【セミナーレポート】『アーチャー伝説』や『ダダサバイバー』と世界的に活躍する企業HABBY…そのゲーム設計思想とは

シンキングデータは、9月20日、アプリゲーム向けデータビジネスカンファレンス「ThinkingData Summit 2023 Tokyo」を開催した。

本セミナーでは、本イベントは"データと情熱が交わる、ゲームクリエイターの集い。"をテーマとし、ゲームデータの分析にまつわるプロフェッショナルを招いてゲームデータにおける、最新トレンド、事例、活用方法について講演された。

『アーチャー伝説』で知られるHabby社のCEO王氏も登壇し、 gamebizプロデューサー達川氏との対談によるトークセッションも行われた。

本稿では、その模様について紹介していく。



『アーチャー伝説』や『ダダサバイバー』で知られるHabby



ここでまずHabbyというゲーム会社について少し紹介していく。Habbyは2018年に設立されたシンガポールに拠点を置くゲーム会社だ。

Hobby(趣味)とHappy(幸せ)を組み合わせたフレーズを社名由来としており、趣味を通じて幸せを創造することをモットーとしている。

『アーチャー伝説』や『ダダサバイバー』など、従来のカジュアルゲームではない、ハイブリッドカジュアルゲームといわれるアプリゲームにおいてエポックメイキングな作品として知られ、グローバルで活躍している企業だ。

 

世界的に活躍する企業Habby…そのゲーム設計思想とは?

ここからは、「ThinkingData Summit 2023 Tokyo」での講演内容を一部紹介していく。会場では質疑応答形式にて以下のアジェンダで対談が進められた。

Q1. 日本のゲーム市場について、どのような印象を持たれていますか。

王氏:日本のゲーム市場は非常に成熟していると思います。大半の方がゲームに興味を持っています。また、日本のユーザーは非常にロイヤリティが高いと思います。特定のゲームが気に入れば、ずっと遊び続けるというのが特徴です。 中国では、この点で大きく違います。ゲームを頻繁に変えるユーザーが多数いるということです。これは新しく登場したゲームにとっては有利ですが、ゲームの長期運営にとっては、非常にチャレンジングな環境となります。


また、課金ですが、中国ではごく一部のユーザーがヘビーに課金し、他は全く課金しないという傾向があります。 一方、課金という面では日本はもう少しバランスが取れており、平準化しているということがあると思います。

 

Q2. 中国と比べて、日本のゲーム企業がどのような特徴があるか、お考えをお聞かせください。

王氏:日本はゲーム産業を切り開いた国として中国と大きく異なり、コンソールゲーム、つまり買切型のゲームから成長してきたので、ゲーム会社の特徴としても、自社の特色をいかに出すのか、 クオリティを追求して非常に長い期間で制作するということが言えると思います。

一方、中国のゲーム企業は、PCゲーム、ブラウザーゲームという背景の中で成長してきました。これらのゲームでは、ゲーム内課金のモデルを採用することが多くあります。中国のユーザーの大半も買い切り型ではなく、ゲーム内課金というモデルの方をより好むようになっています。

そして、グローバル化ですが、日本のゲーム企業は日本発のたくさんの素晴らしいIPを使って海外進出しています。ある意味、日本ローカルのものがそのまま国際化できているという状態です。とはいえ、ローカルなものですので、これが全世界のどこでも通用するというわけではないと思います。

一方、中国のゲーム企業は、3年ほど前に中国国内の規制によって成長が制限されました。その中で中国のゲーム会社は、海外進出を余儀なくされました。海外進出しなければ生き残れないという危機的な状況でした。その結果として、モバイルゲーム分野ではいち早く海外市場に展開できたと思います。

Q3 Habbyさんはユーザーの行動データを重要視し、しっかり分析していると聞いております。ThinkingData社のThinkingEngineを導入する背景とメリットを教えてください。

王氏:実は私の最初のキャリアはゲーム開発ではなく、別の会社でアプリとパソコンのソフトウェアのプロダクトマネージャーをしていました。その時から、データドリブンに開発する手法を取っていました。データドリブンに開発することは非常に重要で、当時の会社には自社開発のデータツールがありましたが、非常に安定性が悪く、データ欠損や遅延もよく発生しました。

そうした経験もあり、Habbyの創業当初からデータドリブンな開発を実現しようと考えていて、その際によいデータツールがどうしても必要だと考えていました。 ただ、そのようなデータプラットフォーム、さらに、良いデータ分析チームを構築するには非常にコストがかかりますし、そもそもそういった人材が集まるかどうか、自信がありませんでした。

またサードパーティのサービスでありながら、データは自分の手元に保有できることも重要だと考えていました。そのような中、ThinkingDataと出会いました。そのごろ、ThinkingDataも私と同じことを考えていたそうです。これはいいと。

当時のマーケットには他に類似サービスはなくThinkingDataしかありませんでした。我々はデータセキュリティと分析プラットフォームの安定性をとても重要視していますが、ThinkingEngineのデータベースはオープンソースということ、我々自社で選ぶクラウドサービス上にデータを保管することができるということ、この2点で我々の懸念点が払拭され、ThinkingEngineを導入することを決めました。

実際利用時、我々はこのレポートをカスタマイズすることを好んでいます。レポートが色々ありますが、どのデータを重要視するのか、パブリッシャーの特徴が現れてくると思います。ThinkingEngineはカスタマイズという面でも、我々のニーズに合いました。一言で言いますと、必要なものが全てあり、他に代わりとなるサービスがなく、導入させてもらいました。

技術的にはThinkingEngineを専任で担当するメンバーがいます。また全社メンバーでThinkingEngineを見るようになっています。メンバーに異なる権限を付与していますが、重要なポジションはデータを通してユーザーからのフィードバックを非常に重要視しています。


講演では他にも、以下のようなHabby社のゲーム作りのノウハウについても公開されていた。

  • 新規ゲームの開発において、どのようなKPIを経てリリースまで行っているか
  • Habby社でのゲーム企画はどのような基準で考案しているか
  • テストローンチ時におけるCPIなどのKPIはどのように考えているか
  • グローバル展開にてHabbyがとっている戦略とは

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