【決算レポート】コーエーテクモHD、9月中間期は家庭用＆スマホゲーム好調で過去最高業績　中国の規制は「影響なし」と懸念払拭

コーエーテクモホールディングス<3632>の業績が好調だ。10月25日に発表した9月中間決算は、売上高372億2000万円(前年同期比60.8%増)、営業利益164億2300万円(同94.4%増)、経常利益250億6400万円(同63.9%増)、最終利益181億4200万円(同53.1%増)となり、中間期として過去最高業績を達成した。主力のゲーム事業が全体の業績拡大をけん引した。一時は株式市場などで中国のゲームやアニメなどの規制の影響が懸念されたものの、それについては「影響なし」とした。

・売上高:372億2000万円(同60.8%増)
・営業利益:164億2300万円(同94.4%増)
・経常利益:250億6400万円(同63.9%増)
・最終利益:181億4200万円(同53.1%増)
 

セグメント別の業績は以下の通り。

■エンタテインメント（家庭用・スマホゲームなど）
・売上高:352億4500万円(同62.5%増)
・営業利益:161億1500万円(同92.9%増)

■アミューズメント
・売上高:14億4900万円(同22.3%増)
・営業利益:1億9100万円(同461.7%増)

■不動産
・売上高:5億1100万円(同41.6%増)
・営業利益:7100万円(同9.2%増)

■その他
・売上高:1億8400万円(同104.4%増)
・営業利益:4500万円(前年同期は500万円の損失)

主力の家庭用ゲームについては、パッケージソフトの売上が54.2％増の95億3500万円、ダウンロード販売が48.0％増の63億5000万円と大きく伸びた。『戦国無双5』や『NINJA GAIDEN:マスターコレクション』など自社タイトルが好調だったほか、『仁王2 Complete Edition』など高採算のリピート販売も業績に寄与した。

 地域別の販売本数では、欧州が28.6％減の50万本にとどまったものの、日本が33.0％増の133万本、北米が28.8％増の105万本、アジアが21.1％増の77万本と伸びた。またダウンロード販売の比率は、前年同期の49.2％から63.0％に伸びており、採算性の向上にもつながった。

 また、スマホゲームについては、96.0％増の172億5000万円と引き続き大幅増となった。PCオンラインについては38.8％減の4億9000万円となった。自社タイトル『三國志 覇道』が国内で引き続き好調だったほか、台湾、香港、マカオでの展開も開始した。またIP許諾タイトル『三国志・戦略版』も引き続き高水準に推移したという。

 なお、中国のコンテンツ規制の影響についてはなかったことも明かした。『三國志』など主力コンテンツに占める未成年者の割合は微小となっているためだ。歴史コンテンツに関しては、歴史的事実を尊重して適切にゲーム開発を行なっていくという。

■2022年3月通期の見通しは据え置き

続く2022年3月通期の業績については、売上高650億円(前期比7.7%増)、営業利益245億円(同0.4%増)、経常利益365億円(同7.1%減)、最終利益265億円(同10.3%減)とした。

・売上高:650億円(同7.7%増)
・営業利益:245億円(同0.4%増)
・経常利益:365億円(同7.1%減)
・最終利益:265億円(同10.3%減)

計画に対する進捗率は、売上高57.3%、営業利益67.0%、経常利益68.7%、最終利益68.5%となっている。

・売上高:57.3%
・営業利益:67.0%
・経常利益:68.7%
・最終利益:68.5%

 高い進捗率で上ブレ必至のようにみえるが、従来予想を据え置いた。巣ごもり需要の反動減など外部環境を厳しく見ていることに加えて、下半期にパッケージの大型タイトルの発売を控えていること、IP許諾収入、営業外収益の状況が見極めづらいことなどをその理由としてあげた。

下期の家庭用ゲームのリリースタイトルとしては、『真・三國無双8 Empires』や『信長の野望・新生』、『刀剣乱舞無双』、『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』、『BLUE REFLETION TIE/帝』などを発売する。