フリュー、23年3月期決算は売上高6%増、営業益42%減に 円安によるキャラクタ・マーチャンダイジング事業の海外生産コストの増加が響く

  • フリュー<6238>は、5月12日、2023年3月期の連結決算を発表、プリントシール事業はコロナ禍から事業環境が改善しつつあるものの、キャラクタ・マーチャンダイジング事業が円安の影響を強く受けていることもあり、大幅な減益となった。

    売上高364億円(前々期比6.9%増)
    営業利益21億3100万円(同42.5%減)
    経常利益21億7900万円(同41.2%減)
    最終利益14億4300万円(同48.3%減)

    セグメント別の状況は以下のとおり。

    ①プリントシール事業 売上高86億8900万円(前々期比14.7%増)、営業利益5億600万円(前々期2億5200万円の赤字)
    足元では個人消費の持ち直しは見られるものの、新型コロナウイルス感染症による消費マインド低下の影響は引き続き尾を引いており、プレイ回数はコロナ禍以前の水準までは回復しなかった。依然として厳しい市場環境が続く中、プレイ回数の回復に向けて人気キャラクターや人気アーティストとコラボしたスペシャルモードの搭載やLINE公式アカウントでの広告配信などの販促施策を実施した。

    また、6月に新機種「ルートミー」、10月に「TODAYL(トゥデイル)」、1月に「IDOLY studio(アイドリースタジオ)」を発売した。これらにより、2023年3月期のプレイ回数は3375万回(前連結会計年度は3197万回)となった。

    ②コンテンツ・メディア事業 売上高85億6900万円(同2.9%増)、営業利益32億9000万円(同3.7%増)
    プリントシール画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」の重要なKPIと位置づけている有料会員数は、緩やかな回復傾向が継続しており、2023年3月末時点で149万人(2022年3月末時点は146万人)となった。

    カラーコンタクトレンズの販売は、利益率向上のため他社商品の販売に掛かる広告費を削減し、「LuMia(ルミア)」「ramurie(ラムリエ)」などの自社ブランドの販売に注力した。また、8月に新商品「PURI ism(プリズム)」、10月に「U.P.D.(アプデ)」を発売した。並行して、自社ECサイト「Mew contact(ミューコンタクト)」のリニューアルによる顧客利便性の改善を図った。

    データ広告事業については、既存取引先の受注額増加に伴い売上が増加した。

    ③キャラクタ・マーチャンダイジング事業 売上高163億4700万円(同7.7%増)、営業損益1億5500万円の赤字(前期24億800万円の黒字)
    人気漫画作品、人気アーティストおよび世界的人気ゲームなどの多数の新規キャラクター版権の獲得とその商品化を行った。ただ、商品の生産は主に中国で行っており、ドル建てでの決済が多く円安の影響を受けており、利益面は厳しい状況が継続した。

    クレーンゲーム景品は、昨年度ほどの爆発的人気IPはなく、スケールメリットが小さくなり利益率は低下した。その一方でクレーンゲーム市場拡大と複数の人気IPの商品化により売上規模は維持している。

    海外物販は、中国・アメリカを中心に受注が堅調に推移し売上を伸ばした。

    高価格帯ホビーは、アイテム数の増加などにより売上を伸ばした。また、3月にホビーECサイト「FURYU HOBBY MALL(フリューホビーモール)」をOPENし、従来の高価格帯に加えて中価格帯まで商品展開を拡張した。

    ④ゲーム事業 売上高27億9400万円(同6.2%減)、営業利益1億9600万円(同630.5%増)
    家庭用ゲームソフト事業は、オリジナルの新作タイトル『聖塔神記(せいとうじんき)トリニティトリガー』を9月に発売した。また、他社IPの新作タイトル『バトルスピリッツ コネクテッドバトラーズ』を4月に、『ロジカル真王(シンキング)』を12月に発売した。

    ゲームアプリ事業は、女性向け恋愛シミュレーションゲームの市場が縮小傾向にあり、同社グループの売上も前年度を下回った。

    アニメ事業は、映画「ゆるキャン△」が7月に公開され、興行収入は10億円を突破し、映画の公開に合わせて製作したパンフレットやグッズの販売も好調に推移しゲーム事業をけん引した。また、来期発売予定の映画「ゆるキャン△」のBlu-ray・DVDの販促活動や、TVアニメ第3期に向けた仕込みにも注力した。

    ■2024年3月期は増収増益を見込む
    2024年3月期通期の連結業績予想については、以下のとおりで増収増益を見込んでいる。

    売上高390億円(前期比7.1%増)
    営業利益25億円(同17.1%増)
    経常利益25億円(同14.7%増)
    最終利益15億5500万円(同38.9%減)

フリュー株式会社
http://www.furyu.jp/

会社情報

会社名
フリュー株式会社
設立
2007年4月
代表者
代表取締役社長 三嶋 隆
決算期
3月
直近業績
売上高364億円、営業利益21億3100万円、経常利益21億7900万円、最終利益14億4300万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6238
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