ブシロード、第3四半期(7~3月)決算は売上高21%増、営業益3%増に TCGユニットの好調が業績をけん引 6周年の『ガルパ』の超大型アップデートを実施

  • ブシロード<7803>は、5月15日、2023年6月期の第3四半期累計(7~3月)の連結決算を発表、第2四半期期間(10~12月)に続き第3四半期期間(1~3月)もTCGユニットの好調が業績をけん引し、前年同期比で増収・営業増益となった。

    なお、最終利益は特別損失としてフィットネスクラブ事業からの撤退に伴う減損損失3億2000万円を計上したことも影響している。

    売上高351億5600万円(前年同期比21.1%増)
    営業利益20億3700万円(同3.5%増)
    経常利益26億8900万円(同16.2%減)
    最終利益12億4300万円(同38.9%減)

各セグメントごとの状況は以下のとおり。

◆エンターテイメント事業

売上高299億8300万円(前年同期比20.0%増)、セグメント利益188億円(同10.3%減)

①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「ヴァイスシュヴァルツ」は2023年3月に15周年を迎え、長い歴史を持つキャラクターカードゲームとして確固たる地位を確立しつつある。第3四半期には「ヘブンバーンズレッド」「ホロライブプロダクション Vol.2」など6つ、「Reバース for you」では「東方Project vol.2」など4つの大型カード商品を発売した。「カードファイト!! ヴァンガード」では大型商品を1つ、「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」では1つの大型カード商品を発売した。「ヴァイスシュヴァルツブラウ」では「ちいかわ」「すとぷり」など4つの大型商品を発売した。

TCGの市場は2022年度に続き大きく拡大している。同社商品の売れ行きも国内外ともに好調であるため、TCGユニット売上としては前年同期よりも大きく伸長しているが、前期の第4四半期や今期の第1四半期よりも大型カード商品の発売が少なく、前四半期対比では同水準での推移となった。

②デジタルコンテンツユニット
モバイルゲームでは『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』がリリース6周年を迎え、多岐にわたる追加や変更が行われる超大型アップデートを実施した。一方で『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』がサービス終了する中、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!』の2023年4月リリースを発表した。

コンソールゲームは新規のタイトルリリースは無かったものの、「カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ」では追加ダウンロードコンテンツを発売した。

モバイルゲームは既存タイトルの見直しを実施し、コンテンツの再燃や、新規タイトルリリースに備えるとともに、コンソールゲームは、非運営型のゲームでありながら各種コンテンツのダウンロード販売が継続していくことが期待される。

③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属している。英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、「Kaguya-sama: Love Is War?」や「Date A Live Vol.2」などを発売した。英語版「カードファイト!! ヴァンガード」では2つの大型カード商品を発売した。また、英語版「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」の2023年6月リリースが決定した。

デジタルコンテンツにおいては各タイトルとも堅調に推移し、英語版『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』は実装曲数が累計400曲を突破した。

④ライブエンタメユニット
ブシロードミュージックでは、2月4日・5日(日)に有明アリーナにて「BanG Dream! 11th☆LIVE」や、舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#4 Climax」など、ライブやイベントを多数開催した。

一方、パッケージ商品においては、当初の計画から一部スケジュールの変更が生じたため、軟調な結果となった。

劇団飛行船では、開催中止となった公演もあり、第3四半期においては軟調な結果となった。一昨年取得したイベントホール「飛行船シアター」の利用は前四半期に続き増加傾向となった。

⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
MDについては、「ブルーロック」や「モブサイコ100」などの催事事業が好調だったものの、第2四半期に続き利益率の低い製品の販売ペースを落とす対応を行っており、依然として売上は軟調に推移している。一方で、出版編集については、TCGに関連する書籍や雑誌の販売が好調に推移するなど、ユニット間での連携が効果的に働いた。

「Wonder Festival 2023 Winter」や「ジャパンアミューズメントエキスポ2023」に出展し、来期より展開するフィギュアブランド「PalVerse(パルバース)」と商品化作品の発表を行うなど、今後の事業回復・拡大に向けた下準備に取り組んだ。

⑥アドユニット
ブシロードムーブでは、代理店事業として、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」の大型イベント「hololive SUPER EXPO 2023」』の運営・制作協力、アジア最大規模のアウトドア・レジャーイベント「ジャパンキャンピングカーショー2023」の実行委員会を担当するなど、複数のイベントに携わり好調に推移した。

また、声優が出演するリアルイベントや音楽ライブ等の開催が活発化していることを受け、声優事務所「響」に所属する声優の稼働も増加した。

◆スポーツ&ヘルスケア事業

売上高51億7200万円(同28.2%増)、セグメント利益1億5600万円(前年同期1億2700万円の赤字)

新日本プロレスリングでは2023年1月4日に「アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム~闘魂よ、永遠に~」を開催、前年同日に東京ドームで開催した大会の2倍の観客を動員し、第3四半期連結累計期間の売上高および営業利益に大きく貢献した。新日本プロレス・スターダムが開催する各大会の観客動員数は、イベント会場の制限緩和も手伝い、引き続き増加傾向にある。

一方で、北海道を中心にフィットネスクラブを運営するブシロードウェルビー単体としてはエネルギー価格高騰の影響で運営コストが膨らみ、営業損失が拡大した。


◆通期業績見通しは据え置き

2023年6月期通期の連結業績見通しは、従来予想から変更なく、以下のとおり。

売上高500億円(前期比19.1%増)
営業利益35億円(同3.2%増)
経常利益35億円(同31.5%減)
最終利益23億円(同34.4%減)

『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の超大型アップデート、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!』のリリースにより、デジタルコンテンツユニットの売上・利益の復調を目指すほか、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、ライブ・プロレス興行のチケットやグッズの売上・利益のさらなる増加を見込んでいる。

なお、TCGユニットは第4四半期に多数の大型カード商品を発売することから、売上規模が大きく増加して着地すると予想となっている。

株式会社ブシロード
http://bushiroad.com/
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会社情報

会社名
株式会社ブシロード
設立
2007年5月
代表者
代表取締役社長 木谷 高明
決算期
6月
直近業績
売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
7803
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