【レポート】BANDAI SPIRITSが新ロゴ「BANDAI HOBBY」と新ブランド「BANDAI TABLETOP GAMES」を始動 『ポケモン』&『ガンダム』で本格参戦

BANDAI SPIRITS ホビーディビジョンは、3月4日、新たなテーブルゲームブ ランドと、BANDAI HOBBYの新ロゴを紹介するプレス発表会をベルサール三田ガーデンで開催した。本稿では、その模様をレポートしていく
●遊び続けられる“ホビー”を目指して、新ロゴ&新テーブルゲームブランドを発表
イベントが始まると、まずはBANDAI SPIRITS ホビーディビジョン ゼネラルマネージャーの高橋誠氏が登壇。
▲BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン ゼネラルマネージャーの高橋誠氏。
1969年にプラモデルの製造を開始したBANDAI SPIRITSは、その後、キャラクタープラモデルの製造・販売を中心に成長してきた。1980年より展開しているガンプラは昨年45周年を迎え、未だに多くのユーザーから愛され続ける製品となっている。そんなBANDAI SPIRITSは、プラモデルを中心に長年培ってきた技術と情熱を継承しながらも、これまでの常識を超えた新たな挑戦に向けて、「BANDAI HOBBY」という新ロゴの発表を行った。
▲新ロゴのコンセプトは以下の2つ。「BANDAI HOBBY」の頭文字を取った青のBには魂を込めたものづくりや創造性、赤のHはものが生まれる喜びや楽しさ、感動を現している。また、プラモデルの象徴であるランナーでBとHが一体となったV字型の形状が世界中のファンと繋がり、想像を超える感動を届ける翼を現しているという。
また、同社のものづくりは今、大きな転換期を迎えていると高橋氏は続けた。技術の進化と共に、ファンの楽しみ方やコミュニティーの形が多様化する中で、「BANDAI HOBBY」は“創る歓び”と“遊ぶ感動”を未来に届けていくと述べた。
そして、この新たなロゴのもとでテーブルゲーム領域を担う新ブランドとして「BANDAI TABLETOP GAMES」を始動することを発表した。ここでは、長年プラモデル事業で培ったものづくりの技術をベースに、机の上で広げて遊ぶアナログゲームを展開していく。
▲「BANDAI TABLETOP GAMES」は、「BANDAI HOBBY」の中でテーブルトップゲーム領域全体を束ね、商品・遊び方・遊ぶ場所・続いていく仕組みを含めて設計されたブランドになるという。
では、なぜ今「BANDAI TABLETOP GAMES」を立ち上げたのか。まず、2020年のコロナ禍には家で過ごす時間が長くなったことにより、巣篭り需要でデジタルゲームやプラモデルの需要が伸びた背景がある。次に、対面でのコミュニケーションが復活してからエンタメ業界で市場拡大したもののひとつがアナログトレーディングカードゲーム市場になる。同社では、この流れはデジタル化が進む中で人と人が向き合って同じテーブルを囲むアナログゲームの価値が改めて見直された結果だと考えている。そこで、プラモデルとアナログゲーム事業を掛け合わせることで今の時代に求められている“ものづくり”と“遊び”を提供できると確信できたことが今回の動きに繋がったと経緯を説明した。
最後に、「BANDAI TABLETOP GAMES」では、“継続して遊んでもらうこと”を大切にしていると高橋氏は話す。遊びやすい入り口があり、続けやすい仕組みがあり、人が集まり、関係性が積み重ねられる。商品だけでなく、イベントやコミュニティーを含めて遊び続けられる環境そのものを作っていきたいと高橋氏は展望を述べた。そうしてプラモデル同様に、何十年と長い期間楽しんでもらえるホビーに成長させていきたいのだという。
その第1弾となるのが、世界的にも人気のIPを起用した2つのテーブルゲーム・シリーズになる。続いては、各商品の担当者より詳細が語られた。
▲1つ目は、2026年のポケモン30周年を記念した「ポケモンバトル」をリアルに楽しめるサイコロバトルゲーム、2つ目は約5cmのガンダムシリーズに登場するモビルスーツなどを駒としてバトルを行うミニチュア対戦ゲームとなる。
●1997年に発売されたポケモンサイコロバトル「プラコロ」が令和に復活!

