ゲームエイジ総研は、240万名のスマートデバイスのユーザーのログを自動取得し分析しているマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」を活用し、年末年始にアクティブユーザー数を大きく増加させた『ウマ娘 プリティーダービー』と 『LINE:ディズニーツムツム』の2タイトルにフォーカスし、施策内容とユーザー変動の分析を結果を発表した。
<以下、プレスリリースより>
■年末から年始にかけ、 モバイルゲームアクティブユーザー数は180万人増加
2021年12月20日~2021年12月26日までのモバイルゲームアクティブユーザー数は3,352万人。 その翌週2021年12年27日~2022年1月2日のモバイルゲームアクティブユーザー数は3,540万人と、 この1週間でアクティブユーザー数が180万人以上増加しました。
この期間、 数多くのアプリがアクティブユーザー数を拡大しました、 その中でも大きくアクティブユーザー数を伸ばした『ウマ娘 プリティーダービー』と『LINE:ディズニーツムツム』では、 いったいどのような施策が行われていたのでしょうか。
■『ウマ娘 プリティーダービー』は、 テレビCM、 無料ガチャを実施
『ウマ娘 プリティーダービー』は年末年始にかけて、 主にテレビCMと無料ガチャの2つの施策が行われていました。
特に、 12月27日~1月6日に行われた「1日1回10連ガチャ無料キャンペーン」は、 無料で最大100連ガチャを引くことができるという内容で、 12月26日に150万人程度であったアクティブユーザー数が、 翌27日には196.6万人と大きく増加していることがわかります。 また、 新規キャラクターの追加や新しいイベントが開始された12月31日には、 アクティブユーザー数は最大の234.8万人にまで増加しています。 【グラフ1.】
12月20日から吉田鋼太郎と中村倫也を起用したテレビCMを全国で放映しており、 27日からはCMの内容が変わり、 目玉施策である最大100連ガチャを押し出した内容となっていました。
無料ガチャの施策はSNSでも拡散され、 Twitter上には連日のように無料ガチャに関する多くのツイートが投稿されていました。 公式Twitterのリプライには、 「10連無料ありがてー!!」「サイゲさんありがとうございます」「なんだ何かと思ったら神か。 神いいいいい!!!!」など、 ユーザーたちから感謝の言葉が多くみられます。
また、 この施策の影響はアクティブユーザーの性/年齢構成の変化として表れました。 12月27週のアクティブユーザーは20代男性を中心とした構成でしたが、 12月27週に参加した【新規ユーザー】は、 40代以上の男性が目立ちます。 これは年末年始でテレビCMを見る機会が増えたこと、 また、 この世代に近い吉田鋼太郎を起用したことで、 ゲームに対して親近感が湧いたことなどが理由であると考えられます。 【グラフ2.】
■タレント起用でアクティブユーザー数を拡大した『LINE:ディズニーツムツム』。1週間でゲームに復帰したユーザーは100万人以上
一方、 『LINE:ディズニーツムツム』は2022年1月末に控えている8周年を記念した「華麗なる祝宴」というイベントが12月27日より行われました。 同時にこの日から、 若年層に人気のあるお笑い芸人EXITのりんたろー。 と兼近大樹が、 ツムツム好きな王子役として登場するテレビCMが1月9日まで放映されていました。 CM総合研究所の調べでは、 東京キー5局のCM放送回数は212回でした。
また、 EXITはゲーム内ランキングにも登場、 ゲーム外ではTwitterのフォロー&リツイートキャンペーンとしてEXITの「サイン入りチェキ」をプレゼントするなど、 EXITの二人を前面に押し出した施策が行われています。
さらに、 ゲーム内アイテムである「プレイチケット」が最大で88枚もらえるキャンペーンなどが行われており、 キャンペーンが開始された12月28日にはアクティブユーザー数が急増して355万人を超え、 それ以降も右肩上がりに増加。 12月31日にはアクティブユーザー数が400万を突破しました。 【グラフ3.】
これらの施策により、 12月27日~1月2日の期間に新規にゲームを始めたユーザーは28万人。 しばらくプレイしていなかったが、 この機会に復帰したというユーザーは105万人にも上ります。 特に復帰ユーザーについては施策の効果が顕著で、 12月27週のユーザーと12月27週の復帰ユーザーを比較すると、 男女共に若年層のユーザーが復帰したことがわかります。 EXITを起用した施策が若年層にリーチした結果といえるでしょう。 【グラフ4.】
両タイトルとも、 年末年始に増加する余暇時間を狙った大規模なプロモーションを実施しましたが、 それぞれ、 獲得したいターゲット層に合わせ、 異なったベクトルでアプローチをしたことがわかります。
人気シニア俳優の起用と無料ガチャを中心とした施策で、 比較的高年齢層の新規ゲームプレイヤーを拡大した『ウマ娘 プリティーダービー』。 そして若年層に人気の有名タレントを使ったCMで、 休眠ユーザーの復帰を促進した『LINE:ディズニーツムツム』と、 対照的な2タイトルでしたが、 それぞれの戦略がうまく作用し、 両者ともアクティブユーザー増を大きく拡大したことがわかりました。
アプリゲームでは、 獲得すべきユーザーをデモグラ構成やプレイヤー属性から仮説をたて絞り込み、 効果的なプロモーション戦略を実施することが重要になりますが、 今回取り上げたこの2タイトルも、 ターゲティングと施策がうまくマッチした成功事例と言えるでしょう。
会社情報
- 会社名
- ゲームエイジ総研