任天堂、2023年3月期の研究開発費は1100億円と過去最高を更新…毎年多額の予算を割くことで革新的なゲーム体験を提供

任天堂<7974>は、2023年3月期における研究開発費について、前の期比7.7%増の1100億円だったことを明らかにした。同社は、研究開発活動に多額の予算を割いている同社だが、研究開発費の推移を見る限り過去最高額を更新した。

同社では、主に新しいゲームハードウェアやソフトウェアの開発に取り組んでいる。これまで革新的なアイデアや独自のゲームプレイ体験を提供しており、研究開発には重要な役割を果たしている。

 

 

■取り組み

ハードウェアにおいては、半導体メモリーなどの記憶媒体、液晶などの表示装置、電子部品など要素技術の調査研究及びタッチパネルやセンサーなどのインターフェイス技術、無線通信などのネットワーク技術、セキュリティ技術、クラウドコンピューティング技術、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)及びMR(複合現実)技術、深層学習技術、ビッグデータ解析技術など、様々な技術のホームエンターテインメント分野への応用可能性について、研究開発活動を引き続き行っている。

また、社内での調査・研究だけでなく社外にも積極的に目を向け、新しい遊びの創出につながる技術の発掘について、日々様々な可能性を模索している。なお、これまで同様、末永く安心して楽しむための耐久性、安全性、品質並びに性能の向上、多様な周辺機器の設計や開発、コストダウンなどにも取り組んでいる。

ソフトウェアにおいては、ハードウェアの機能を十分に活かした製品企画や、映像・音響・シナリオなどを活かしたゲームデザイン、プログラム開発に注力している。

また、デジタルビジネスの拡大に対応するため、各ソフトウェアの様々なネットワーク機能やニンテンドーeショップなどの、多分野にわたるネットワークサービスを支えるシステムインフラの拡張にも力を入れている。加えて、スマートデバイス向けソフトウェアの研究開発体制を構築し、スマートデバイス向けのアプリケーションソフトウェアの企画、開発及びバックエンドサーバーシステムの開発を推進している。

部品調達・製造工程においては、生産協力会社との連携、協力のもと、新しい試験方法や新技術を使った部品の量産化に加え、関連法規に適合するための研究やノウハウの蓄積を行っている。

その他、次世代によりよい環境を残していくために、オフィスにおける環境配慮はもちろん、エネルギー効率に配慮した設計、環境負荷のより少ない構成部材の選定、リサイクルのしやすい包装材の選定など、常に環境負荷の低減に配慮した製品開発に取り組んでいる。

 

■成果

Nintendo Switchハードウェアでは、利便性及び動作の安定性を向上させるためのファームウェアアップデートや、ゲーム機本体及びその周辺機器の各種特別仕様の追加、ソフトウェア開発環境や各種ネットワークサービスの継続改善等を行った。

対応ソフトウェアでは、Joy-Conのモーションセンサーを活用した直感的な操作によりいつでも、だれとでも気軽にスポーツを楽しめる体感ゲーム『Nintendo Switch Sports』、一気に2点が入るシュートや味方へのタックルといった型破りなアクションを駆使して勝利を目指す、サッカーの様な格闘スポーツゲームである『マリオストライカーズ バトルリーグ』などを発売した。

また、シリーズの最新作となる『スプラトゥーン3』、『ファイアーエムブレム エンゲージ』、『ゼノブレイド3』に加えて、『メトロイドプライム リマスタード』『星のカービィ Wii デラックス』などのタイトルを発売した。

モバイルビジネスの分野においては、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『どうぶつの森 ポケットキャンプ』、『マリオカート ツアー』などのゲームアプリのサービスを継続して運営している。

さらに、Nintendo Switchでオンラインの対戦や協力プレイを楽しむなどの様々なサービスを受けることができるNintendo Switch Onlineにおいて、新たに『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』の配信を開始したことに加え、『Nintendo Switch Online + 追加パック』では、『ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online』の配信を開始した。

『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』や『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』等のサービスにおいても、配信タイトルの追加を行った。その他、「ニンテンドーアカウント」に基づく各種サービスの仕様検討や継続改善等を行った。

また、任天堂プラットフォーム向けゲーム開発者専用サイトである「Nintendo Developer Portal」で、個人も含めたゲーム開発者が、世界中のユーザーに新しいエンターテインメントを発信するサポートを継続して行っている。

この他にも、人々のQOL(Quality of Life、生活の質)を楽しく向上させるための新たな製品など、将来に向けた様々な製品やサービスの開発を進めている。

任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6718億6500万円、営業利益5289億4100万円、経常利益6804億9700万円、最終利益4906億0200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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