コーエーテクモ、23年3月期決算は営業益13%増の391億円と過去最高 パッケージ堅調、リピート想定上回る 『ライザのアトリエ3』全世界29万本販売
コーエーテクモホールディングス<3635>は、本日(4月24日)、2023年3月期(22年4月~23年3月)の連結決算を発表し、売上高784億1700万円(前の期比7.8%増)、営業利益391億3300万円(同13.3%増)、経常利益398億9900万円(同18.1%減)、最終利益309億3500万円(同12.5%減)と増収・営業増益で着地した。売上高と営業利益は過去最高となった。
・売上高:784億1700万円(同7.8%増)
・営業利益:391億3300万円(同13.3%増)
・経常利益:398億9900万円(同18.1%減)
・最終利益:309億3500万円(同12.5%減)
業績予想に比べて、売上高を14億1700万円、営業利益を51億3300万円、経常利益を88億9900万円、最終利益を74億3500万円上回った。同社では、パッケージゲームが概ね計画通りに推移したほか、高採算のリピート販売が計画を上回った、としている。また有価証券償還損を計上したものの、デリバティブ評価損の戻入などで経常利益と最終利益も予想を上回った。
また前の期との比較でみていくと、パッケージゲームでは『WILD HEARTS』『Wo Long: Fallen Dynasty』を発売し、メタクリティックで高評価を得た、としている。スマートフォンゲームでは、既存タイトルが安定して利益貢献したほか、新作『信長の野望 覇道』を配信開始した。営業外収支においては、戦略的にポートフォリオの組み替えを行い、厳しい金融環境の影響を受ける中、黒字を確保したという。
セグメント別の状況は以下のとおり。
■エンタテインメント事業
・売上高:739億1700万円(同7.4%増)
・営業利益:384億7500万円(同13.7%増)
「シブサワ・コウ」ブランドでは、12月に配信開始したスマートフォンゲーム『信長の野望 覇道』がApp Storeセールスランキングで5位に入るなど、好調。3月には『Winning Post10』(PS5、PS4、Nintendo Switch、Windows(Steam)用)を国内で発売し、販売本数は7万本となった。3月には、40周年を迎える「信長の野望」シリーズの記念番組を放映し、『信長の野望・新生 with パワーアップキット』等の新作タイトルや記念施策を発表した。
「ω-Force」ブランドでは、エレクトロニック・アーツ社と共同で開発・販売を行うハンティングアクションゲーム『WILD HEARTS』を全世界で2月に発売した。
「Team NINJA」ブランドでは、「三国志」をテーマにしたダークアクションRPG『Wo Long: Fallen Dynasty』を3月に全世界で発売した。
「ガスト」ブランドでは、2月にスマートフォン/PC向けゲーム『BLUE REFLECTION SUN/燦』を国内で配信開始した。3月には『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』(PS5、PS4、Nintendo Switch、Windows(Steam)用)を全世界で発売し、29万本の販売となった。
「ルビーパーティー」ブランドでは、配信中の『金色のコルダ スターライトオーケストラ』において国内版2周年のゲーム内イベントを実施した。
「midas」ブランドでは、位置情報を活用した新規スマートフォンゲーム『信長の野望 出陣』を、「シブサワ・コウ」ブランドと共同で開発中であることを発表した。
上記ブランド以外では、『零 ~月蝕の仮面~』(Nintendo Switch、PS5、PS4、Windows(Steam)用)を3月に全世界で発売し、販売本数は12万本となった。
IP事業においては、国内及びアジア各地域で配信中の『三国志・戦略版』(国内では『三國志 真戦』)が、引き続き高水準で推移した。新規タイトルとして、2月に『LINE:モンスターファーム』、3月に『三国志・戦棋版』、『大航海時代 Origin』が配信開始した。また、シリーズ累計販売本数160万本を突破した『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』のTVアニメ化(2023年夏放映予定)を発表した。
■アミューズメント事業
・売上高:33億8800万円(同21.0%増)
・営業利益:5億9400万円(同111.3%増)
アミューズメント施設は、既存店売上が好調に推移した。新たに2店を出店し、当期末における店舗数は10店となった。スロット・パチンコでは、同社が開発を担当した3タイトル、版権許諾した1タイトルが稼働を開始した。
■不動産事業
・売上高:12億8700万円(同21.3%増)
・営業利益:2億3600万円(同5.3%増)
ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaは、引き続き高い稼働率となり、開業以来の累計観客動員数が50万人を突破した。
■その他
・売上高:3億6600万円(同23.3%減)
・営業損失:1億7300万円(前の期は1億9300万円の利益)
ベンチャーキャピタル事業において、ファンドの管理費用が発生した。
■2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高950億円(前期比21.1%増)、営業利益375億円(同4.2%減)、経常利益405億円(同1.5%増)、最終利益310億円(同0.2%増)、EPS98.40円を見込む。
・売上高:950億円(同21.1%増)
・営業利益:375億円(同4.2%減)
・経常利益:405億円(同1.5%増)
・最終利益:310億円(同0.2%増)
・EPS:98.40円
グループ経営方針として引き続き「グローバルIPの創造と展開」を掲げている。グローバルIPを創造し、プラットフォーム、ジャンル、コラボレーション、ライセンス、タイアップと多方面に展開することで、更なる成長性と収益性を実現する。
エンタテインメント事業では、パッケージゲームの大型タイトルや複数の新作を発売する。スマートフォンゲームでは、既存タイトルの収益性向上に取り組むとともに、新規タイトルの配信を計画している。一方、協業タイトルや自社開発のスマートフォンタイトルによる費用の増加、協業先による開発費負担の減少等により、営業費用の増加を見込んでいる。
アミューズメント事業では、既存店の効率的な運営に取り組むとともに、新規出店を計画している。スロット・パチンコでは、受託開発業務や版権許諾を推進する。
不動産事業では、ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaにおいては、引き続き高い稼働率を維持し、収益の拡大を図る。その他の運用不動産についても物件管理の向上を進めていく。営業外収支では、金融環境の変化に対応しながら、安定した運用収益の実現を図っていく。
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635