ここからは、BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 開発担当の松浦由莉氏が登壇。
▲BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 開発担当の松浦由莉氏。
松浦氏からは、1997年に誕生し、かつて多くの子供たちを中心に親しまれた「プラコロ」が発表された。こちらは、2026年のポケモン30周年に合わせ、世代を超えて愛されるポケモンという存在と、当時の遊びの楽しさを受け継いだ「プラコロ」を今の時代に相応しい形で再び届けるプロジェクトになっている。
▲本プロジェクトでは、ポケモンカードゲームの企画・開発・制作などを行うクリーチャーズと、ポケモン、BANDAI SPIRITSの3社でパートナーシップを実現している。
そんなBANDAI SPIRITSのプロモーション力を活かした展開の一環として、まずは「プラコロ」の世界観を表現したムービーにはイメージキャラクターとして俳優の菅田将暉さんを起用。
▲3月3日に公開されたこちらの映像は、YouTube・Xなどを合わせて既に累計190万回以上が再生されるほどの注目度となっている。
会場では、30年前に「プラコロ」を発案した張本人でもあるポケモン代表の石原恒和氏からもメッセージも公開された。石原氏は「ポケモン30周年を記念して当時のチームが再結集し、本気で“プラコロ”をアップデートしました。非常にシンプルなゲーム性ながら、運と戦略で、子供から大人まで本気でポケモンバトルを楽しめますので、実際にプレイして奥深さを感じてください」とコメントした。
また、3月4日よりテレビCMを始めとした各所で大規模なプロモーション展開を実施。その施策のひとつとして、3月20日には渋谷での大規模広告展開も予定している。
さらに、ポケモンファンとして知られる松丸亮吾さんやあばれる君さんといった著名人が出演するデモンストレーション動画の公開も予定しているとの話だった。
そして、発売前から遊びの熱量を絶やさない場として5月よりBANDAI SPIRITS主催やイオンでの先行体験会を開催。発売後も、全国の店舗とタッグを組んで体験イベントを展開していく。
そのほか今後は、雑誌『ポケファン』にて大特集+付録としてキャラコロを同梱。2026年7月には、バンダイナムコ Cross Store 横浜内に世界観を体現した初のオフィシャルショップを展開。東京ドームシティ プリズムホールを皮切りに、東京・名古屋・大阪で500名規模の公式イベントを開催して世代を超えたコミュニティーを形成していく展望があることを明かした。
ここからは「プラコロ」が目指すものについて。今回の「プラコロ」では、現代の生活リズムの変容に合わせて、パッケージを空けてすぐ、説明不要でその場にいる全員が熱狂できる“究極の遊びやすさ”を徹底的に追及して再設計を行ったという。
先ほども紹介があった通り、ものづくりに関してはBANDAI SPIRITSが、ゲームバランスの調整に関してはクリーチャーズが全面監修しており、両社のノウハウを合わせることで今の時代に相応しい最高品質の遊びを届けていく。
具体的には、当時から子供を取り巻く遊びの環境が変化しているため、1プレイ10分前後で遊べるようプレイ時間を大幅に短縮。エネコロをカスタムできる箇所を2面から4面に増やしたことで、当時より技が決まりやすくなっている。これによりスピーディーなゲーム性を実現した一方で、ポケモンタイプを11タイプに拡大して戦略性の幅を増加。キャラコロの向きによって追加効果が得られるなど、新たな要素も加わっている。
しかし、「プラコロ」ではあえて運の要素を残すことで、子供でも大人に勝てるチャンスを生まれるようにしている。予測不能な展開があるからこそ、家族や友達とも本気で盛り上がれる理由になっていると松浦氏は述べた。
さらに遊びやすさを加速させるため、スタートセットはワンコインで購入できるよう500円[税込]で販売(※初回限定価格)。さらに、ランダム封入のたんけんボックス(全36種)を加えることで、最初はシンプルに、しかし気付けば奥深い戦略の渦中にいられるような仕組みになっている。
▲「プラコロ」は2026年7月の発売を予定している。
最後に松浦氏は「かつて多くの子供たちがテーブルを囲んで熱狂したあの光景を、今の時代に相応しい最高の形で蘇らせます。当時を知る方も、今日初めて知ったお子様も、サイコロひとつで一喜一憂できる、そんな世代を超える熱狂を必ず日本中に届けていきます」とコメントして発表の締めとした。
●あの伝説の戦いで“自分が指揮を執っていたら”を体験できる「ガンダム」のミニチュアゲームが実現

続いて、BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 開発担当の染谷潤氏が登壇。
▲BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 開発担当の染谷潤氏。
「GUNDAM ASSEMBLE」では、“ガンダム”という世界的IPを武器に、今、急成長を遂げている世界のミニチュアゲーム市場に挑戦していく。その中でフォーカスしたのは、小規模部隊の戦術を競う“スカーミッシュバトル”だ。
従来のミニチュアゲームは、1プレイに数時間要するものが一般的だが、本作は濃密な戦略体験を現代的なスピード感で楽しむことが可能となっている。また、ガンプラの造形美とゲームの競技性を合わせることで、世界中でリーグ戦が開かれるようなグローバルな競技タイトルへと育てていきたいと展望を述べた。
▲「GUNDAM ASSEMBLE」では、ミニチュアゲームらしくダイスを振る運の要素も入っているが、プレイヤーの決断や戦略が大きく戦況を変えるゲームになっているという。
