ブシロード<7803>は、本日(11月14日)、第1四半期(22年7月~22年9月)の連結決算を発表し、売上高123億4000万円(前年同期比17.7%増)、営業利益8億6700万円(同34.4%減)、経常利益11億8600万円(同28.9%減)、最終利益6億4300万円(同43.4%減)だった。
・売上高:123億4000万円(同17.7%増)
・営業利益:8億6700万円(同34.4%減)
・経常利益:11億8600万円(同28.9%減)
・最終利益:6億4300万円(同43.4%減)
引き続きTCGユニットが業績を牽引し、第一四半期として過去最高の売上となった。その一方、利益面では、デジタルコンテンツユニットで先行投資として複数のゲームを開発中のため研究開発費が増加した。また、世界的な経済活動の再開に伴って国内・海外ともリアルイベントを多数開催していることによるイベント関連費用と物流費等の増加も影響し、前年同期比で減益となった。こうしたなか、スポーツ&ヘルスケア事業や劇団飛行船が黒字に転換した。
1.エンターテイメント事業
エンターテイメント事業は、売上高107億7200万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益8億3200万円(前年同期比41.2%減)となった。
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
TCGユニットは四半期として過去最高の売上となった。
「ヴァイスシュヴァルツ」ではトライアルデッキ「Monsters, Inc.」「Cars」、カムバックブースター「STAR WARS」といった世界的IPの商品を多数発売した。また、2022年9月の戦略発表会で「アズールレーン」など多数のタイトルの参戦を発表した。
「カードファイト!! ヴァンガード」ではアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」の最終回に合わせて、ブースターパック「烈火翠嵐」を発売した。
「Reバース for you」では新日本プロレスのトライアルデッキ6種類とブースターパック第2弾を、プロレス大会G1CLIMAX32の開幕日である7月16日に合わせて同時発売した。「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」では初のコラボパック「ウマ娘 プリティーダービー」を発売した。
②デジタルコンテンツユニット
『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』では「結城友奈は勇者である-大満開の章-」とのコラボイベントを、「D4DJ Groovy Mix」では「NieR:Automata」とのコラボイベントを行った。「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」は2022年9月に3周年を迎え、記念の施策を多数行った。
また、2022年9月にベルサール秋葉原で開催したスクフェスシリーズ感謝祭2022で、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2MIRACLE LIVE!」の制作決定を発表した。
③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属している。
英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、日本語版でも人気を博した「The Quintessential Quintuplets2(五等分の花嫁∬)」や、英語版限定タイトルとなる「Attack On Titan: Final Season(進撃の巨人 The Final Season)」などを発売した。英語版「カードファイト!! ヴァンガード」では「V Clan Collection Vol.5」・「V Clan Collection Vol.6」や、コラボ商品の「Record of Ragnarok(終末のワルキューレ)」・「SHAMAN KING」を発売した。
デジタルコンテンツにおいては、英語版「ヴァンガードZERO」がアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」の放送に支えられ堅調に推移した。英語版「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」では「ホロライブプロダクション」とのコラボイベントを実施した。
④ライブエンタメユニット
ブシロードミュージックでは、舞台 Lyrical Lily「千リ!の道も一歩から」をはじめ、アサルトリリィSummer LIVE「voller Blüte」や「BanG Dream!10th☆LIVE」など、多数の音楽ライブ・舞台を開催した。
劇団飛行船では、「デリシャスパーティプリキュア ドリームステージ♪」の公演を2022年7月より開催し、公演・物販ともに好評を博している。前の期では新型コロナウイルス感染症の影響を色濃く受けていたが、単体では四半期として過去最高の売上高を記録、営業利益としても黒字転換した。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
売上については、2022年9月に有明アリーナで開催した「BanG Dream!10th☆LIVE」をはじめ、ライブグッズ売上が回復傾向にある。一方、利益面では、カプセルトイを中心に海外で製造している製品において、円安や輸送費・材料費の高騰が大きく影響を受けている。
また、中期計画達成に向けてカプセルトイを始めとした立体物制作の内製化を進めており、制作速度の向上やコスト低減を図っている。
⑥アドユニット
ブシロードムーブでは、グループ外部の案件増加により売上が大きく伸長した。特に中国クライアント事業と他社アニメプロデュース事業が牽引し、第1四半期はグループ外売上比率が40%を超えた。企画・キャスティング・楽曲&MV制作・運営・配信を一貫して行った「Identity V 第五人格」の4周年リアルイベントや、東京ゲームショウ2022において企画・製作・運営を行った「ハリー・ポッター:魔法の覚醒」の試遊ブースはともに盛況のうちに終了した。
また、「黒の召喚士」や「組長娘と世話係」などの他社アニメの放送枠、プロモーション、音響も出資により委員会に参画することでプロデュース側に立っており、利益率が高い仕事に昇華することが出来ている。
2.スポーツ&ヘルスケア事業
売上高15億6800万円(前年同期比33.9%増)、セグメント利益3400万円(前年同期はセグメント損失9400万円)となった。
新日本プロレスリングでは2022年7月16日から同年8月18日にかけて、「G1CLIMAX32」を開催した。シリーズ全20大会合計の動員数は前年秋に開催した同シリーズから約70%増となり、観客動員数は回復傾向にある。
女子プロレスブランド「スターダム」では2022年7月30日から同年10月1日にかけて全21大会の「5★STAR GP2022」を開催し、シリーズ合計で1万8998名を動員した。2022年9月8日には、女性ファン向けトークイベント「あつまれスタジョ! Vol.1~AphroditE編~」を開催するなどファン層の開拓にも積極的に取り組んでおり、ブシロードファイトとして4四半期連続で過去最高売上高を更新した。
フィットネス事業を展開するブシロードウェルビーでは小中高生向けのプロレストレーニング講座を開催するなど、グループ間のシナジーを生かした新たな取り組みを行っている。
■2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績は、売上高500億円(前期比19.1%増)、営業利益35億円(同3.2%増)、経常利益35億円(同31.5%減)、最終利益23億円(同34.4%減)、EPS0.00円を見込む。
・売上高:500億円(同19.1%増)
・営業利益:35億円(同3.2%増)
・経常利益:35億円(同31.5%減)
・最終利益:23億円(同34.4%減)
・EPS:0.00円
計画に対する進捗率は、売上高24.7%、営業利益24.8%、経常利益33.9%、最終利益28.0%となっている。
・売上高:24.7%
・営業利益:24.8%
・経常利益:33.9%
・最終利益:28.0%
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803