KLab<3656>と九州大学情報基盤研究開発センター附属汎オミクス計測・計算科学センターは、『機械学習を用いた新しいゲーム体験の創出』についての共同研究を開始することを明らかにした。機械学習と楽しさの数理モデルを作ることで、1人1人のユーザーに合わせてゲームを提供し、何度遊んでも新鮮なゲーム体験が楽しめるようにするとのこと。
同社と九州大学櫻井大督研究室は2021年3月から約1年間にわたり、機械学習を用いたリズムアクションゲームの譜面制作支援システムについての共同研究に取り組んだところ、九州大学のスーパーコンピュータITOを用いて譜面生成モデルを改良し、既存の論文で報告されている最高精度を約10%上回るなどの成果を得ることができたという。
今年度は、KLabと櫻井研究室の本共同研究の体制のもとでさらに発展した研究を進めるため、新しいゲーム体験の創出に焦点をあてた共同研究を実施していくとのこと。
共同研究の背景
近年、ゲーム業界ではAIの活用がさかんになっており、これまでも囲碁や将棋などでプレイヤーに勝つためのAIが活発に研究されてきたが、エンタテインメントとしてのゲームで必要とする、プレイヤーを楽しませるAIについてはまだ研究が進んでいない。
KLabではすでにモバイルオンラインゲームの開発・運営における様々な場面にAI技術を利用してきており、また同時に、クリエイティビティに富んだ楽しいゲームを作り上げることができるよう、AIによるコンテンツ制作支援を進めている。
しかし、プレイヤーを楽しませるAIを作るためには、楽しさという感覚的な概念を数学的にモデリングする必要がある。
共同研究を実施する九州大学櫻井研究室は、データ解析の数理に関する研究に実績があり、機械学習を用いたコンテンツ生成にも取り組んでいる。本共同研究では、より豊かなユーザー体験を創出するゲームAI技術の開発を目指す。
研究テーマ『機械学習を用いた新たなゲーム体験の創出』について
より変化に富んだ楽しいゲーム体験を提供するために、ゲームAIに機械学習を導入する技術を開発する。本共同研究では、これらの性質を備えた機械学習手法を開発することを目指し、社内で開発中のデモアプリに搭載して効果を検証する。
ユーザ体験をより豊かにするAI技術の研究
プレイヤーとともに上達するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)や、それぞれのユーザーに違った雰囲気で話しかけてくれるキャラクターなど、ユーザーのゲーム体験を豊かにするAIの形は様々。AIにはモバイル端末で動作するための高速性も求められる。
本共同研究では、これらを一貫した方法で扱える数理モデルと機械学習アルゴリズムの開発を目指す。これにより、一人ひとりのユーザーにあわせた、何度遊んでも新鮮なゲーム体験の実現が期待されるという。
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656