どの地点に機体を配置し、どのタイミングで仕掛けるか、ルールはシンプルながらも一手一手の選択が劇的に戦況を変える。ガンダムで見られる戦場を、軍師の視点で指揮することで没入感を味わえるゲームに仕上がっていると染谷氏は説明した。
また、本作では遊ぶまでの距離を短縮することにこだわったという。最小限のパーツ数で、接着剤不要のスナップフィットを用いることで、ペイントまで含めて最短距離で楽しめるように設計。完成後も最小3ユニットでチームを編成してすぐにゲームに参加できるようになっている。遊びにはじっくりと時間を使ってもらいつつも、今のライフスタイルに合わせたスピード感を意識しているとの話だった。
そのうえで、これまで培われてきたガンプラの技術を活かしつつも、今までのプラモデルとは異なる製法と、造形のプロポーションでミニチュアとして美しい形を実現。劇中の印象的なポージングをそのまま立体化することで、単色成型でありながらも置くだけで陰影が立ち上がるような設計となっている。
▲塗装を施せば、世界に1体だけの自分だけのミニチュアが完成する。さらに、最強のコマとしても使えるため、作る人と遊ぶ人の両方の本能を刺激する造形になっている。
これまで紹介されてきた通り、「GUNDAM ASSEMBLE」には“作る”、“塗る”、“集める”、“戦う”、“ガンダムの物語を知る”といったさまざまな遊びが内包されている。作品をまたいだ自由なバトルが楽しめるだけでなく、劇中の戦いを再現した原作モチーフのバトルなど、さまざまなシナリオを用意しているという。
ゲームのルールについては、アメリカの開発会社と共同構築。TCGの世界大会でも優勝経験を持つジャスティンゲイリー氏が中心となり、偉大な先達のミニチュアゲームを徹底的に分析して現代のプレイヤーが求めるスピード感とガンダムらしさを実現していった。その結果、世界でも本格的に戦える競技性のあるゲームとして仕上げていると染谷氏は自信を覗かせた。
▲各機体の特徴や設定をゲームのメカニクスに昇華させている点にも注目してほしいとの話だった。
今後の展開については、まずはまだ日本で馴染みの薄い「ミニチュアを塗って遊ぶ文化」を根付かせていくために全国の店舗と連携してプレイスペースの確保や塗装の体験会を推進していく。そうして、ゆくゆくは日本でもミニチュアゲームをカジュアルに遊べるような文化を作っていきたいと展望を述べた。
▲「GUNDAM ASSEMBLE」は、2026年10月に日英同時発売を予定している。一年戦争を皮切りに、「SEED」や「鉄血のオルフェンズ」など、歴史を網羅する形で商品を展開していく。
本作ではグローバルなコミュニティー形成を見据えて、世界規模の塗装コンテストやゲームの世界大会を連動し、作る人と戦う人が国境を越えて繋がるプラットフォームへ成長させていくという。既にミニチュアゲームに親しみのあるアメリカ・ラスベガスではシークレット体験会を実施している。
▲シークレット体験会は満員御礼になったうえ、反響も良かったとのこと。日本でも世界でも同じルールで遊べるためコミュニティーが広がることも夢ではなさそうだ。
スマートフォンアプリ『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』との連動キャンペーンも実施。「GUNDAM ASSEMBLE」の情報解禁を記念して、3月13日12:00~31日23:59までの期間、アプリ内で使用できるプレミアムガシャチケット1枚が手に入るプロモーションコードを配布する。
●ユーザーの熱狂を継続させるインフラ整備について
最後に、イベント参加システムの説明を行うため、BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 国内マーケティング担当の清水浩志氏が登壇。
冒頭の高橋氏の話にもあった通り、「BANDAI TABLETOP GAMES」では遊びが日常の中で続く環境を重視している。どこで、誰と、どう遊べば良いのか、この不安を解消しなければ新しいホビーが文化として根付くことはないと考えていると清水氏は話す。そこで、プレイヤーと、全国の遊べる場をダイレクトに繋ぐ専用システム「バンダイテーブルトップゲームズ(BTG)システム」を開発。
BTGシステムはブラウザからアクセス可能となっており、イベントの検索やエントリー、対戦結果の記録までを完結できる。また、バンダイカードゲーム事業部が展開するプラットフォーム「TCG+」の運用ノウハウを最大限に活用することで、“行けば仲間がいる”、“戦えるワクワクや安心感”をユーザーに提供できるとの話だった。
商品という“点”をコミュニティーという“線”で繋いで、継続的な熱狂をインフラ面からも支えていきたいとして話の締めとした。
プラモデルで培った“創る歓び”を礎に、テーブルの上から新たな熱狂を生み出す——BANDAI SPIRITSの挑戦は、アナログゲーム市場にどんな新風を巻き起こすのか、今後の展開に注目したい。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©SOTSU・SUNRISE ©SOTSU・SUNRISE・MBS
会社情報
- 会社名
- 株式会社BANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)
- 設立
- 2018年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 榊原 博
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1815億9300万円、営業利益312億2700万円、経常利益318億2500万円、最終利益225億3300万円(2023年3月期)




