スクエニHD、ブロックチェーン領域の進捗着々 今冬『資産性ミリオンアーサー』のゲームコンテンツ追加、「ZEBEDEE」「BLOCKLORDS」「Cross The Ages」など新規投資先も明らかに



スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、11月7日、23年3月期第2四半期の決算説明資料において、「ブロックチェーン・エンタテインメント」領域の進捗や新規投資案件に関して明らかにした。



まずは進行中のプロジェクトについてだ。2021年10月に開始した『資産性ミリオンアーサー』は、doublejump.tokyoとの共同開発を行っている。2022年8月に第4弾を発売、10月にはミリオンアーサー10周年アニバーサリーセットが完売するなど好調のようだ。これまで累計10万枚のNFTを発行している。今月(11月)14日からは第五弾の発売も予定している。



今冬には『資産性ミリオンアーサー』内でゲームコンテンツを追加する予定だ。

※『資産性ミリオンアーサー』は、LINE NFT上で動作しており、購入の際には、登録と運用が複雑な暗号資産ウォレットを利用しない。暗号資産やブロックチェーンの初心者でも、非常にとっつきやすいという特徴がある。



続いては、先日発表した新規IPによる同社初のNFTコレクティブルアートプロジェクト『SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)』だ。

『SYMBIOGENESIS』は、多数のキャラクター(NFTコレクティブルアート)が共生する独立した世界のなかでプレイヤー同士の戦略的行動と物語の考察を楽しむ、新しいエンタテインメントコンテンツとしている。

購入したアートのSNSアイコン利用(PFP)や専用コミュニティでの交流のほか、NFTコレクティブルアートをキャラクターに見立てて展開するゲーム性の高さもプロジェクトの特徴だという。プレイヤーは荒廃したハイファンタジー世界に降り立ち「独占と分配」をテーマに設計されたミッションを通じて世界の秘密に迫る謎解きに挑戦するというコンテンツだ。




続いては投資先の選定方針や投資のビークルの多様化としてCVCの設立を検討中だ。また海外法人設立に関しても、進捗があった。Web3.0事業整備のため詳細を詰めているようだ。

※ブロックチェーン分野では日本国内の税制の問題等により、Web3事業を行う際には、シンガポールなど海外法人を設立する事業者が多い。



また同分野への新規投資先も明らかになった。

1つ目は米国のZEBEDEE。プログラムが可能な簡易ペイメントをゲーム等に統合できる。公開中のモバイルアプリでは、ゲームがプレイできる他、ビットコインを利用したeスポーツイベントへの参加。またウォレット機能も搭載しており、ビットコインの総重心もできるようだ。同機能においては、ブラウザの拡張(chrome、Firefox)も用意しているとか。


2つ目はWeb3ゲーム『BLOCKLORDS』でユーザー参加型の中世を舞台としたオンライン戦略ゲーム。

3つ目はNFTカードゲームの『Cross The Ages』。さらにクラウド分野において、クラウドゲームサービスを運営するフランスのレンヌを拠点とするBlacknutにも投資を行っている。

▲こちらについては、すでに開示済みの内容。ブロックチェーンゲーム開発やNFT分野への投資を行うアニモカ・ブランズは2022年7月の段階で59億ドル、当時の円換算で8000億円近くの評価となった。メタバースを構築する『The Sandbox』も2020年3月の段階で出資を行うなど、以前より積極的だった。『The Sandbox』は日本国内でもデジタルハリウッドでクリエイター講座が開かれている。なお複数の教室において、即座に定員に達するなど人気となっているようだ。<関連記事>

なお2022 年3月期 アニュアルレポートでは、同社の重点投資領域として、AI、ク ラウド、ブロックチェーンを「中期業績目標および事業戦略」 で掲げている。

これまでの中央集権型ゲームとは異なり、ブロックチェーンゲームは多様な動機を持つユーザーがゲームに参加し、主体的にゲーム世界を構築し、運営する分散型ゲームと定義。従来型のゲームに加えて、同グループの新しい事業領域として 取り組む価値があると考えている」と説明している。

株式会社スクウェア・エニックス
https://www.jp.square-enix.com/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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