STANDは、去る3月、「Game Technology Summit」を開催した。本セミナーでは、「ゲーム×テクノロジー」として、ゲーム業界と様々な産業分野で活用されている技術が紹介されたイベントとなる。
ゲームに特化したデータ分析ソリューションを提供しているThinkingDataからは仲山 隼人氏が登壇し、データ活用エンジン「ThinkingEngine」の開発経緯とゲームにおけるユーザー行動データの分析の重要性について語られた。本稿では、その内容を一部紹介していく。
人を動かすデータビジュアライゼーション…その重要性とは
まず冒頭に、仲山氏からデータビジュアライゼーションの活用事例として、ナイチンゲールの例が紹介された。
ナイチンゲールといえば、医療や看護として歴史的な人物として知られているが、統計学者としても活躍されていたのは知らない人もいるのではないだろうか。
当時、死因分析などを統計で分析し、グラフとして視覚的にみせることで政府や行政にも貢献していったエピソードがあり、データによって人を動かす「データビジュアライゼーション」の重要性が分かるエピソードとして紹介された。
そんなデータ分析において、ゲームに特化したツールを提供しているThinkingDataだが、そのサービスの設計思想として、「誰でもデータを扱える」「誰でも高度な分析手法が使える」を挙げ、その利便性や考えに反響もあり、現在では900社以上のゲーム企業がこのツールを使われているそうだ。
その他の特徴として、ゲームの開発期から運用期までのあらゆるフェーズ、さらにあらゆるゲームジャンルに対して必要と思われるデータ分析のメソッドが蓄積されている。
ここで、データ分析の流れと企業が抱える課題についても紹介された。
データ分析においては、データ収集から加工、分析を行い、その分析結果を元に意思決定を行い次の一手を進めることを「データのバリューチェーン」と言われる。
いわゆるPDCAサイクルの一つとも言えるが、このバリューチェーンが中々機能しないことが、現場では多いと仲山氏は語る。
よくある例として、経営層がデータドリブン経営を掲げたとして、データ収集のフォーマットが担当者や支社によって異なるため苦労することが多い。
機能しない要因としては他にもあり、データの加工形式が違うなどもよくある課題となる。そして、データベース構築やデータの抽出においてもコストが多大に発生してしまい、時間 や費用も負担となってしまうことも多くなる。
このように、データの収集から加工、アウトプットまで工数負担が大きくなり、「もう勘で行こう」と、データドリブンに中々移行できない企業が多いのが実状だ。
そんな課題を抱える企業に向けたサービスが「ThinkingEngine」となる。「ThinkingEngine」はデータ収集からデータビジュアライゼーションまでを一気通貫にて行うことができ、専門知識や技術も不要となる。
▲従来型BIではバリューチェーンの一部しか担えなかったが、「ThinkingEngine」はワンストップで実現でき、あとは意思決定を行うだけとなる。
また、「ThinkingEngine」では、ゲームに特化していることも特徴だ。
ゲームのデータ分析では、大量のデータがリアルタイムかつインタラクティブに作用していく為、見ていく指標が多く、苦労しているゲーム会社も多いだろう。
そんな中、日本企業でも採用が進んでいる。
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最後に、仲山氏からはデータビジュアライゼーションによって人を動かすことが今後は重要になっていき、その分析コストにおいてThinkingDataがお手伝いすることによって、よりゲーム業界を盛り上げていけるようにしていきたいとして講演を終えた。
なお、ThinkingDataでは7月21日開催の「Game Technology Summit」にてもを登壇予定だ。従来型BIから次世代型データ活用ソリューションへの進化について講演予定となるので、気になる人は以下より参加してみていただきたい。