【サービス終了、その瞬間】セガ『シン・クロニクル』…「またいつか、再会を願って――」という運営チームの “ 運命の言葉 ” を信じて

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2023年5月31日11時30分をもってサービス終了となった、セガの『シン・クロニクル』をピックアップした。

セガ『シン・クロニクル』(Since 2022 to 2023)

まずは『シン・クロニクル』の概要について。

本作はスマートフォンRPG『チェインクロニクル』シリーズの後継作。ロールプレイングゲームの楽しさや、自分が冒険をしている、という感覚や体験はそのままに、まったく新しい世界や物語、ゲームシステムが楽しめる作品だ。

「運命は自ら決める。選ぶチャンスは一度きり」というコンセプトの元、各章のクライマックスで運命を決める究極の二択を迫られ、その決断がその後の壮大なストーリーに影響。ともに歩んだ仲間たちから誰が生き残り、誰が死ぬのか。プレイヤーの選択で、自分だけの物語が紡がれていく内容が特長と言える。

リリースは2022年3月23日からとなっており、サービス開始から約1年2ヵ月でのサービス終了となった。

作品の歴史を振り返りつつ、1週間前からプレイ…有終の美を見届ける

ここからは『シン・クロニクル』発表からの歴史を振り返っていこう。

『シン・クロニクル』は、2021年10月1日の「東京ゲームショウ2021 オンライン」で配信された「セガにゅー #TGSスペシャル」番組内で、(当時)累計2,500万ダウンロードの『チェインクロニクル』チームが開発した後継作として発表された。(関連記事

発表当日からApp Store、GooglePlay のほか、Twitter、LINE、メールアドレスでの事前登録を開始し、境界騎士団の見習い記録士・イコナがお届けする公式Twitterも本格始動となった。

当初は2021年12月15日のサービス開始を予定していたが、同年11月11日にリリース時期の変更を発表。(関連記事

そして2022年3月7日に、リリース日が同年3月23日に決まったことが発表となり、『シン・クロニクル』はめでたく配信開始となった。ちなみに事前登録者数は30万を突破していた。

『チェンクロ』後継作としてリリース前から期待されていた『シン・クロニクル』は、リリース当日の2022年3月23日に早くも10万ダウンロードを突破したほか、App Store無料ランキングで首位を獲得。(関連記事

3月24日のGoogle Playの無料ランキングでも首位に立つなど(関連記事)、その期待にたがわぬスタートを切った。

その後も2022年3月31日に100万ダウンロード、同4月14日に200万ダウンロードを突破したほか、『チェンクロ』とのコラボを7月29日より開催。

2022年8月12日~28日まで初のオフィシャルグッズを販売するPOP UP SHOPがあみあみ秋葉原ラジオ会館店にオープン(関連記事)するなど、ゲーム内外で様々な話題をファンに振りまいた。

しかし2023年3月14日、『シン・クロニクル』のサービスを終了することが開発レターにて告げられたのであった。(関連記事

と、『シン・クロニクル』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからは筆者がプレイを開始した終了1週間前の5月25日からのゲーム内の模様をダイジェストでお送りしたいと思う。

プレイ初日は例によってアプリをインストール&ゲームデータのダウンロードから。いつもながら、このデータをダウンロード時は、データサイズや所要時間によってそのゲームの歴史がヒシヒシと伝わってくる。

チュートリアル兼プロローグ的なものプレイしていると、ヴィオレットさんが敵にやられてしまい、いきなり重たい展開を目の当たりにして落ち込んだりもしたけれど、続きが気になってストーリーに引き込まれてしまった。

プロローグが終わると、初めての隊員ガチャを引く事ができ、リオンとビスケが仲間に加わった。

ちなみに筆者、プレイする中で出会った女性キャラ陣ではビスケが推しである。昔だったらショートカットで元気キャラなクロエ(下画面の左)になびいていたんけど、この齢になるとね。ビスケみたいなタイプが気になるのだよ。諸君らも大人になればわかる!はず!

『シン・クロニクル』はクエストをこなしたり、キャンプの会話イベントなどで各キャラの絆ポイントを獲得することができるようだ。ビスケ推しとしては彼女との絆をがっつりと深めていきたい所存。

ということで、クエストには常にビスケを連れていき、圧倒的贔屓で絆ポイントを貯めていった。

結果的に、こっそりデートに誘われるようになり、筆者的には大満足である。

しかし、筆者がもっと早く本作をプレイしてビスケと出会っていれば、さらに仲良しになれたかもしれないし、彼女の違う一面を見ることができたかもしれない。

サービスが終了してから気づいたけど、2022年5月19日に新ストーリーが楽しめる外伝「ビスケの休日ツアー」を実装されていて、外伝「ビスケの休日ツアー」が追加されていたようだ。(関連記事

某ガン●ムの名シーンのやりとりを拝借するなら…

「あなたは私にとって遅すぎて…」(ビスケ)

「僕にとってあなたは突然すぎたんだ」(筆者)

「ビスケ、奴(筆者)との戯言はやめろ!」(???)

と、こんな感じでビスケ、ビスケ言いながら1週間プレイしていき、サービス終了当日の5月31日を迎えた。終了時刻は11時30分ということで、1時間前の10時30分頃ログインした。すると…

運営チームからの感謝の言葉、いや運命の言葉が全プレイヤーの心に刻まれたのだった。これはこころにくい演出だと、感じざるを得ません!

そして恒例の他のプレイヤーさんのログイン状況だが、『シン・クロニクル』はフレンドという概念はあるものの、良くあるアプリゲームのように、オススメユーザーが表示される機能が見当たらなかった。

従って、ネットでフレンド掲示板を調べて、ユーザーIDを入力して何人かのプレイヤーさんの情報を取得することに。

最終プレイからかなり経過しているプレイヤーさんが目立ったが、それでも1日前だったり、筆者同様1時間前にログインしているプレイヤーさんもいたのでうれしく思ったものだ。

ここで無情にも時計の針は11時30分を指し、サーバーメンテナンスに突入。

こうして、『シン・クロニクル』は約1年2ヵ月の歴史の幕を閉じたのであった。


▲サービス終了から十数分後の公式Twitterのツイート。

さて、『シン・クロニクル』はゲームのサービスは終了したが、キャラクター詳細や物語の記録などを閲覧できる回想コンテンツを用意した機能限定版があるので、ファンの皆さんはチェックしてほしい。

また、最終日にログインした際にゲーム内に流れた『シン・クロニクル』運営チームからのメッセージには、こう書いてあった。

その運命の言葉“再会”を信じよう!

©SEGA

前回の記事 ⇒ 【サービス終了、その瞬間】マーベラス『サクライグノラムス』…タイトル発表からの生い立ちを振り返りつつ、最後の瞬間を見届ける

番外編もチェック ⇒ 「after that サービス終了」(22年度)…ゲームは終われどアニメやグッズ等の関連コンテンツで輝き続ける作品たち

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株式会社セガ
https://www.sega.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社セガ
設立
1960年6月
代表者
代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長COO 杉野 行雄/代表取締役副社長 内海 州史
決算期
3月
直近業績
売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
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