カヤック、6月中間決算は営業利益41%減の4億0300万円と大幅減益 主力のハイカジは広告配信システムの一時的な不調響く

カヤック<3904>は、8月14日、2023年12月期 第2四半期累計(23年1月~23年6月)の連結決算を発表し、売上高81億1300万円(前年同期比1.9%増)、営業利益4億0300万円(同41.2%減)、経常利益5億1400万円(同33.2%減)、最終利益3億1300万円(同39.9%減)だった。

・売上高:81億1300万円(同1.9%増)
・営業利益:4億0300万円(同41.2%減)
・経常利益:5億1400万円(同33.2%減)
・最終利益:3億1300万円(同39.9%減)

収益のウエイトの大きいハイパーカジュアルゲーム事業は、広告市況が悪化したことにに加え、広告配信を担う外部サービスのシステムアップデートに伴う広告コントロールの不調が続いたことが響いた、としている。新作投下など費用が増えた一方で、それに見合う売上の増加に至らなかったということのようだ。カヤックアキバスタジオの受託開発もここ数年続いた大型案件が完了したことも響いた。面白プロデュースサービスも例年以上の不振だったという。ただし、いずれの事業の振は一時的なものであるとし、第3四半期に入って回復傾向で推移しているとのこと。

① 面白プロデュース
売上高は8億1800万円(前年同期比17.2%減)となった。

新しい技術とアイデアに挑戦し、クライアントとその先にいるユーザーに新しい体験を提供することで、クライアントのマーケティング及びブランディングに資する広告を提供している。スマートフォンの普及や新しい技術の出現を背景に、WEB領域にとどまらないリアルと連動した案件が増加傾向にある。また、同社の企画力、技術力をもとにクライアントの新製品開発を支援する領域にも進出している。

② ゲームエンタメ
売上高は50億9900万円(同4.4%増)となった。

「ぼくらの甲子園!ポケット」、「キン肉マン マッスルショット」、ハイパーカジュアルゲーム、カヤックアキバスタジオでの受託ゲーム開発が売上高の大部分を占めている。ハイパーカジュアルゲームについては、当新作「Posing cut」「Cannon bowling」「Block Fighter」「Block Gradiator3D」「Titan Shoot」の5本を正式にリリースした。新作タイトルを5本リリースしたことに加え、モバイルゲームのダウンロード数の成長速度が回復基調の兆しをみせたことにより、ダウンロード数は直前四半期比3.7%増の約8927万件となった。また、第1四半期よりメタバース専門部隊をその他サービスよりゲームエンタメサービスに変更している。

③ eスポーツ
売上高は9億9300万円(同3.7%減)となった。

ゲームファンに向けた一連のコミュニティサービスを展開している。ウェルプレイド・ライゼストのeスポーツ事業ならびにトーナメントプラットフォームの「Tonamel」が売上高の大部分を占めている。ウェルプレイド・ライゼストでは、前第4四半期に計上したeスポーツ大会等の大型受託案件の影響により、第1四半期の売上高が前第4四半期比で減少しているが、第2四半期の売上高は直増加しており、下期偏重の事業として想定内の進捗となっている。また、コミュニティに寄り添った運営と海外市場での大会開催数の大幅な増加により、第2四半期におけるTonamelの大会開催数は直同226.4%増の1万6053件となった。

④ ちいき資本主義
売上高は4億0400万円(同84.7%増)となった。

地方公共団体や地域企業に対して、まちづくりに関するコンテンツの開発とサービスの提供を行っている。移住プラットフォームサービスの「SMOUT」、コミュニティ通貨サービスの「まちのコイン」、地域プロモーションの受託、鎌倉市内で展開するまちづくり事業などのサービスが売上高の大部分を占めている。第2四半期末時点で、「SMOUT」の累計登録ユーザー数は前の期末比4.7%増の5.11万人となり、順調に拡大している。

「SMOUT」の導入地域数も第2四半期末時点で直同2.9%増の919地域となり、市場の上限である自治体数約1700地域に対しての導入率が54%となった。また第2四半期末時点での「まちのコイン」の累計登録ユーザー数は、直同17.5%増の7.8万人と、こちらも順調に増加している。

⑤ その他サービス
ブライダルプラットフォーム「プラコレWedding」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、上半期に業績が悪化した後、緩やかな回復基調にある。この結果、その他サービス関連の売上高は7億9700万円(同4.6%減)となった

 

■2023年12月期の業績見通し

2023年12月期の業績は、売上高182億円(前期比10.3%増)、営業利益13億5000万円(同11.4%増)、経常利益13億5000万円(同10.7%増)、最終利益8億5000万円(同8.5%増)を見込む。

・売上高:182億円(同10.3%増)
・営業利益:13億5000万円(同11.4%増)
・経常利益:13億5000万円(同10.7%増)
・最終利益:8億5000万円(同8.5%増)

計画に対する進捗率は、売上高44.6%、営業利益29.9%、経常利益38.1%、最終利益36.8%となっている。

・売上高:44.6%
・営業利益:29.9%
・経常利益:38.1%
・最終利益:36.8%

株式会社カヤック
http://www.kayac.com/

会社情報

会社名
株式会社カヤック
設立
2005年1月
代表者
代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
決算期
12月
直近業績
売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3904
企業データを見る