ブシロード、12月中間決算は営業益”977%増”の17億円 「ヴァイスシュヴァルツ」中心に海外TCGが「著しく伸長」 「スターダム」は過去最高売上に
ブシロード<7803>は、この日(2月14日)、2022年6月期の12月中間決算を発表し、売上高195億7400万円(前年同期比8.6%増)、営業利益17億0300万円(同977.9%増)、経常利益25億8100万円(同1493.3%増)、最終利益18億3700万円(前年同期は1億9100万円の損失)、EPS53.41円だった(前年同期比は前期上期との比較のため参考値)。
・売上高:195億7400万円(同8.6%増)
・営業利益:17億0300万円(同977.9%増)
・経常利益:25億8100万円(同1493.3%増)
・最終利益:18億3700万円(同1億9100万円の損失)
・EPS:53.41円
新型コロナの感染拡大リスクを避けたイベントを複数開催してエンターテインメントの活動を最大限展開するとともに、Bushiroad Internationalにおける海外売上が著しく伸長した、としている。また、J-LODliveなどの助成金を獲得したことにより営業外収益に助成金収入を計上し、経常利益も大きく伸びた。
各セグメントの経営成績は次のとおり。
1.デジタルIP事業
デジタルIP事業は、売上高148億2000万円、セグメント利益18億1200万円となった。
①TCG部門
四半期として過去最高の売上となった第1四半期に引き続き好調を維持しており、特に英語版の出荷をはじめとした海外の売上が伸長著しくなっている。
「カードファイト!! ヴァンガード」はテレビアニメ「カードファイト!! ヴァンガード overDress」の2期が2021年10月~12月に放送され、12月に発売したアニメ連動商品「覚醒する天輪」が好調な売れ行きとなった。また、2021年12月25~26日にベルサール新宿グランドで「10周年記念 ヴァンガード WGP(ワールドグランプリ)」を皮切りに、日本全国10か所で大会を開催している。
「ヴァイスシュヴァルツ」と「Reバース for you」は、2021年10月に大型リアルイベント「ヴァイスシュヴァルツ&Reバース presents ホロライブプロダクションフェスティバル」を開催、総来場者数は3,931名に上った。「ヴァイスシュヴァルツ」ではブースターパック「Marvel」や「ラブライブ!スーパースター!!」といった大型IP商品を多数発売した。
英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、「The Quintessential Quintuplets(五等分の花嫁)」が英語版「ヴァイスシュヴァルツ」として過去最高の売上を記録、英語版限定タイトルである「RWBY(ルビー)」も同程度の水準となり、日英ともに好調に推移した。
また、新たな展開としてCygamesとの共同制作となる新TCG「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」を発表した。
②ゲーム部門
第2四半期累計は『D4DJ Groovy Mix』「新テニスの王子様 RisingBeat」「ヴァンガード ZERO」の各タイトルがそれぞれ周年を迎え、好調な売上となった。しかしながらモバイルオンラインゲーム市場は引き続き競争過熱・競合過多の状況が続いており、2021年9月30日にリリースした「D_CIDE TRAUMEREI(ディーサイドトロイメライ)」も含めてゲーム部門全体としては軟調に推移した。
③MD部門
カプセルトイ事業の伸長により売上のベースが上がってきており、コロナ禍前の水準に戻りつつある。オリジナルカプセルトイブランド「TAMA-KYU(たまきゅう)」が柱として成長してきており、「切りたい麻雀牌」や人気シリーズ「事務的なはんこ」vol.4、「サウナイキタイ」とのコラボ商品となる「サウナキット」などがテレビやSNSメディアでも話題となった。また、他社IP「原神」「五等分の花嫁」のグッズも大きく寄与した。
④メディア部門
アニメ、BanG Dream!(バンドリ!)製作委員会などの配分収入や、ブシロードメディアの書籍・電子書籍などが伸長し、WEBマンガサイト「コミックブシロードWEB」で連載されている「マン・バイト 蒼空猟域」がAnimeJapanの「第5回アニメ化してほしいマンガランキング」にノミネートした。また、2021年10月27日、ブシロードムーブより新たな事業としてクレジットカード事業「ブシロードカード」を発表した。
2.ライブIP事業
ライブIP事業は、音楽部門、スポーツ部門の2部門が属している。ライブIP事業は、売上高47億5400万円、セグメント損失1億0200万円となった。
①音楽部門
第2四半期累計は名古屋センチュリーホールで開催したRoseliaの「Edelstein」、Zepp Yokohamaで開催したPhoton Maiden「1st LIVE First Contact」や「ARGONAVIS LIVE2021 COVER FESTIVAL」などライブを複数開催した。また、パッケージおよびストリーミング配信の売上も好調であり、ブシロードミュージックは全体として堅調に推移した。
一方、マスクプレイミュージカルの劇団飛行船は、幼稚園・保育園団体の独自基準による中止や制限が一定数あり、軟調な結果となった。
②スポーツ部門
「新日本プロレス」は、2021年9月から10月にかけて「G1 CLIMAX 31」を開催し、興行・グッズおよび動画配信サービス「新日本プロレスワールド」やアプリ「新日コレクション」等のコンテンツ売上が第1四半期と比較して好調に推移した。
女子プロレスブランド「スターダム」では、2021年10月9日に大阪城ホールで開催の「10th Anniversary GRAND FINAL OSAKA DREAM CINDERELLA2021 ~大阪めっちゃスターダム~」、2021年12月29日に両国国技館で開催の「STARDOM DREAM QUEENDOM2021」の2大会がいずれも売上に大きく寄与し、ブシロードファイトとして2四半期連続で過去最高売上高を更新した。
■2022年6月通期の見通し
続く2022年6月通期の業績については、売上高387億円(前期比-)、営業利益22億円(同-)、経常利益31億円(同-)、最終利益22億円(同-)、EPS68.27円を見込む。
・売上高:387億円(同-)
・営業利益:22億円(同-)
・経常利益:31億円(同-)
・最終利益:22億円(同-)
・EPS:68.27円
計画に対する進捗率は、売上高50.6%、営業利益77.4%、経常利益83.3%、最終利益83.5%となっている。
・売上高:50.6%
・営業利益:77.4%
・経常利益:83.3%
・最終利益:83.5%
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803