AppLovinは、モバイルアプリ市場における4つのトレンド予測を発表した。また、 日本におけるモバイルアプリ市場のトレンドも併せて発表した。
<以下、プレスリリースより>
1.2022年はNFTがゲーム業界で大きく成長し、 中央集中管理型の仮想資産に代わり主流に
Applovinのゲーム部門責任者である、 キース・カワハタ は以下のように述べています。
暗号通貨、 NFT(非代替性トークン)、 Web3.0(主にブロックチェーン技術によって実現されようとしている新しいWebの世界)のインフラやプロトコルは、 ほぼ全ての業界にとって有望な分野と言えます。 近年、 暗号資産とゲームを組み合わせたplay-to-earn(ゲームで遊びながら稼ぐ)やオンチェーンでの仮想資産所有という新しいビジネスモデルが台頭してきました。 このようなビジネスモデルはまだ成長段階にありますが、 この分野への投資や関連事業は急激に拡大しています。
これまで見てきた新しいビジネスモデルやプラットフォームが辿った経緯と同じように、 暗号通貨も多くの人に認知され、 透明性が高まり、 普及していくと予想されます。 また多くの企業がplay-to-earn業界の中核になろうと企業間での競争があると予想され、 最初は多くのスタートアップや企業が誕生しますが、 時間の経過とともに統合、 標準化されていくでしょう。
NFTは、 ゲーム業界で大きく成長し、 中央集中管理型の仮想資産に代わり、 主流になるでしょう。 またこれにより、 ゲーム業界のプレイヤー、 クリエイター、 開発者は、 すでに分散型の方法で収益化やコラボレーションを行っています。 nonfungible.comによると、 2021年の第1四半期だけで20億ドル以上がNFTに費やされ、 2020年の第4四半期と比べると2,100%も増加しています。 2022年もこの成長は続くと思われ、 ゲーム業界が先陣を切って、 Web3.0のエコシステムの機能性を高め、 技術的な進歩を促していくことが期待されます。
2.コロナ終息後も伸びる領域は旅行、 フィットネス、 医療、 第二言語学習アプリ
最高マーケティング責任者(CMO)のケイティー・ジャンセン は、 以下のように述べています。
パンデミックから回復し、 活気あふれるクリエイターエコノミーの世界で、 マーケティングツールは変化と拡張を続けています。 消費者の行動、 特に生活のあらゆる場面で使える便利なモバイルアプリの利用と、 コンテンツ制作プラットフォームの普及が相まって、 マーケターがより簡単に収益化し、 的を絞って良質なユーザーを獲得する機会が増えています。
具体的には、 旅行、 フィットネス、 医療、 第二言語学習のアプリは、 パンデミック後もダウンロード数が伸び、 ユーザーの利用も増加し続けるでしょう。 Duolingoは、 独自の収益化手法を拡大することで、 95%のフリーミアムモデルでも利益が出るようになり、 上場しました。 Eコマースアプリは、 コロナ禍においてオンラインショッピングが人々にとって習慣になったことから、 マーケターが注目すべきもう1つの急成長中の分野です。 大手コンサルティング会社のMcKinseyによると、 2019年にオンラインショッピングを試した消費者の92%は今後もオンラインショッピングを続けるとしています。
また、 健康・フィットネスアプリは、 今後も人気が高まり、 多くの人々が魅力的に感じるようなアプリに進化していくものと思われます。 App Annie社の「モバイル市場年鑑2021」によると、 2020年には全世界で71,000以上の健康・フィットネス系アプリが誕生したと推定されています。 パンデミックにより、 『フィットネスはどこでもできる』という考えが広まり、 主流のアプリは、 アプリの選択肢を増やし、 オンライン講座での指導を通じてフィットネス愛好家にアプローチする方法を見つけました。 クラスを予約し、 ジムに行く必要があった時代は終わりました。 アプリの選択肢が増えたことで、 インストラクターは家で過ごしている多くの人々に、 10分から15分以内でできる、 より短くて手軽なエクササイズを提供できるようになりました。
3.ハイパーカジュアルゲームから、 より収益性の高いライフサイクルの長いゲームへと重点が移行
ビジネスソリューション・ゼネラルマネージャー、 イディル・キャナル は以下のように述べています。
多くのゲーム制作会社はハイパーカジュアルゲームから、 より収益性の高い、 ライフサイクルの長いゲームへと重点を移し、 幅広いマーケットに進出していくと考えます。 また、 広告とIAP(アプリ内課金)の2つの方法で収益化を目指すゲームアプリが増えると予想しています。 そうなると、 広告収益型のカジュアルゲームはIAP収益の向上に力を入れるようになり、 ミッドコアゲームやハードコアゲームは幅広いユーザーを獲得しようと努力するようになるでしょう。 また、 アプリの広告マネタイズにおいては、 今後もアプリ内ビディングへの移行が進むと予想されます。 そして、 それに伴って得られる、 下記4つのようなメリットも増えていくでしょう。
1)開発者の業務効率化
2)広告在庫の競争激化によるCPM(インプレッション単価)の上昇
3)収益化の向上によるUA(ユーザー獲得)戦略の戦力アップ
4)最終的には開発者とモバイルアプリのエコシステムの成長
4.モバイル開発者が代替決済手段への投資を拡大
グロース部門バイスプレジデント、 ジェローム・ターンブル は以下のように述べています。
2022年には、 モバイル開発者の代替決済手段への投資が拡大され、 ユーザーへ新たな決済手段利用を促すための割引サービスの提供が増加すると思われます。 この新たな決済手段を最初に取り入れるのは、 MMO(Massively Multiplayer Online:大規模多人数同時参加オンライン)、 戦略やカジノといったLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の高いゲームのトップユーザーでしょう。 普及するにつれ、 ユーザーはこのような割引サービスをあらゆるゲームで求めるようになります。 アプリ開発者が新たな代替決済手段で得た利益は、 ユーザー獲得のために再投資されるでしょう。
日本のモバイルアプリ市場について、 日本事業責任者 片木 智也 は以下のように述べております。
ハイパーカジュアルゲームに興味を持っている、 IAPゲームパブリッシャーの50%以上は、 日本市場への参入を試みていると予測しています。 一方、 日本のハイパーカジュアルゲームの既存のパブリッシャーは、 より持続的な収益を得るために、 ハイブリッドカジュアルゲームのようなRPI(Revenue per Install=LTV)の高いライフサイクルの長いカジュアルゲームに関心を示しています。