data.ai、「モバイル市場年鑑2023」 を発表 マクロ経済の影響でモバイル消費は初の減少 ゲームはDL増加も消費支出は5%減の1100億ドル

米data.aiは、2023年1月11日(現地時間)、レポート 「モバイル市場年鑑2023」を発表し、2022年のモバイルアプリの需要は引き続き拡大した一方で、消費者支出が減少したことを明らかにした。

2022年のモバイルアプリのダウンロード数は、前年比11%増の2550億ダウンロード、モバイルアプリに費やした時間は前年比で9%増加し、過去最高の4.1兆時間となった。その一方で、中国のサードパーティAndroid市場を含むアプリストア全体の消費者支出は、世界経済の停滞による消費意欲低下のあおりを受け、前年比2%減の1670億ドル(21兆5167億円)となった。

この状況に対して、data.aiの最高経営責任者であるセオドア・クランツは、「マクロ経済の影響を受けて、昨年はこれまでで初めてモバイル消費に落ち込みが見られました。モバイルに対する需要は引き続き好調であるにも関わらず、消費者支出は縮小している状況です。そのため、2023年はモバイル業界にとって、消費者とのタッチポイント、エンゲージメント、およびロイヤルティーの真価を問われる未曾有の一年となるでしょう」と述べている。

また、TikTokに代表するショート動画アプリは昨年、非常に大きな成長を遂げた。これらアプリのユーザーは毎日32億時間相当の動画を作成して配信した。これは前年比で25%の増加であり、金額にすると60%増の57億ドル(7344億円)で、クリエイターエコノミーを大きく活性化した。

本レポートの主な注目ポイントは次の通り。

 

・2022年に消費者がモバイルに費やした時間は、上位10位内の市場(上位から中国、インド、米国、ブラジル、インドネシア、パキスタン、ロシア、フィリピン、メキシコ、ベトナム)において、前年比4%増の1日当たり5.1時間となった。
・OTT(オーバー・ザ・トップ:インターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービス)(NetflixやDisney+を含む)の2022年の消費者支出は、前年比15%増の73億ドル(9407億円)に達した。
・モバイル広告に対する支出は、TikTokやYouTubeといったショート動画および 動画共有アプリの成長に牽引され、2023年には3620億ドル(46兆6527億円)に達する見込み。
・ゲームアプリの消費者支出は前年比5%減の1100億ドル(14兆1843億円)となったが、ダウンロード数は前年比8%増加し、過去最高の890億ダウンロードを記録した。
・その他のアプリ(非ゲームアプリ)の消費者支出は、主にOTT、マッチング、ショート動画アプリの成長に牽引され、前年比4%増の570億ドル(7兆3441億円)に達した。また、ダウンロード数は前年比13%増の1650億ダウンロードとなった。
・シュミレーションドライブ、ハイパーカジュアルシュミレーション、シュミレーションスポーツを含むシュミレーションゲームのジャンルは前年比でダウンロード数が増加した。アクションMOBA および ローグライクアクションRPGゲームは、支出が減少しつつある中でも成長を見せた。
・先行きの見えない経済状況から、消費者のリスクに対する意識の変化が窺えた。米国では、暗号取引および 投資アプリのダウンロード数が前年比で50%減少した一方で、個人ローンアプリのダウンロード数が急増し、前年比87%増となった。
・消費者が価格に敏感になったことで、支出の優先順位に変化が見られた。BNPL(後払い)アプリのダウンロード数は前年比56%増、クーポン/特典アプリは前年比28%増、予算/費用トラッカー は前年比22%増となった。
・消費者が支出に慎重になる中でも、旅行や語学習得 に関するニーズが再燃しBooking.comやAirbnb、Duolingoなどのアプリが成長を見せた。


本レポートでは、data.aiが提供する分析ツール「Game IQ」および「App IQ」で25万ものアプリを分類することにより可能となった、属性とアプリ、ゲームカテゴリについて深く掘り下げるとともに、大手ブランドやアプリパブリシャーのためのマクロトレンドや、ゲーム、フィンテック、小売り、ソーシャルメディア、動画配信等の分野の成熟したアプリにとって、“成功した状態"とはどのようなものであるかを明らかにしているという。


レポートの全文は下記のリンクより参照してほしい。
https://www.data.ai/jp/go/state-of-mobile-2023/

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