!! ヴァンガード10th Anniversary GiftBox」を発売した。
「Reバース for you」では、トライアルデッキバリエーション「STARDOM」5種やスペシャルデッキセット「ホロライブプロダクション2期生&3期生」といったユニークな形態の商品を発売している。
英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、日本語版でも人気を博した「Mushoku Tensei: jobless reincarnation(無職転生~異世界行ったら本気だす~)」などを発売、引き続き好調に推移した。
4月28日に発売する新TCG「Shadowverse EVOLVE(シャドウバースエボルヴ)」は、発売に先駆けて日本全国で先行体験会・初心者講習会を開催し、累計5,000人を超えるユーザーが参加した。
②ゲーム部門
2月28日に「新日本プロレスSTRONG SPIRITS」を世界同時リリース、プロレスファンへ訴求しつつ新日本プロレスリングとの相互プロモーションを行い、グループ内シナジーで双方の盛り上げを行っている。また、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」が3月16日に5周年を迎え、ゲーム内でのキャンペーンをはじめ、記念アニメやイベントなど5周年を記念した施策を多数行った。
③MD部門
第2四半期に引き続き、オリジナルカプセルトイブランド「TAMA-KYU(たまきゅう)」や、人気他社IPである「原神」「五等分の花嫁」などの安定的な売上に下支えされ、カプセル事業が堅調に推移している。また、「ガルパ5周年記念 BanG Dream!×アニメイトワールドフェア2022」における催事販売や「hololive SUPER EXPO2022」でのイベント販売なども盛況のうちに終わり、各チャネルでも順調な推移が見られている。
④メディア部門
アニメ、BanG Dream!(バンドリ!)製作委員会などの配分収入や、ブシロードメディアの書籍・電子書籍などが主となる。2月25日にはフロントウイングラボからPC用アドベンチャーゲーム「グリザイア:ファントムトリガー」シリーズ最終巻となる「グリザイア:ファントムトリガー vol.8」が発売するとともに、同IPのTVアニメ化が発表した。
2.ライブIP事業
ライブIP事業は、音楽部門、スポーツ部門の2部門が属している。売上高73億9900万円、セグメント損失3900万円となった。
①音楽部門
ブシロードミュージックでは、音楽・映像ソフトの売上が伸長したほか、Peaky P-key×Lynx Eyes 合同LIVE TOUR「Higher and Higher」や「#D4DJ_BATTLE_TIME GONG」などの音楽ライブを複数回開催したことにより売上を積み上げ、堅調に推移した。マスクプレイミュージカルを主とする劇団飛行船は、幼稚園・保育園の閉園や団体の独自基準による中止や制限が重なり、第2四半期に続き軟調な結果となった。
②スポーツ部門
2022年で設立50周年を迎えた新日本プロレスリングは、2022年1月に「WRESTLE KINGDOM16 in 東京ドーム」2連戦及び、「WRESTLE KINGDOM16 in 横浜アリーナ」を開催。また、2月11日から27日に東京ドームシティ Gallery AaMoで会社設立50周年を記念した展示会「シンニチイズム」を開催し、興行・グッズ・コンテンツすべての事業において、第3四半期の売上高は直前四半期と比較して好調に推移した。
女子プロレスブランド「スターダム」では、SNSを駆使したオンラインのプロモーション施策及び、興行の開催エリアを全国へ拡大するオフラインでのファン獲得施策を推進し、各SNSの登録者数、観客動員数が好調に伸長している。3月26日、27日に両国国技館で開催した「LECクリンぱっ!Presents STARDOM WORLD CLIMAX2022 ~The Best~」、「LECクリンぱっ!Presents STARDOM WORLD CLIMAX2022 ~The Top~」の2大会ではあわせて5,797名を動員し、ブシロードファイトとして3四半期連続で過去最高売上高を更新した。
北海道を中心にスポーツクラブ事業を展開するソプラティコは、ブシロードグループ各社とのシナジーの強化を目的として4月1日付で社名をブシロードウェルビーに変更し、本社を東京都中野区に移転することを発表した。
なお、2022年6月通期の業績予想の上方修正を行っている。詳細はこちらを確認してほしい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803