【SPAJAM2023】『推忍』を開発したチーム「from 北海道」が最優秀賞を受賞 生成AIの活用が一般化、見せ方もより重要に
モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、国内最高峰のスマートフォンアプリハッカソン「SPAJAM2023」本選を「ライムリゾート箱根」で開催し、『推忍(おす)』を開発したチーム「from 北海道」を最優秀賞に選定した。技術力が高く、テーマも合致しているということで満場一致で決まったとのこと。リーダーの七海さんは、「『推忍!』『推忍!』といっていると不思議に元気になって、最後まで楽しく開発できた。素敵な賞もいただけて良い思い出になりました」とコメントした。
今回の本選では、オンラインとリアルで開催された予選で最優秀賞を獲得した6チームと、各予選の優秀賞から選出された3チームが出場し、24時間という限られた時間で「推し」をテーマにアプリ開発を競った。
例年同様、テーマをどう解釈するか、どういう切り口でアプリ化していくかが問われた一方で、進化著しい生成AIにいかに有効活用するかがキーポイントになったようだ。生成AIでコードを出力している場面も見かけた。また、アプリをいかに魅力的に見せていくかも重要な要素になった。プレゼンテーションを専門的に行うメンバーがいるチームもあり、ハッカソンとしてのありようが大きく変わったように感じられた。
このほか、優秀賞と審査員特別賞は以下のチームが選定された。
■優秀賞
・チーム「LIME」:アプリ名『OSHITell』
・チーム「しじみ神」:アプリ名『OSHITE(オシテ)』
■審査員特別賞
・チーム「ZMAP」:アプリ名『Unite Live』
各チームの開発したアプリの概要は以下の通り。
■from 北海道(七海龍平 / 大村優輝 / 永井陽太)
【アプリ名】
推忍(おす)
【アプリの内容】
アイドルなどを想定した推し活イベントで活躍できる体力を養うことを支援するサポートアプリ。端末を手に持って正拳突きの動作をすると回数を数えてくれる。加速度やジャイロなどを活用し、発声や腰の高さ、正拳突きの速さなども計測してポイント化して同担とランキングを競うことも可能。「推忍」という気合の入った掛け声とともに行う正拳突きによる実演プレゼンテーションで会場を魅了した。
■LIME(高梨雄大 / 藤田志穂 / 佐藤柊一 / 佐藤彰真 / 花岡采加)
【アプリ名】
OSHITell
【アプリの内容】
音声合成と生成AIを使って「推し」の音声を再現し、「推し」との日常会話などコミュニケーションが楽しめるサービス。「推し」に(疑似的に)話かけるだけでなく、「推し」から話をかけてくることも。
→発表会では、司会の原亮氏のボイスを使ったデモが行われた。音声で話しかけると、生成AIで音声を認識してテキストベースで返答を作成。そのテキストをサンプルで録音したボイスを音声合成で音声の返答に変換するというプロセスを経ていたようだ。記者個人としてかなり驚いた発表だった。
■しじみ神(水口結美子 / 佐藤慧太 / 右松理 / 檜垣龍 / 松井勝利)
【アプリ名】
OSHITE(オシテ)
【アプリの内容】
職場の推しや、推してくれる人を探すことができる職場コミュニケーションアプリ。自分のプロフィールや声を登録して、推しトレカを生成。職場の同僚とトレカを交換してコレクションすることができる。生成AIを活用し、プロフィールをもとにトレカだけでなく、音声による自己紹介メッセージや歌(歌詞も)なども生成する。
■ZMAP(泉洋樹 / 武内将希 / 田中健太 / 森川雅樹 / 長龍馬)
【アプリ名】
Unite Live.
【アプリの内容】
アイドルとファンの間に一体感を作り出し、思い出として持ち帰るサービス。NFC-Uniteを読み込んでライブに参加し、アイドルの合図に応じて一斉にNFC-Unitをタッチすると音が鳴り、画面に推しの色が表示され一体感を演出。ライブ終了後、スタッフが思い出モードに設定すると出演者情報やプレイリスト、座席番号が表示される。
■知り合いの知り合い(高石一樹 / 佐藤琢斗 / 辻悠一郎 / 出口裕貴 / 佐藤尊)
【アプリ名】
Charactory
【アプリの内容】
自分の「好き」を擬人化するサービス。好きなものを画像一覧から選択し、推しポイントやこだわりポイントを説明すると、自分の「好き」が盛り込まれたキャラクターを生成する。入力情報に基づいて生成AIが自動的にキャラクターを生成する。SNSなどでシェアして盛り上がれることを想定してつくった。
■九州縦断隊(川上雄大 / 湯舟武龍 / 園宇浩 / 長谷川慶 / 森田力)
【アプリ名】
推私てんびん
【アプリの内容】
推しをもっと推すための節約サポートアプリ。支出項目や目標額を設定すると、どういった支出を我慢するといいのか、登録した推しがアドバイスをしてくれる。無駄遣いすると悲しい反応をして、節約すると喜んだりお褒めの言葉をかけたりしてくれる。生成AIを活用した。
■ソラエフ(飯田拓馬 / 中村育豊 / 廣川赳丸 / 髙木凜)
【アプリ名】
シゴレター
【アプリの内容】
自分の「推し」の製品やサービスに関する感動や気持ちを作り手に伝えていくサービス。レビューサイトが整備されていないサービスや製品などもカバーする。作り手はファンの感想を知ることができる。
■シャンシャンの木登り(中原太陽 / 新留祥稔 / 福住和真 / 栃原大器 / 田邊柊真)
【アプリ名】
OFF活
【アプリの内容】
推し活を楽しみながらやるべきタスクに集中できるアプリ。アクリル板を使った疑似ホログラムも。スマホを使った推し活が私生活や仕事を圧迫する問題を解決する。推しの写真を選択すると、推しに見守ってもらいながら、タスクに集中できる。加速度センサーが搭載されており、スマホに触ると推しが集中しろと注意してくれる。
■D_MEGANE(山内大輝 / 滝真由子 / 草開新太郎 / 渡邊優貴)
【アプリ名】
推しはかランチ
【アプリの内容】
ランチに一緒に行きたいけど、相手が忙しそうなどの理由で話かけづらい、誘いづらいという問題があり、アプリを通じてメッセージを送って誘うことができる。話題も設定可能。ランチに誘われてもOKという人から選択することができる。終了後、お互いの推薦コメントが書ける。職場のコミュニケーションと情報共有を促進していく。
▲中間報告会の模様。
▲発表会終了後の実機審査。
会社情報
- 会社名
- 一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)