東映アニメ、第1四半期(4~6月)決算は売上高10%増ながら営業益49%減に 版権事業・商品販売事業が好調 「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上
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東映アニメーション<4816>は、7月28日、2024年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算を発表、前年度大ヒットした劇場3作品を中心に版権事業・商品販売事業が好調を維持し、売上高は第1四半期として過去最高の水準を記録した。
一方、利益面については、「聖闘士星矢 The Beginning」に関する棚卸資産の評価損を計上し、各利益項目とも2ケタ超の大幅減益となった。
売上高198億8400万円(前年同期比10.1%増)
営業利益20億9500万円(同49.0%減)
経常利益39億3800万円(同25.8%減)
最終利益31億2000万円(同22.4%減)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①映像製作・販売事業 売上高72億8300万円(前年同期比5.2%減)、セグメント損益22億6900万円の赤字(前年同期5億5400万円の黒字)
劇場アニメ部門は、4月に「聖闘士星矢 The Beginning」、6月に劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《前編》」、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《後編》」を公開した。前年同期に公開した映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」の反動減により、大幅な減収となった。テレビアニメ部門は、「ワンピース」「ひろがるスカイ!プリキュア」「逃走中 グレートミッション」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「おしりたんてい」の5作品を放映した。前年同期と比較して放映作品数が減少したことから、大幅な減収となった。
コンテンツ部門は、前年同期好調に稼働した「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」、劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal《前後編》」のブルーレイ・DVDの反動減などにより、大幅な減収となった。
海外映像部門は、前年同期好調に稼働した映画「ドラゴンボール超スーパーヒーロー」の海外上映権販売の反動減があったものの、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売が好調だったことから、前年同期と比較して若干の減収となった。
その他部門は、「ONE PIECE FILM RED」をはじめとした、国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となった。
なお、「聖闘士星矢 The Beginning」については、棚卸資産の評価損を計上した。
②版権事業 売上高97億9300万円(同2.4%増)、セグメント利益48億9900万円(同9.2%増)
国内版権部門は、「ワンピース」のゲーム化権販売、商品化権販売が好調に稼働したことから、増収となった。海外版権部門は、前年同期好調に稼働した「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売の反動減があったものの、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したことから、ほぼ横ばいとなった。
③商品販売事業 売上高24億100万円(同348.7%増)、セグメント利益4億5400万円(前年同期3600万円の赤字)
商品販売部門は、「ワンピース」のショップ事業、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売が好調に稼働したことなどから、大幅な増収となった。④その他事業 売上高4億7500万円(前年同期比49.1%増)、セグメント損益2100万円の赤字(前年同期は、48百万円のセグメント利益)
その他部門は、催事イベントやキャラクターショーなどを展開した。「プリキュア」シリーズの催事が好調に稼働したことから、大幅な増収となったが、イベント事業全体にかかる販売費増などにより減益となった。 -
■通期予想は変更なし
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2024年3月期通期の連結業績予想は、従来予想から変更なく、以下のとおり。
売上高720億円(前期比17.7%減)
営業利益175億円(同39.0%減)
経常利益178億円(同36.9%減)
最終利益120億円(同42.6%減)
会社情報
- 会社名
- 東映アニメーション株式会社
- 設立
- 1948年1月
- 代表者
- 代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高671億1700万円、営業利益177億7200万円、経常利益203億円、最終利益145億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4816