Unityは、「Unityゲーミングレポート2023」を3月14日に発表し、2022年は経済の逆風にさらされたものの、ゲーム業界の創造性と革新性は堅調であったことを明らかにした。
本レポートは、あらゆる規模のスタジオがゲーム制作の複雑さを乗り越えられるようサポートするためにゲーム開発の現状に関する新鮮で実用的な洞察を提供する。データはリアルタイム開発プラットフォーム「Unity」と、モバイル、PC、コンソールゲームまでを一貫してカバーするソリューションである「Unityゲーミングサービス」から取得されたものを用いて、ゲーム業界全体に関する独自の見解を示している。
今年のレポートでは、世界中で非常に人気のあるソーシャルゲームの大手開発会社であるZynga、人気のモバイルヒット作『マーベル・スナップ』を開発した受賞歴のあるスタジオSecond Dinner、高い評価を受けたMMO VRゲーム『Zenith: The Last City』を開発したRamen VRなど、複数の著名スタジオからの見解やアドバイスを新たに掲載した。
「Unityゲーミングレポート2023」は、2022年に経済的な変化や課題が発生した一方で、ゲーム開発者やゲーム業界全体が回復力と強さを見せたことを紹介している。開発者は、効率化、最適化、発売後の取り組みに注力した。ほとんどの小規模スタジオは、12ヶ月以内にゲームをリリースしており、なおかつ労働時間を短縮しながらそれを実現している。
また、スタジオはその規模に応じて、異なるプラットフォーム投資戦略を取っていた。大規模スタジオでは、マルチプラットフォームやクロスプラットフォームの開発が前年比で増加したが、小中規模のスタジオの大部分(90%)は単一プラットフォームでの開発を選択した。すべての規模のスタジオで一貫しているのは、発売後のサポートを優先することであり、開発者は既存のプレイヤーベースをより長く維持するために注力し、ゲームの寿命は33%延長されている。
将来について、「Unityゲーミングレポート2023」では、クリエイターの生産性を高め、ゲーム制作に必要な時間とリソースを節約するために、ジェネレーティブAIが開発プロセスにさらに関与するようになると予測している。
▼Unity Create部門担当SVP兼GM Marc Whitten氏コメント
「厳しいマクロ経済環境の中で、素晴らしいゲームを作り続ける開発者コミュニティの情熱、創意工夫、執念を目の当たりにして、感動しています。Unityでは、この不確実な時代において、クリエイターがビジョンを実現するためのサポートを続けていきます。トラブルシューティングに費やす時間を減らし、ゲームの開発、運用、拡大にもっと時間をかけられるよう、開発プロセスの効率化と最適化を支援する最高クラスのツールやソリューションを備えたプラットフォームを提供することに全力を尽くします」
■「Unityゲーミングレポート2023」の主要な調査結果
・小中規模のスタジオでは、ゲームのリリースまでの期間が早く、労働時間が短いため、効率性が重要である - インディーズの62%が1年以内にゲームを出荷し、小中規模のスタジオ全体で、労働時間が平均で1.2%短縮されている(短縮分は開発者1人当たりの5年分の総労働時間に相当)。
・投資を最適化するため、スタジオはその規模に応じて、開発するプラットフォームの数を戦略的に決めている - 小規模スタジオの90%近くが単一プラットフォームでリリースしている一方、大規模スタジオは2022年に制作したマルチプラットフォームのゲーム数を2021年と比較して16%増加させている。また、大規模スタジオの88%はクロスプラットフォームに投資している。
・開発者は既存ゲームの寿命延長とプレイヤーの囲い込みに注力している - モバイルゲームの寿命は昨年比で33%増加した。50人以上のスタジオの約84%が、6ヶ月以上ゲームを更新しています。
Unityは、2023年のGame Developers Conferenceにおいて、「ゲーミングレポート2023」に掲載された開発者によるクリエイターラウンドテーブルを開催し、エンドツーエンドのゲーム開発、マネタイズ、運営の現状と将来について業界リーダーが業界動向について議論する予定だ。
▼「Game Developers Conference 2023」
https://unity.com/events/gdc2023
なお、本レポートは以下より無償でダウンロード・閲覧できる。現在は英語版のみを公開しているが、後日、日本語版も公開する予定だ。
▼「Unityゲーミングレポート2023」
http://create.unity.com/gaming-report?exp=2023