ゲームソフト受託開発大手のトーセ<4728>は、この日(7月6日)、2023年8月期 第3四半期(22年9月~23年5月)の連結決算を発表し、売上高44億7800万円(前年同期比11.8%増)、営業利益4億4700万円(同69.0%増)、経常利益4億6400万円(同65.4%増)、最終利益4億0300万円(同138.7%増)と大幅な増益を達成した。
・売上高:44億7800万円(同11.8%増)
・営業利益:4億4700万円(同69.0%増)
・経常利益:4億6400万円(同65.4%増)
・最終利益:4億0300万円(同138.7%増)
ゲームソフト関連の開発案件やモバイルコンテンツ関連の運営案件を着実に進行させていることから増収となったことに加え、ゲームソフト関連の案件での対価増額による利益率の好転や、開発トラブルによるコスト増加の防止が機能した。
急激な物価上昇に配慮した一時金支給や、4月からの賃金のベースアップなど計画にない支出を行ったが、増収効果や採算改善などで吸収した。さらに投資有価証券の売却益が1億2100万円発生し、特別利益としたことで、最終利益は同138.7%増の4億300万円と大幅な増益となった。
■セグメントの業績
①デジタルエンタテインメント事業
売上高は42億600万円(同13.1%増)、営業利益3億9700万円(同115.2%増)となった。
ゲームソフト関連については、多数されている開発依頼の受注体制を調整している中、家庭用ゲーム機向けの複数のソフト開発案件を引き続き進行している。第3四半期累計の開発収益にも大きく貢献しているNintendo Switch向けのゲームソフトは、本年12月に顧客より発売が予定されている。
また他に、開発品質が高く評価した案件で、対価が増額されるケースが発生し、利益の増加にも大きく貢献した。一方で、前の期中に着手し開発が本格化して稼働が高まっていた、海外顧客からの大型開発案件が第2四半期に中止となった。
それにともない第3四半期では、案件の切り替えのため一部スタッフの稼働が低下する状況となった。その結果、売上高は28億2800万円(同26.1%増)となった。
モバイルコンテンツ関連については、継続して委託されている運営業務は堅調に推移しており、新規の開発案件も複数進行しているものの、前年同期に中止となった大型開発案件の売上計上があったことから、その反動減をカバーするには及ばず、開発売上は減少した。その結果、売上高は13億7800万円(同6.0%減)となった。
②その他事業
売上高は2億7100万円(同4.5%減)、営業利益5000万円(同37.1%減)となった。
家庭用カラオケ楽曲配信事業は、巣ごもり需要の減退の影響はあるものの、Nintendo Switch本体がシェアを伸ばしてきたことや、“家庭でカラオケを楽しむ"ことがコロナ禍以前に比べて定着したことなどにより、前年同期からの落ち込みは軽微に留まったまま推移している。SI事業では、当初想定していた案件の受注が一部遅れたことが影響して減収となった。
■2023年8月期の業績見通し
2023年8月期の業績は、売上高59億円(前期比4.2%増)、営業利益5億円(同6.5%増)、経常利益5億2000万円(同2.8%増)、最終利益4億1000万円(同32.2%増)、EPS54.09円を見込む。
・売上高:59億円(同4.2%増)
・営業利益:5億円(同6.5%増)
・経常利益:5億2000万円(同2.8%増)
・最終利益:4億1000万円(同32.2%増)
・EPS:54.09円
計画に対する進捗率は、売上高75.9%、営業利益89.4%、経常利益89.2%、最終利益98.3%となっている。
・売上高:75.9%
・営業利益:89.4%
・経常利益:89.2%
・最終利益:98.3%
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728