ポールトゥウィン/PTWジャパンはデバッグ以外の多様なサービスをアピール 華やかなTGSの舞台裏で活況呈するビジネスブース(6)

「東京ゲームショウ2023(TGS2023)」が開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。TGSといえば、華やかな新作タイトルの数々、有名人が出演するステージイベント、ブースを彩るコンパニオンたち、そしてコスプレイヤーたちに注目が集まることが多いが、このコーナーではビジネスデーのみ登場する、ちょっと地味でわかりづらい「ビジネスソリューション」にフォーカスを当てる。

出展社全てというわけにはいかなかったが、ピックアップした企業の担当者から会社紹介やTGS出展に至った経緯、出展してどのような効果があったのかなどさまざまなお話を伺うことができた。いずれもインタビューは、TGS2日目、ビジネスデー最終日にあたる2023年9月22日に行った。

今回の記事では、株式会社PTWジャパンとポールトゥウィン株式会社を取り上げる。ポールトゥウィンはゲーム業界のQAデバッグの会社として知らない人はいないほど知名度のある会社だが、今回、出展の経緯や目的などについて、PTWジャパンのビジネスディベロップメントディレクターの寺尾拓人氏(写真)にインタビューを行った。

 

――:よろしくお願いいたします。

PTWジャパンのビジネスディベロップメントディレクターの寺尾拓人と申します。ポールトゥウィンとPTWジャパンと合同で出展しており、昨年もほぼ同規模のブースを出していました。

ポールトゥウィングループの成り立ちを紹介しますと、グループは、1994年に創業したポールトゥウィンが祖業とも言える会社で、当初はゲームの小売店をやっていましたが、ゲームのQAデバッグにも乗り出すようになりました。発売前の不具合検証を専門的にやるようになってから本格的に拡大しました。

2009年頃からアメリカやヨーロッパに子会社の立ち上げや買収などもしながらワールドワイドに拡張している状況です。このブースでも色々なサービスのご紹介をさせていただいていますが、QAデバッグだけではなく、ゲームの翻訳や現地スタッフを使った多言語でのQAのお手伝い、声優のボイス収録を現地音声への吹き替えなども行っています。

また、リリース後のグローバルでのカスタマーサポートなども手掛けております。また最近ではゲームの開発受託、グラフィックの制作といったこともやるようになりました。ゲーム開発に必要な業務をワンストップでソリューションとして提供できるようになっております。

――:ポールトゥウィンというと、業界では知らない人はいないほどの知名度です。そのなかで出展されたのはどういう経緯だったんでしょうか。

当社もゲーム業界にはもう25年以上いますので、多くのゲーム会社様には認知いただいているとは思うのですが、ポールトゥウィンまたはPTWジャパンがソリューションとして何を提供できるのか、という部分で十分に訴求できていないという課題もあります。

多くのゲーム会社様には「ポールトゥウィンといえばデバッグの会社だよね」というイメージを持たれているかと思いますが、今回の出展を通じて、翻訳やローカライズ、音声収録などもできる会社であるということを認知していただく機会にしたいと考えています。

今回出展のブースについても作りやデザインも休憩所的なイメージにしておりまして、弊社のサービス内容もゲーム作りの屋台骨のような形でやらせていただいているので、ご来場いただいた皆さまにはちょっとしたオアシスのような存在になりたいというメッセージも込めました。

――:実際に昨日から出展されていて反響はいかがでしょうか。

「ポールトゥウィン/PTWジャパンさん、ブース出すんだね」という反応が多かったですね。昨年も出していたのですが、いらしていない方が多かったので驚かれることが多いです。そして、グラフィック制作やローカライズなどこれまで十分に訴求できてなかったサービスについて、お問い合わせをいただいていますので、反響としてはかなり良いと感じています。

今年は、海外からの方がすごく多く、実際、中国やヨーロッパからのお客様とブースでミーティングすることが増えました。日本の市場って、海外から見ると、まだまだ特殊な市場と捉えられているようで、ローカライズに関するご相談が多いですね。市場に入っていくためのサポートを求められていることが多いように感じます。

特にローカライズに関しては、ユーザーさんには敏感に伝わります。適切に翻訳されないと、違和感を持たれてしまいます。当社は、「エンタライズ」というブランドがありまして、海外開発のゲームを日本語などにローカライズするゲームスタジオですが、ユーザーさんに違和感なくゲームを楽しんでもらえるローカライズを得意としています。

弊社はどのような言語であっても、我々がローカライズすることで、少しでも言語に違和感がなく楽しめる作品を増やしたいという思いがあります。そういうところがブース出展を通じて伝わればいいと思います。昨年、今年と出展させていただいて、来年も是非このぐらいのブースは続けたいと思います。

――:ありがとうございました。

ポールトゥウィンホールディングス株式会社
https://www.phd.inc/

会社情報

会社名
ポールトゥウィンホールディングス株式会社
設立
2009年2月
代表者
代表取締役会長 橘 民義/代表取締役社長 橘 鉄平
決算期
1月
直近業績
売上高469億8000万円、営業利益4億400万円、経常利益5億900万円、最終損益19億6700万円の赤字(2024年1月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3657
企業データを見る
ポールトゥウィン株式会社
http://www.ptw.co.jp/

会社情報

会社名
ポールトゥウィン株式会社
設立
1994年1月
代表者
代表取締役 CEO 橘 鉄平
企業データを見る