日本暗号資産ビジネス協会は、8月1日、改正資金決済法における論点に関する、実務者から見た望ましい方向性についてアンケートを実施、その結果を公開した。
「ステーブルコイン」は、主に裏付け資産を持つことで 1ドル=1コインのように法定通貨と価格が連動する。
海外で発行されるパーミッションレス型(発行者による特段の制限なく、ブロックチェーン等を通じて不特定者の間で転々流通す
る)のものを主流とし、その時価総額は1450億ドルを超えている[1]
[1] CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/view/stablecoin/
日本においても、ステーブルコインに関する法整備として2022年6月3日に資金決済法、銀行法、、犯罪による収益の移転防止に関する法律等の改正が成立した。
しかし、取り扱いに向けたより実務的な規制体系の全体像は、内閣府令からなる下位法令や監督指針及び事務ガイドラインの策定により明らかとなる。
そこで同協会のステーブルコイン部会では、改正法を踏まえたステーブルコインの取り扱いに関する実務的なニーズや論点について、会員企業に対してアンケートを実施した。
アンケートの実施概要
■ 開催日時 : 2022 年 6 月 14 日(火)14:00-15:00 第6回ステーブルコイン部会会合にて
■ 開催場所 : オンライン開催(zoom)
■ 調査方法 : zoomの投票機能を用いた調査
■ 調査項目:設問は、事業者が実務上の問題と考える4つの論点を提示、回答の選択肢は、1⇒3(又は4)の順に厳しい規制のレベル感となっている。
■ アンケート参加数
・参加人数 : 52人。参加社数 : 24社。
・各設問の答者数:設問1:22名、設問2:18名、設問3:16名、設問4:18名
設問内容
①アンホステッド・ウォレット(unhosted wallet)との取引がどこまで許容されるか?
➁海外発行SCを国内の仲介者(電子決済手段等取引業者)が取り扱う場合、国内の仲介者に対してどのような利用者保護が求められるか?
③海外発行SCを国内の仲介者(電子決済手段等取引業者)が取り扱う場合、国内の仲介者が顧客から金銭の預かりができない場合、ビジネスにどのような障害が生じるか?
④海外発行SCを国内の仲介者(電子決済手段等取引業者)が取り扱う場合、国内の仲介者が海外に所在する発行者と契約を締結することが求められる場合、ビジネスにどのような障害が生じるか?
改正資金決済法に関するアンケート結果の公表(PDF)
https://cryptocurrency-association.org/news/main-info/20220801-001/
■ステーブルコイン部会について
活動内容:ステーブルコインの法的整理や資産性の判断といった業務的観点、価格安定のメカニズムに対する信頼の観点、さらには、利用者保護、AML/CFT といった様々な観点から議論を進め、暗号資産関連事業者のビジネス環境整備を図り、我が国における暗号資産ビジネスの健全な発展に寄与することを目指して活動。
2021年4月にデジタルマネー分類表を、 2021年11 月に「日本におけるステーブルコインの制度設計の在り方について」を、2022年1月に「ステーブルコイ ンの海外での議論の動向に関する翻訳資料」を公表。
運営体制:
部会長 :白石 陽介 株式会社 HashPort 社外取締役 株式会社 ARIGATOBANK 代表取締役 CEO
副部会長 :安達 知可良 EY 新日本有限責任監査法人 金融事業部 アシュアランスイノベーション本部 アソシエートパートナー
幹事 :辻 和幸 株式会社HashPort 取締役CBDO、株式会社HashBank 代表取締役CEO
幹事 :飯盛 美季 株式会社 HashPort アドバイザー
法律顧問 :河合 健 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー
法律顧問 :佐野 史明 片岡総合法律事務所 パートナー
部会のページ:https://cryptocurrency-association.org/subcommittee/stablecoin/
敬称略