【決算まとめ③】ゲーム関連企業35社の10-12月…サイバーエージェントは年間通して『ウマ娘』が寄与 『まおりゅう』貢献のグリーは『ヘブバン』で次の期待も
主要モバイルゲーム企業の2021年10~12月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回の記事では10~12月期の決算シーズンの主要モバイルゲーム企業の決算を前年同期比較でまとめてみたい。
ちなみに前四半期比較と同様にエイチーム<3662>とgumi<3903>、coly<4175>の決算は8~10月期の数字を使用している。また、ブシロードは前期に6月期決算に決算期を変更したため、比較対象となる前年同期数字は11~1月期のものとなる。
なお、前回と同様にネクソン<3659>はモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。
前年同期比較では、引き続き『ウマ娘 プリティーダービー』(以下『ウマ娘』)が大きく寄与しているサイバーエージェント<4751>の好調ぶりが目立っている。ただし、『ウマ娘』は、2021年2月24日がリリース日であり、次の四半期からは高い数字の前年実績値が比較対象となることは留意しておきたい。
また、バンダイナムコエンターテインメントとの共同タイトル『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』(『まおりゅう』)が寄与したグリー<3632>も大幅な増収増益となっている。グリーは、子会社WFSのWright Flyer Studiosが2月10日にリリースした新作『ヘブンバーンズレッド』(『ヘブバン』)も好スタートを切っており、次の四半期も好調な業績推移が期待される。
厳しい状況が目立っているのは、gumiだろう。この四半期は増収ながらも10億円近い営業赤字を計上した。新作の『乃木坂的フラクタル』と『ラグナドール』が業績に寄与したものの、自社タイトルの比重増加に伴う利益率低下や、新作開発に伴う外注費の増加、大規模プロモーションに伴う広告宣伝費の増加が負担となった。なお、同社はモバイルゲームの収益改善のため『ブレイブ フロンティア』シリーズの終了なども打ち出しており、今後収益改善に進んでいくのかどうかが注目されるところだ。
enish<3667>も好転の兆しを見せた前年同期から大きく収益が悪化した。『欅のキセキ/日向のアユミ』と『HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD』のサービスを終了したことによる影響に加え、9月に配信開始した新作『彼女、お借りします ヒロインオールスターズ』(以下『かのぱず』)の不振で、その穴をカバーすることができなかった格好だ。その一方で、NFTゲームへの参入が決定したほか、「ゆるキャン△」初のスマホゲームの開発も発表するなど、次を見据えた展開も動き出しており、その状況をしっかりと見守りたい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667