2022年1月から放送がスタートするTVアニメ『トライブナイン』の完成披露会が、東京都内で開催された。
本作はアカツキ×トゥーキョーゲームスのタッグが放つ、新IPプロジェクト。架空の東京23区を舞台に、各区に存在するアウトロー集団が、野球をベースにした “エクストリームベースボール”という決闘方法を用い、各々の威信を賭けた抗争をくり広げる、という物語だ。TVアニメに加えて、スマートフォン向けアプリの制作も発表されている。
今回のアニメ完成披露会には、トゥーキョーゲームスの小高和剛氏、監督を務める青木悠氏といったスタッフのほか、キャストの堀江瞬さん、渕上舞さんが登壇。さらに応援大使としてえなこさん、つんこさんも登壇するにぎやかなステージとなった。
アニメとゲームが大きな2つの柱を持つ『トライブナイン』について小高氏は、「新しいIPとして勝負するには独自性が大事」と、企画を立ち上げる際に考えたことを振り返る。続けて「独自性はパッと見で分からなくなりがちですが、そこをアニメで広く知ってもらえたら」とアニメの立ち位置を語った。
また小高氏によると、アニメとゲームは世界観こそ同じだが、まったく違ったストーリーが展開するという。そのため「アニメはアニメ、ゲームはゲームで楽しんでもらえるように」制作に臨んだという。
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小高和剛氏
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青木悠氏
本作が初監督という青木氏は、最初に小高氏から「野球だけど野球じゃない」と説明されたと明かす。加えて「誰も見たことがないアニメを作って欲しい」とのオファーを受けゼロからしっかり取り組んでいく決意を固めたと振り返った。
青木氏は「ゲームと一緒に歩んでいく作品ではある」と前置きしつつ、システム面のルールがあるゲームと違い、アニメ純粋に映像として楽しめるように作っていると述べる。野球知らない人が食わず嫌いにならないように、打った、走った、殴ったで勝敗が分かる作品に仕上げたという。
この言葉を受けた小高氏は、「ファールはあるのか、どうなったらアウトなのか」という原則のところから話し合い決めていったと振り返り、現実の野球とはかなり違うことをうかがわせた。
さらに青木氏は「絵コンテをすべて1人で描ききった」と制作時の状況を明かす。絵コンテは通常複数の人にお願いするものだが、キャラクターのブレ、世界観のブレを少なくするために1人で担当。「過酷ではあるものの、作品の濃度は増したのでは」と自信をのぞかせた。
これには小高氏も「説明もすごくスムーズだった」と二人三脚で作り上げていく手法を絶賛。そのおかげもあってか、放映前に全話完成している状態とのことで、「アニメ放送前に、こんなに気が楽なのは初めて」と笑顔を見せた。
続いてはキャスト陣、堀江さんが演じる白金ハルは、気弱でいじめられっ子の少年だが、持ち前の「目の良さ」と「俊敏さ」を武器に野球によく似た決闘に参加する。オーディションを振り返った堀江さんは、キャラクターのセリフと同時に「ご自身の声で喋ってください」というオーダーももらい「この作品は異質だな」と感じたとともに緊張のギアが上がったと振り返る。
素の声を聞かせてほしいというオーダーは青木氏によるもので、「キャストの声からインスピレーションを受けたかった」とその意図を明かす。その人の持っている個性をキャラクターに反映させたい思いがあったそうだ。
また堀江さんは「展開がとんでもなくて、笑っちゃうくらい」と笑顔で話すと、小高氏が以前手掛けた『アクダマドライブ』を引き合いに出し「『アクダマドライブ』にも出演して、ある程度身構えられていると思っていましたけど、まったく違う角度からきましたね」と驚きを隠さなかった。
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堀江瞬さん
続いて渕上さんが演じる有栖川さおりは、ハルも所属するミナトトライブの副リーダー。可憐な見た目とは裏腹に、神谷の豪速球を受け止めることができる優秀なキャッチャーだ。
渕上さんによるとオリジナル作品ということもあり、台本をもらうたびに展開を知り驚いていたと回想。週刊雑誌を買って、感想を語り合う感覚があったという。
オーディションのときも設定をあまり知らない状態で臨んだそうで、「ボールを取ったらぶちのめす」というセリフにはギャグなのか、生死をかけた戦いなのか分からなかったと笑ってみせた。
またスポーツのアニメと聞くと爽やかなイメージがあるが、キービジュアルが暗く、珍しいことにも言及。この話を聞いた堀江さんは、キービジュアルの雰囲気も「伏線になっているんですよね」と含みのある発言をしていた。
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渕上舞さん
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渕上さんが珍しいと語ったキービジュアル
また「『トライブナイン』に関連して今後やってみたいことは?」という質問が飛び出すと、渕上さんは「みんなでエクストリームベースボールやる?」と話し、堀江さんが「怪我なしじゃできないですよ!」とツッコミを入れる一幕も。
その堀江さんは「始球式をやってみたい」と話すが、今度は小高氏が「このアニメを見た野球関係者はオファー出さないと思います」と笑顔で返していた。
最後に堀江さんは「エクストリームベースボールで戦う中に、個人のドラマもあります」と魅力をアピール。自身が演じるハルに関しては、「1話では気弱なキャラクター」と語るが、「そんなハル君がどんな成長を遂げていくかも見どころのひとつです」と話した。
対して渕上さんは「ビジュアル、色使いも魅力」と語ると、ストーリー展開については「メインストーリーは分かりやすく、それでいて考察もできる内容になっています」と期待を高めるコメントを残した。
(C) Akatsuki Inc./トライブナイン製作委員会
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932