【決算まとめ②】ゲーム関連企業35社の10-12月は10社が営業赤字に KLabは『テイクレ』終了と『スクスタ』移管で立て直しへ ワンダープラネットは新作で浮上目指す
主要モバイルゲーム企業の2021年10~12月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の35社中、10社となった。前四半期は8社で2社増となる。この四半期に黒字転換を果たしたのはアピリッツで、同社は前四半期に『けものフレンズ3』の運営移管に関わる費用を大きく計上したことなどによる一過性の費用負担がこの四半期はなくなり、利益率が改善した形となる。
一方、前四半期の黒字から赤字となったのは、エイチーム<3662>とKLab<3656>、ワンダープラネット<4199>の3社となる。エイチーム<3662>とKLab<3656>は、既存のヒットタイトルの漸減をカバーするような新作の開発がうまくいっていないというのが率直な印象だ。
特にKLabは、『テイルズ オブ クレストリア』は2月7日付でサービス終了を終了、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』はパブリッシャーがブシロード<7803>に1月から変更となり、運営もマイネットゲームスに移るなど、仕切り直しを進めており、次の四半期で変化の兆候が見受けられるのかどうかに関心が募る。
ワンダープラネットも主力2タイトル『ジャンプチ ヒーローズ』と『クラッシュフィーバー』が国内外合計で想定を下回るなど苦しい状況が続いている。ただ、受託開発案件である『テクノロイド』が1月21日にサイバーエージェント<4751>からリリースとなったことで次の四半期は一定の売上が寄与してくるものと思われる。また、今夏配信予定の自社タイトル『アリスフィクション』が国内外でクローズドβテストの段階まで開発が進んでおり、新たな柱となり得るのか注目されるところだ。
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656
会社情報
- 会社名
- 株式会社アピリッツ
- 設立
- 2000年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員CEO 和田 順児
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高84億2700万円、営業利益5億9900万円、経常利益5億9600万円、最終利益3億8600万円(2024年1月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4174
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199