IGポート、2023年5月期の決算は営業益73%増の9億9100万円…アニメ制作が採算改善し黒字転換、トレンドに沿ったコミック展開で出版も堅調

IGポート<3791>は、7月14日、2023年5月期の決算を発表し、売上高111億6300万円(前の期比6.0%減)、営業利益9億9100万円(同72.9%増)、経常利益9億9900万円(同74.0%増)、最終利益7億6600万円(同15220.0%増)だった。

・売上高:111億6300万円(同6.0%減)
・営業利益:9億9100万円(同72.9%増)
・経常利益:9億9900万円(同74.0%増)
・最終利益:7億6600万円(同15220.0%増)

主力のアニメなどの制作を行う映像制作事業が黒字転換したほか、出版事業も拡大するなど堅調に推移し、減収・増益で着地した。最終利益が大きく伸びたが、映像マスターとコンテンツ資産の減価償却費の一部について、税務上、前期に損金計上されないものが損金計上したため、法人税額が少なくなったため。

セグメント別の状況は以下のとおり。

(映像制作事業)
売上高は61億0600万円(前期比2.5%増)、営業利益は8700万円(前期は4億0200万円の営業損失)となった。物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰し、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もあったが、全体としては黒字転換に成功した。

テレビ・配信用アニメ「天国大魔境」「SPY × FAMILY」「絆のアリル」「火狩りの王」「ULTRAMAN」Final Season 等、劇場用アニメ「蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE」「らくだい魔女 フウカと闇の魔女」、その他プロモーションビデオ・CM・ゲーム・遊技機のアニメーションを納品した。

(出版事業)
売上高は29億0300万円(前期比9.7%増)、営業利益は5億6200万円(前期比3.8%増)と増収増益だった。書店向け出版売上はほぼ前年並みとなったが、電子書籍売上は従来のオリジナル作品に加え、市場のトレンドに合った作品(なろう系、異世界転生モノ、悪役令嬢モノ等)を適切なタイミングでコミカライズした結果、電子コミック市場全体を超える成長率(15%増)となった。また、欧米を中心とした海外翻訳出版による収入が好調に推移し売上の増加に貢献した。

コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行した。書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は「魔法使いの嫁」「転生貴族の異世界冒険録」「魔道具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~」の最新刊等、116点を刊行した。

(版権事業)
売上高は18億5300万円(前期比36.8%減)、営業利益は4億7600万円(前期比19.2%減)となった。前年同期は同社グループが大きな出資割合を持つ作品群のライセンス収入が、版権事業の収益に大きく影響を与えた。これらが落ち着いたことにより、前年同期と比較して減収減益となった。

「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「銀河英雄伝説 Die Neue These」「攻殻機動隊」「ハイキュー!!」「アオアシ」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。「SPY × FAMILY」については、テレビ放送終了後も国内外でライセンスの売上が好調に推移している。

(その他事業)
その他事業では、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、当事業の売上高は2億9900万円(前期比11.0%減)、営業利益は500万円(前期は4300万円の営業損失)となった。

■2024年5月期の業績見通し

2024年5月期の業績は、売上高106億3800万円(前期比4.7%減)、営業利益7億4800万円(同24.5%減)、経常利益8億1300万円(同18.6%減)、最終利益6億4600万円(同15.7%減)を見込む。

・売上高:106億3800万円(同4.7%減)
・営業利益:7億4800万円(同24.5%減)
・経常利益:8億1300万円(同18.6%減)
・最終利益:6億4600万円(同15.7%減)
・EPS:135.32円

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