マーベラス、23年3月期決算は売上高1%減、営業益45%減 新作『サクライグノラムス』が想定を大きく下回る推移に 『ポケモンメザスタ』は好調続く

  • マーベラス<7844>は、5月11日、2023年3月期の連結決算を発表、デジタルコンテンツ事業のコンシューマ部門の国内外でのタイトルのラインアップ不足に加え、スマートフォン向け新作ゲーム『サクライグノラムス』が想定を大きく下回る推移となったことが響き、大幅な減益となった。

    売上高253億4100万円(前々期比1.5%減)
    営業利益24億8800万円(同45.9%減)
    経常利益29億3100万円(同42.0%減)
    最終利益19億2500万円(同49.6%減)

    セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①デジタルコンテンツ事業 売上高141億3800万円(前々期比8.3%減)、セグメント利益7億7900万円(同80.1%減)

    コンシューマ部門では、「牧場物語」シリーズの最新作で、2003年に発売された『牧場物語ワンダフルライフ』のリメイク作品である『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』を1月26日に発売し、好調なセールスを記録した。また、「ルーンファクトリー」シリーズの最新作で、2009年に発売された『ルーンファクトリー3』のリメイク作品である『ルーンファクトリー3スペシャル』を3月2日に発売した。

    一方、完全新作ゲーム『DEADCRAFT(デッドクラフト)』を、2022年5月19日に全世界同時に配信開始いたしましたが、目標を下回る販売推移となった。また、国内外でのタイトルのラインナップ不足に加え、特に欧米市場における経済環境の悪化などにより、前期と比べて販売が減少した。

    オンライン部門は、2022年10月20日に配信を開始したスマートフォン向け新作ゲーム『ドルフィンウェーブ』が好調に推移し、下期において大きく業績貢献した。また、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』『ブラウザ三国志』といった長期運営タイトルについては、経年により売上が減少したものの、堅実に収益貢献した。

    一方、2月27日に配信を開始したスマートフォン向け新作ゲーム『サクライグノラムス』が想定を大きく下回る推移となり、ゲーム資産残高を一括償却した。

    ②アミューズメント事業 売上高78億100万円(同23.9%増)、セグメント利益27億8600万円(同56.4%増)
    主力であるキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』が、2022年4月に稼動を開始した「スーパータッグ5弾」をはじめ、それぞれ同年7月、9月、11月、2023年2月に稼動を開始した「ダブルチェイン」各弾が非常に好調に推移し、2007年の『ポケモンバトリ』から展開しているポケモンキッズアミューズメントマシンにおいて、過去最高の売上を達成した。

    また、海外展開の『ポケモンガオーレ』においても、一部地域で新型コロナウイルス感染症による影響があったものの、おおむね順調に推移した。

    ③音楽映像事業 売上高34億円(同15.4%減)、セグメント利益5億3700万円(同7.1%増)
    音楽映像制作部門は、TVアニメ「デリシャスパーティ♡プリキュア」をはじめとした、プリキュアシリーズのTVアニメや映画、関連イベントのパッケージ商品化を行ったほか、TVアニメ「アオアシ」を2022年4月より、TVアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ2」を2023年1月より放送し、それぞれパッケージ商品化を行った。また、アニメ「刀剣乱舞-花丸-」シリーズの新作三部作「特『刀剣乱舞-花丸-』~雪月華~」を2022年5月、7月、9月に、「映画刀剣乱舞」の第2弾となる「映画刀剣乱舞-黎明-」を2023年3月31日より劇場公開した。

    ステージ制作部門は、「舞台『刀剣乱舞』」「ミュージカル『テニスの王子様』」「ワールドトリガー the Stage」「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」などのシリーズ最新公演や、今期の完全新作として、「『東京カラーソニック!!』the Stage」「舞台『鋼の錬金術師』」等の公演を実施した。

    パッケージ販売の低下などにより売上が減少したが、配信収入の増加や、行動制限の緩和による観客動員の回復傾向、コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金の計上などにより、前期比で増益となった。

    ■2024年3月期は大幅な増益を見込む
    なお、2024年3月期通期の連結業績予想は以下のとおりで、増収・大幅増益を見込んでいる。

    売上高270億円(前期比6.5%増)
    営業利益35億円(同40.7%増)
    経常利益36億円(同22.8%増)
    最終利益25億2000万円(同30.9%増)

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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