三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレポート(11/1-11/6) その1

 分量が多いので2回に分けます。

 前半は、サイバーエージェント、スクウェア・エニックスHD、バンダイナムコHD、コナミ、カプコンです。

 

■サイバーエージェント<4751>

 11月4日付けで、レーティング「Neutral」、目標株価16万円の継続とした。2010年7-9月期の営業利益は22億9000万円で、同証券予想20億3000万円を上回った。うち、SAP事業の7-9月期の売上高は12億4000万円(前四半期の6億2000万円)で、営業利益は2億円程度だった模様としている。

 続く2011年9月期の営業利益は、会社計画で110億円。FX事業の減益を広告代理事用やSAP事業でカバーし、Ameba事業で増益を実現するというイメージだ。プラットフォームとしてのAmeba事業では、2011年9月期にモバイルソーシャルに注力するが、こちらが成功するか否かは未知数と指摘している。

■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>

 11月4日付けで、レーティング「Underperform」、目標株価1400円の継続とした。11月4日に会社側の発表した上期の決算は、営業利益が57億1200万円(前年同期比56.4%減)でサプライズはない。主因は、円高に加え、ゲームソフト販売が前年同期比32.3%減の817万本にとどまったことだった。会社側は、通期の業績予想について、期初計画の営業利益200億円を据え置いた。ゲームソフトの予想販売本数は、前期比10%減の2400万本。

■バンダイナムコホールディングス<7832>

 11月5日付けで、レーティング「Outperform」、目標株価940円の継続とした。11月5日に会社の発表した上期決算は、営業利益が50億6700万円(前年同期26億1500万円の赤字)となり、期初会社計画を上回った。同証券では「ポジティブな印象」と評価している。利益改善の主因として、定番玩具の拡販と好採算のカードゲームの販売好調に加え、アミューズメント施設事業の利益拡大などがあると指摘。会社側は、2011年3月通期について、期初計画の営業利益110億円を据え置いた。ただ、法人税等の負担増により当期利益を45億円から18億円に減額した、とのこと。

■コナミ<9766>

 11月4日付けレポートで、レーティング「Neutral」、目標株価1450円の継続とした。11月4日の会社の発表した上期決算は、営業利益が前年同期比74.6%増の80億5000万円だった。10月20日発表の80億円をわすかに上回ったがサプライズはないと指摘。想定どおりの業績基調と評価しているようだ。営業増益の主因は、4事業の収益がいずれも堅調だったことと、経費削減効果などである。2011年3月通期予想は、期初計画の営業利益245億円を据え置いた。

■カプコン<9697>

 11月1日付けで、レーティングを「Outperform」から「Neutral」とし、目標株価も1600円から1360円に引き下げた。これは年末に近づき、目標株価算定の基準を今期の業績予想から来期の業績予想に変更したため。同証券では、今期の営業利益を130億円とし、来期106億円、再来期83億円とするなど来期以降は営業減益を予想している。これはゲームソフトの販売競争の激化などが予想されるため、とのこと。

 決算説明会で、自社開発体制の抜本的な見直しを行うと発表した。その内容は、(1)開発マネジメント体制の変更、(2)コンシューマ、オンライン、モバイルの各部門を統合し、本格的なマルチプラットフォーム体制の構築である。ソーシャルゲームの台頭など取り巻く事業環境の変化、有力開発者転出などが背景にあるという。同証券では、開発体制の見直し効果と、有力開発者転出による影響を注視したい、としている。