「Audiostock」運営のオーディオストック、シリーズCラウンドで米国SIGなどから6.7億円の資金調達

世界最大級のロイヤリティフリーのストックミュージックサービス「Audiostock」を運営するオーディオストックは、2021年11月24日、シリーズCラウンドにおいて、米国Susquehanna International Group(SIG)をリードインベスターとして、新規株主としてセレス、ベクトル、既存株主の日本ベンチャーキャピタル、中国銀行グループ、HBCC Technology Investmentを引受先として約6億7000万円の第三者割当増資を実施したことを発表。今回の資金調達により、創業からの累計調達額は約11億円となった。

同社は、2007年の創業以来、音楽クリエイターが創った音楽作品を預かり、ストックミュージックサービス「Audiostock」を通して販売・配信を行うプラットフォーム事業を展開している。外出自粛による巣ごもり需要の増加に伴い、YouTubeやTikTokなどの動画投稿プラットフォームを利用する人も増え、動画コンテンツへのニーズが高まるなか、ストックミュージック市場もそれに伴い2026年迄に2000億円規模に拡大が予想されているという

直近、2019年より開始した定額制プランの利用者数が伸長し、日本の音楽コンテンツの海外需要も高いことから、さらなる国内外でのシェアの拡大を目指し、システム開発費や広告宣伝費等を強化する目的で今回、資金調達をした。これまで、2018年3月にシリーズAラウンドで2億6200万円、2020年6月にシリーズBラウンドで1億2000万円の資金調達を行い、今回で累計総額約11億円となる。

■ 資金調達の使途
1:国内外の新規顧客獲得のための広告宣伝費用
国内におけるユーザー登録者数は10万人を超え、さらに海外ではアジア圏での利用が増えている。国内では2021年11月1日から開始した新たな定額制プラン(法人、個人の区分けを無くし、使用シーンや人数に合わせて選択できるプラン)の導入で用途ごとに使いやすいサービス環境を整えているが、さらにクリエイターへ良質な音楽コンテンツのプラットフォームであることを知ってするべく、動画マーケティングなどを行い、認知拡大を図っていく。

また海外では、ストックミュージックサービス市場の高まりを受けて、類似企業が数百億円などの巨額な資金調達を果たすなども動きもある中で、Audiostockは和楽器を使った楽曲やアニメゲームの映像に合うものなど、日本ならではのコンテンツ需要がアジア圏を中心に高く、今後、海外向け定額制プランも提供する予定。海外シェア拡大のためにマーケティングを強化していく。

2: Audiostock システム強化のための開発費用
Audiostockで取り扱う音源数は70万点以上と充実してきている一方で、ユーザーが求める音源にどのように出会えるか、という点においてシステムに対する課題やユーザーの意見がある。より良い環境を作るためにAIなどのテクノロジーを活用するなどユーザーの利便性を高めるアップデートを目指し、システムの強化を予定している。さらに海外向けの定額制プランのシステム開発を行っていく。

3:良質な音楽コンテンツ獲得 / 制作のための費用
同社は、プロの奏者を迎えてスタジオで生演奏の収録をしており、高品質な生演奏BGMは人気コンテンツの1つ。今後はレコーディングコンテンツの拡充をする。また、著名人の音楽コンテンツの販売も視野に入れており、エンターテインメント性の高い著名人のコンテンツを積極的に配信する取り組みは業界的にも珍しいため、ユーザーへ他にない良質なコンテンツを届けられるよう、準備していく。

■ 出資者からのコメント
Susquehanna International Group(SIG)
此度オーディオストックに投資する機会を得たことに大変嬉しく思います。 同社が提供するサービスは日本国内のみならず、 今後海外での展開と成功も大いに期待しております。 代表の西尾様とチームがイノベーションを通じて、 クリエイターエコノミーの活性化とクリエイターの収益向上に助力することを期待し、 オーディオストックの今後より一層の活躍と成長に向けてサポートして参りたいと考えております。

株式会社セレス 
経営企画室 岩佐 琢磨 氏
セレスではインフルエンサーマーケティング領域やクリエイターエコノミー領域において、 事業・投資の両面で注力していますが、 その活動を行う中でYouTubeやTikTokにてオーディオストックがクリエイターから多数使用されているところを目にしてきました。 また、 サービス・事業展開を見る中で、 クリエイターから必要とされているサービスであることを強く感じました。 これから更にクリエイターから支持されるサービスとなっていくことを期待しています。

日本ベンチャーキャピタル株式会社
キャピタリスト 劉 宇陽 氏
2017年の初回投資から三回目の追加投資となりました。 事業の拡大に伴い、 新しい投資家も加え、 新たな事業展開を期待します。 アフターコロナ時代にふさわしい音楽の楽しみ方の事業アセットやグローバルでの事業展開などには大変期待し、 楽しみにしています。

株式会社ベクトル 
創業者・取締役会長 西江 肇司 氏
僕と同郷の岡山出身でストックミュージックビジネスを面白いと感じ、 出資しました。 今回の出資を通じて、 この優れたビジネスモデルを世の中に広めていきたいと思い、 お手伝いをしていきたいと考えています。

株式会社中国銀行 
ソリュ ーション営業部 部長   剱持 直紀 氏
オーディオストックは、 地元岡山発の”音楽×IT”のスタートアップ企業で、 テクノロジーの力で音楽の流通を革新することが期待されます。 また、 近年の動画広告市場の拡大を背景に、 ストックミュージック市場の更なる拡大も予想されます。
今後、 西尾社長を中心とした高い志をもったチームによる「誰もが安心して音楽を活用できる世界」の実現を期待するとともに、 地元金融機関として、 オーディオストックの更なる成長に向けて全力でサポートしてまいります。

HBCC Technology Investment
Executive General Partner   Joanna Cheung 氏
Audiostock platform is offering high-quality tracks to everyone including amateurs, video creators and game developers while benefiting music creators. This is all win working mechanism for all the parties involved.
The topic and platform are advanced and have important social significance. The project business model has proved being reasonable, feasible, and innovative. We are confident that the project will expand worldwide soon with more and more successful under the leading of its excellent and hardworking founders and teams members in the near future.

■ 代表取締役社長 西尾 周一郎氏のコメント
2013年にAudiostockをリリースした頃は、 今ほど動画コンテンツの盛り上がりもなく、 取り扱う音楽作品も少なかったため取引の拡大が進まず非常に苦労いたしましたが、 近年の動画コンテンツの需要増大に伴い構想していたものが少しずつ形になってまいりました。 海外の勢いのあるサービスも次々と登場しています。 日本発のサービスとして日本の音楽クリエイターが作品で収益化できる機会をさらに拡大するためにも、 国内では確固たる地位を築きつつ海外にも展開してまいりたいと考えております。

今回の資金調達による資金を有効に活用し、 音楽を使う人と音楽を作る人の双方にとってより価値のあるサービスを提供できるよう、 さらなるサービス強化に取り組んでいきたいと考えております。 また、 ショートムービープラットフォームTikTokとの提携により、 全世界のTikTokユーザーが1,000万件以上の動画でAudiostockの音楽を利用していただいていますが、 日本の優れた音楽クリエイターの作品の海外での活用の場をさらに広げるべく、 海外への展開もより強化してまいります。